革新の背景にあった課題とは?
革新の背景にあった課題とは?
出典:www.kmontsuki.co.jp
京都紋付は、伝統的な男性の着物「紋付」を長年に渡り染め続けてきました。
しかし、ピーク時には年間に約200万反(たん)生産されていたのが、約50分の1の4万反にまで減少してしまいます。
また、着物産業としてもかなり厳しい状態で、以前は2兆円産業と言われてのが、約4000億円に減少してしまったのです。
着物産業が悪ければ、当然着物を染める染色産業にも悪い影響広がり、同業者もどんどん減っていきました。
それまで伝統技術を継承し、皇室からも染色依頼がある程の高い評価と品質を維持してきた京都紋付。しかし、染色需要が少なくなることは、経験豊かな技術者の伝統的な黒染め技術が失われてしまうという危機へとつながります。
そこで、「職人の技術を和装の衰退とともに消えさせるわけにはいかない」との強い想いから、新しい事業を展開していく必要があったのです。
出典:www.thinktheearth.net
そこで生まれたのが、伝統的な技術を使った新たなデザインのアパレル製品。そして黒染めの技術を使った衣服の再生でした。
近年では、自社ブランド「BL WHY」のデニム、加工ブランド「御黒染司」は有名アパレルメーカー、並びに海外のセレクトショップともコラボレーションするまでに広がりを見せています。
具体的には、新宿伊勢丹メンズ館、プラチナ・コムサ、京都サンガ、アシックスISSEY MIYAKEなどとコラボしています。
また、21013年10月からはWWFジャパンとの共同企画「PANDA BLACK」において、衣類を染め替えて真っ黒にし、再利用する活動を行っています。
京都紋付のこれから
時代の流れとともに、存続の危機が訪れた京都紋付。
そんな時4代目社長の荒川徹氏は、企業の存続だけでなく、職人たちの技術が失われることに危機を感じ、新たな事業に乗り出しました。
形は違っていても、本質を見失わなければ、守りたいものを守りきることもできるということが言えます。
京都紋付についての詳細はHPをごらんください