顔は分かるが、名前が分からない
皆さんは他人の顔と名前が一致しないということを経験したことはないでしょうか?
以前会ったことがあり顔は分かるが名前が出てこず、結局名前を呼ぶことなくその場をやり過ごすといった経験が一度はあると思います。日常生活においてもそうですが、企業も社員に対して同じ悩みを抱えています。
社員の顔と名前を覚えることは信頼度向上に繋がるので、非常に重要なことです。
そんな企業内の問題にむけて、社内の社員の顔写真を名前と共に一覧で見ることができるサービスが『カオナビ』です。メルカリや日清なども導入している『カオナビ』ですがどのようなサービスなのでしょうか?
顔写真一覧で人材管理できる『カオナビ』とは
カオナビを一言で表すと、顔と名前が一目で一致するクラウド人材管理ツールです。カオナビの大きな特徴は、上の写真のように社員の顔の一覧と名前が一目で分かるように表示されている点です。
顔写真をクリックすると、社員のプロフィールや、過去の異動履歴、評価などを見ることが出来ます。またこれらの項目は企業ごとに変更することが可能になっています。
アパレルメーカーのトゥモローランドでは従業員の身長を項目に入れ、来店者が自分の身長にあったファッションをイメージしやすいように、それぞれの店舗に様々な身長の従業員を配属しています。
また『カオナビ』では顔写真を見ながら画面上で配属を決めることが出来るため、名前がうろ覚えでも本人をイメージしやすく人事のコストが少なくなります。また各部門ごとの従業員の性別や、年齢、勤年数などの様々な項目を縦と横軸で表示することが可能なため、一目で社員全員の適材適所を見ることが出来ます。最初にカオナビを導入したサイバーエージェントでは、新規事業のチームを決める際に、入社年度を横軸、社員のグレードを縦軸に並べたもので意思決定をしているそうです。
顔写真を並べる際は、写真そのものをマウスで動かすことが出来るためより直感的な配属が可能となります。『カオナビ』クラウドサービスなので様々なデバイスで使え、社外に何店舗も構えるような企業でも店舗先の従業員の顔と名前をその場で確認することが出来ます。
株式会社カオナビの創業と今後
『カオナビ』は現代表取締役の柳橋仁機氏によって作られました。柳橋氏は上場企業のアイスタイルの創業時に関わり、一度は退社するものの再びアイスタイルに入社します。しかし2008年に独立し、株式会社カオナビを設立しました。起業当初にサイバーエージェント社の人事担当から社員の数が多くなり、顔と名前を覚えきれないという相談を受け開発したのが『カオナビ』の原型です。その後受託開発ではなく、製品化し販売を開始しました。
『カオナビ』は2016年5月末時点で、スタートアップ企業から従業員が一万人を超える企業224社に導入されています。そんな『カオナビ』の今後の展望は、2018年までに1000社に導入することであると柳橋氏は語ります。人材管理ツールと言えば『カオナビ』を連想されるようなブランドイメージの構築を目標に掲げています。
業務システム導入サービスの業界は、オラクルやSAPといった競合他社が多く、既に大企業と密接な信頼関係を構築しています。そのため他社と衝突しない立ち位置として人材管理のみに特化した製品開発、ブランドづくりを進めていき、人材管理サービスの分野では『カオナビ』を利用してもらえるような企業にすると柳橋氏は考えています。
業務システムに関するアプリケーションの今後
近年では自社に必要なソフトウェアを、必要な分だけ利用できる SaaS(Software as a Service)を利用する企業が増えてきています。それに伴い様々な種類の業務システムが開発、販売されています。
今後の業務システムの傾向としてはカオナビのようにブラウザ上のみでなく、スマートデバイスでも利用可能な拡張性の高いよりニッチなサービスが台頭してくるのではないでしょうか?