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内製化とは?
あなたの会社は、今、どんな業務をどの程度社外の人に頼っているかご存知でしょうか?一時期「アウトソーシング」という言葉がもてはやされたように、今や社外に業務を外注することは当たり前の流れになっています。しかし、最近注目されているのは、そんな流れとは全く正反対の「内製化」です。
内製化とは、社内だけで業務を完結させる動きのことを指します。例えば、今まで外部業者に頼っていたシステム設計や社内サービスの業務を自社内に戻すです。社外に発注していた業務をあえて社内に戻すのはどのような効果があるのでしょうか?今回は内製化について、少し考えてみましょう。
外注するメリット・デメリットとの比較
出典:www.photo-ac.com
会社という一つの大きな組織の行動には、それがどんな動きだったとしても、必ずメリットとデメリットが発生します。
メリット(1)社外の高いレベルのサービス・技術を用いることができる
中小企業やできたばかりのスタートアップの場合、人事・総務・経理など管理系業務は業務委託した方が、煩雑な業務に手を煩わされることなく、社員は本業に集中して取り組むことができるでしょう。「餅は餅屋」という言葉があるように、専門的なことは専門家に任せたほうが、早く物事が完了します。
また、新規の業務を立ち上げる場合や専門的な業務を新たに行う場合は、社内で行おうとすると人の育成に時間やコストが発生するため、外注したほうが結果としてコストが安く抑えられるでしょう。
メリット(2)コストを流動的に組むことができる
外注することは、売上げに応じて調整できる変動費として計上することです。つまり、仕事の量にとって、外注先を増やしたり減らすことができるのです。これは、事業を取り巻く環境の進むスピードが速く事業計画の見通しを立てることが難しい場合も、調整しやすいことを意味します。
デメリット(1)自社固有の問題に対応させることが難しい
場合があることも理解しておきましょう。外注した場合、ベンダーはある程度固定化された内容のサービスを一つのパッケージとして扱っている場合が多く、自社固有のサービスや技術に対応させることが難しいのです。
また、外注先は社内の事情や方針に精通しているわけではないので、提供されるサービスや技術が企業の望むモノではない可能性もあり、コミュニケーションの難しさやズレが問題になる場合もあるでしょう。
デメリット(2)コストが高くなる
外注の一番の問題はコストが高くなってしまうことにあります。スキルや専門性の高いベンダーに仕事を依頼する場合は、初期費用が掛かったり短期的に原価が高くなってしまう可能性があります。外注することによって得られるものと、失うものを比較した上で、意思決定しないといけません。
社内教育は外注してもいいのか?
出典:www.photo-ac.com
このように外注は企業にとって非常に効果的ではありますが、何でも外注すればいいという話ではありません。
例えば、社内教育を外注すべきか内製化すべきかは企業の規模や業種によっても異なります。社員の多くが接客業を行っているような場合は、内部に講師やトレーナーを育成するシステムにした方が社員同士の士気も高まり、価値あるスキルや情報を車内で蓄積していくこともできるのです。
しかし、業務によっては社員の講師は講師としての経験や知識も足りず素人同然になってしまうこともあります。そうであれば講師役の社員にとっては負担になり、受講する社員にとってもプラスにならないため、外注よりも安いコストで研修が行えたとしても得られる効果もあまりなく、内製化させるメリットは低いと言えるでしょう。
ベンチャー企業の教育体制を考える
さらに、スタートアップ企業やベンチャー企業の場合は、社内教育を外注するかどうかは慎重に考えた方がよいでしょう。特に始まったばかりの企業にとっては、主力となる業務を行いながら社内の教育体制を整えていくのは至難の業です。ベンチャー特有のリソース不足、またプレイングマネジャーの増加など、時代の流れも考慮しないといけません。
さらに、管理職や高いマネジメントスキルが要求される社員に対して、外部の研修や教育プログラムを利用した方が、より効率よく学ぶことができるでしょう。
とは言いつつも、教育、ひいては人材は、その会社の財産です。「人財」と呼ばれることからわかるように、会社に財をもたらす存在です。その人を育てる仕組みをいつまでも外注することは、企業独自のノウハウが蓄積されません。そういった意味で、企業、特にベンチャー企業は、自社の教育体制について、十分に検討しないといけません。
内製化を進めるには「動画研修」に取り組むべき
出典:www.photo-ac.com
内製化を進める上で、大切になってくるのが「動画研修の実施」です。今ではスマホ等で簡単に映像が撮れます。社内で知識や経験が豊富な方に登壇してもらい、研修の様子を記録しておきましょう。その動画を社内で共有し、いつでも学べる体制を作ってください。
もちろん業界によっては、「わが社の社員には、動画研修は合わない」と思うかもしれません。しかし、多くの教育担当者は「何かいい手段はないか」と考えていることでしょう。もし動画研修に取り組んでいないならその実施を、もし既に実施していて効果が出ていないのであれば、動画の内容について見直してみましょう。
内製化に何が正解ということはありませんが、自社独自の教育体制を構築することが、長期的に会社を存続させるために重要なことです。ぜひこの記事をきっかけに、研修の内製化について、考えてみてください。