今回のインタビューは、ハウズ・ジャパン株式会社の代表取締役社長である加藤愛子さんに「米国に拠点があるHouzzの日本上陸の背景」「起業の経緯」「スタートアップの魅力」についてお話を伺いました。

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)

経歴
幼少期を米国ワシントン D.C.、サンフランシスコ、ミシガンで過ごす。 シカゴ大学経済学部を卒業後、米国投資銀行ゴールドマンサックスのロンドン、および東京オフィスに勤務。
INSEAD(フランス・シンガポール)で M.B.A.を取得後、ビューティー・トレンド・ジャパン株式会社の代表取締 役に就任し、化粧品のサブスクリプションサービス、GLOSSYBOX 日本 法人を創業。初年度の黒字化に成功する。その後、ニューヨークを拠点に ベンチャー企業の海外展開に関するコンサルティングを行う。2014 年 11 月より現職。
事業内容について

houzz5
-事業内容を簡単に教えてください。
Houzzでは、建築家やデザイナーなどの住宅に携わる専門家の方々が一般ユーザーと繋がっていけるようなコミュニティサイトを運営しています。軸となるのはプロが投稿する施工事例の写真で、それに興味を持った方と繋がっていく仕組みになっています。プロの方々にはマーケティングツールとして施工事例をご自由に投稿して頂けるというところが珍しい機能で、ユーザーにとっては、家づくりに使って頂けるツールになっており、コミュニティサイト以上の価値を提供しています。
Houzzの強みは一気通貫してアイディア集めからネットワーク作り、最終的には購買まで同プラットフォームで完結することができるところです。また、最大の強みはグローバルに展開しているところで、海外からの情報やネットワークに瞬時にアクセスすることができるところです。
また、ユーザーが使いやすいツールとして展開していますので、必ずユーザーのニーズヒアリングをしているというところが一番のこだわりです。

日本上陸の背景

-昨年日本に上陸した『Houzz』ですが、どういった背景があったのでしょうか?
会社全体では600名くらいの企業で、アメリカ、オーストラリア、イギリスなどの9カ国で正式に展開しており、全世界で3500万人のユーザーに使って頂いています。
今年の4月にHouzzJapanをオープンしましたが、日本に展開するきっかけは、海外のユーザーからのニーズでした具体的には日本の住宅に興味関心を持たれているユーザーが非常に多くいらして、そういった方々のニーズにお応えするために日本で展開することになりました。また、展開前から日本で使って頂いていたユーザーから日本版のニーズもありました

アメリカの大学を卒業し、金融機関へ

-加藤さんが起業に至るまでにはどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか?
私は日本生まれなのですが、幼稚園の頃から大学卒業までアメリカで育ちました。
大学卒業後は外資系金融に入り、日本オフィスからロンドンに転勤になったりする中で、リーマンショックを経験しました。
私はちょうどそのタイミングで日本株の営業をやっていたのですが、自分が株を売っても会社や日本経済に全く貢献していなのではないか」という意識を持ってしまったのです。どんどんリーマンショックの影響で海外の投資家が日本から撤退していき、いくら「この企業は素晴らしい」と言っても、他国の企業の数字と比べられると太刀打ちできませんでした。

そこから自分の手でもっと事業を動かしたい」と思うようになり、ビジネススクールに行くことを決心し、卒業後に1つ目のベンチャー企業の日本法人立ち上げました。
「Houzzに一目惚れをしてしまった」

houzz2
-Houzzを日本で立ち上げるに至った経緯を教えてください。
ニューヨークでは化粧品に特化したマーケティングプラットフォームの展開準備をしておりベータ版を正式に立ち上げる準備をしていました。そんな中で偶然、友人にHouzzの今の同僚を紹介されました。ちょうどHouzzが日本展開をする準備をしていたところでした

私はHouzzを見た瞬間に完全に一目惚れをしてしまって。自分の中でのタイミングも合ったのだと思います。

こういったサービスが日本にあると住環境がより豊かなものになっていくのではないかと思い、それに関われるというのがすごく魅力的でした。自身の事業の準備はしていましたが、今自分としてやるべきことは何なのかを考えると最終的にHouzzだったんです。
そこから話が盛り上がり、翌週にはアメリカに渡ってアメリカのチームと会って、日本に戻ってきてすぐに法人登記をしました。
houzz9
創業者2人は夫婦なのですが、自分たちが家づくりに際し大変な思いをした中で、そのソリューションとしてHouzzを創っています。弊社CEOとは昨年10月に初めて会いましたが、すごく愛情を持ってこのサービスを作ってきたことが伝わってきました。
1ユーザーとしてどのような事業展開をすればユーザーにとってプラスになるかを常に考えていて、私はそういう起業の仕方にすごく共感できました。私は、ユーザーに必要とされるようなサービスを提供できないならば対価をもらってはいけないと思っています。
もちろんいい商品やサービスを作ってマーケットを探すということもできますが、すでにニーズがあるところにソリューションを提供する方が自分の考えに一致しているのかなと思いました。

常に周りにプロフェッショナルがいる環境だった

-加藤さんはこれまでどのような環境で過ごされてきたのでしょうか?
これまですごく恵まれてきた環境で育っているのかもしれません。生まれ育った環境もそうですが、社会人になってからも非常にプロフェッショナルな人たちが周りに多くいらっしゃいました。それは、目の前のことだけではなく、後々これがどういう風に周りの人たちのためになるかということを考えておられる方々でした。
また、海外で育ったということもあって遠くから客観的に物を見ることができ、そこから日本の良さを知ることができました。そういう環境下で日本の良さをもっと発信できるような事業に携わりたいと思うようになりました。
 
<PR>その税理士報酬適正ですか?何人でも税理士無料紹介「税理士ドットコム」

【よく読まれている記事】
総利用者数300人突破!! 「起業の科学」著者田所雅之氏による、ここだけでしか見れないコンテンツ

『enfacスタートアップサイエンス』は、世界で5万回シェアされたスライド「StartupScience」制作者の田所雅之氏が、書籍300冊、経営者のブログ500本、自身のシリコンバレーでの起業経験と1000人以上の起業家を取材する中で体系化した知識を、動画ラーニングのenfacが、いつでもどこでも学びやすくまとめた動画学習コンテンツです。


2017年6月より1年間をかけて企画・撮影した105本。今後も、毎月2-3本新しいコンテンツをリリースし、学びを深めていくことをサポートします。
コンテンツを学習することで、「試行錯誤で時間を浪費する」「チーム内で噛み合わないコミュニケーションを続ける」などの無駄を省き、チームが本来の目的や使命に向かってより効果的に進むことができます。

これ以上は記事がありません

読み込むページがありません

おすすめの記事