※この記事は、「Building an International Team in Japan」を参考に制作しています
シリコンバレーを日本に作る
出典:kigyotv.jp
「Why not bring a piece of Silicon Valley to Tokyo?」
なぜシリコンバレーのエコシステムを東京に持ち込むことができないの?
GengoのCEOであるMatthew Romaine(マシュー・ロメイン)氏は、「日本は24時間安全であるけれども、従業員のエコシステムは若者を支援しない」と言います。日本にはあまりにも年配の管理職が多く、変化を好まず、形式が多過ぎます。
しかしこれを破壊することは可能なはずです。今回はロメイン氏が考える「シリコンバレーと日本の起業環境の違い」についてご紹介します。
そもそもロメイン氏が作った「Gengo」とは?
出典:ja.gengo.com
Gengoは、翻訳サービスであり、世界中の翻訳家が登録しています。そして、希望する翻訳の質と量によって、費用が決定される仕組みとなっています。
スタンフォード大学で修士号を取得したロメイン氏は、オーディオ関連のエンジニアとしてソニーに入社します。そんなロメイン氏はソニーにいた当時、海外とのやりとりで英語のチェックを頼まれることが多く、これがきっかけで英語の翻訳のニーズに最初に気づきました。
当時は翻訳ツールも精度が低く、翻訳サービスを利用しなければいけません。しかし、主に翻訳サービスは長文専用のものがほとんどで、短い文章の翻訳サービスはほとんどありませんでした。そして、翻訳を短い文章からでも行う、Gengoの開発に至ったのです。
日本での起業とシリコンバレーとの違い
出典:picjumbo.com
ロメイン氏は、日本は住みやすく安全であるという点では評価できるが、日本で起業するメリットはほとんどないと言います。
日本は書類などいろいろな制約が多いため、特に外国人の日本での起業は勧めないとのことです。
“Silicon Valley is an attitude that espouses the idea that advancements in technology outweigh any downsides, that these advancements create value and improve our lives, and that failures encountered during this pursuit only strengthen the foundation on which further risks can be taken.”
それに比べてシリコンバレーは、⑴過去の技術よりも優れた技術を採用し、⑵この優れた技術が価値を生み出し我々の生活を豊かにし、⑶これらの追求の過程で出会う失敗だけが、より大きなリスクを取ることで築き上げられる土台を強固にするという態度が、あるということです。
ロメイン氏は、こういった点のみがシリコンバレーで大事な点であると言います。
起業環境のあるべき姿
シリコンバレー同様、イスラエルが起業環境として注目を集めています。自然発生的に生まれたシリコンバレーに対し、イスラエルは政府による支援が手厚く、人工的に生み出したといっても過言ではありません。
しかし、共通して言えることは、「成功した起業家がいる」ということです。成功事例を作ること、そして起業に成功した人が投資家となり、若手起業家を支援することが大切です。
そういったエコシステムが必要であり、日本には起業して成功した人が世界に比べて多くありません。なので、日本の起業環境をよくするには、まず国が起業やベンチャー企業に対する支援を手厚くし、資金的にサポートすることが必要だと思います。
日本の起業環境が今後どうなっていくのか、注目しましょう。