3段階で実践‼ ビジネスモデルキャンバスの本格的な使い方
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ビジネスモデルキャンバスを3段階で使う
次は、より実践的なビジネスモデルキャンバスの使い方を考えていきましょう。
大抵の場合、最初からビジネスプランがキャンバスの9つの要素を持っていることはありません。また、状況によっては、要素を埋めるのが難しい、情報が足りないということもあると思います。
そのため、ビジネスモデルキャンバスは更新しながら使っていくことになります。
最初は空白だらけのキャンバスからスタートし、最終的には9つの要素をしっかり押さえたキャンバスを作成するのです。
ではその更新頻度はどのくらいが理想的なのでしょうか?
もちろん、その都度細かく更新していくスタイルでも構いませんが、今回は1つのおすすめ手法を紹介します。
最初のキャンバス(ファーストキャンバス)に加え、2回のアップデート(セカンドキャンバス/サードキャンバス)、これら合計3回の更新を行う手法です。
3段階で効果的にビジネスモデルキャンバスを使っていきましょう。
ファーストキャンバス―まずはビジネスの輪郭をつかもう
1番最初に作るビジネスモデルキャンバス、ファーストキャンバスはたたき台なので、ビジネスのイメージを示せれば十分です。メンバーの間でそのビジネスの概要を共有できるレベルを目指しましょう。
<ファーストキャンバスの注意点>
・時間をかけすぎない
・正確性や完全性にこだわらない
・可能性のあるものはどんどん書いておく
・書いた内容に固執しすぎない
ファーストキャンバスが描けたら、次はセカンドキャンバスに向けて、顧客を分析していきます。
そこで使うのが「VPキャンバス」です。
VPキャンバスとは
ビジネスモデルキャンバスはビジネス全体を俯瞰するためのものですが、特定の項目にズームインして使うことも多々あります。
その1つが「VPキャンバス」です。
VPキャンバスの目的は、自社が提案する価値がその顧客セグメントに合っているかを分析し、とるべきアクションをはっきりさせることにあります。
VPキャンバスは「自社の製品・サービス」を表す左側と、「顧客(インサイト)」を表す右側に分かれています。
「顧客(インサイト)」は、「顧客の課題」「顧客の利益」「顧客の痛み」の3部構成です。
◆顧客の利益
顧客が「うれしい」と感じることを記入します。
◆顧客の痛み
顧客が「くるしい」と感じることを記入します。
◆顧客の課題
最後にその顧客が抱えている課題を記入します。
「自社の製品・サービス」は、「製品/サービス」「利益創出の手段」「鎮静作用」の3部に分けて記述します。
◆製品・サービス
自社が提供する製品・サービスを先に記入します。
◆利益創出の手段
顧客が「うれしい」と思うことを、どのように増やすのかを記入します。
◆鎮静作用
顧客が「くるしい」と思うことを、どのように減らすのかを記入します。
改めてVPキャンバスを見てみると、
「利益創出の手段」 ➡ 「顧客の利益」
「鎮静作用」 ➡ 「顧客の痛み」
「製品・サービス」 ➡ 「課題」
という風に、対応していることがわかると思います。
このようにして、自社が提案する価値がその顧客セグメントに合っているかを分析するのです。
セカンドキャンバス-顧客にフィットさせてみよう
顧客の分析が終わったら、セカンドキャンパスへアップデートです。
ファーストキャンバスでは、可能性のあるすべての顧客セグメントを記述しましたが、セカンドキャンバスでは、より有望なセグメントに絞っていきます。
その次に、VPキャンバスを作成する中で得た気付きを各項目に記していってください。
最後に、調整を行います。
キャンバス全体を見て、削れる部分、加えたい部分を考えましょう。
これで、ファーストキャンバスと比べて、ずいぶんとビジネスプランっぽくなってきたことと思います。
もしこの時点で、「このビジネス大丈夫?」と思うようであれば、一度前に戻ってやり直したほうがいいかもしれません。
いいセカンドキャンバスを描けた人は、それを見ながら、顧客と製品が結びつくストーリーを語ることができるようになるはずです。
さて、ファーストからセカンドまでは「顧客の分析」とそれに伴う「内部分析」を行ってきました。
ではセカンドからサードの間にやるべきことは何でしょうか?
そう、「外部環境」「競合」の分析です。