ボトルネックとは
“ボトルネック”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
出典:www.00995.com
ボトルネックとは、簡単に言うと“プロセスを制限しているモノ・コト”を指します。直訳した意味は“ビンの首”ですが、ビンの形のようにどんなに容量の大きなビンでも首が細ければスムーズな流れは阻害されてしまいます。
化学用語では“律速段階”とも呼ばれており、ビジネス用語では、効率を制限していたり、品質を落とす大きな要因のことを指します。
例えば、TECH業界ではサービス拡大を阻害する要因や通信処理速度が阻害されている原因が、マネジメント面では業務プロセスを阻害させている要因や事業成長のための課題などがボトルネックに当たります。
このようにボトルネックを見つけ出しそれを改善することで、プロセスの流れを大幅に向上させることができるのです。
ボトルネックがよくわかる書籍
この“ボトルネックの改善”を分かりやすく解説した本が、「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」(エリヤフ・ゴールドラット著/ダイヤモンド社)です。
出典:www.amazon.co.jp
アメリカでは1984年に出版され250万部のベストセラー、日本でも30万部のベストセラーになった有名なビジネス小説ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
「ザ・ゴール」はイスラエル人物理学者・ゴールドラット氏が生産スケジュールソフトをアメリカで販売する際に、その基礎理論を分かりやすく解説するために生まれました。
初心者にも分かりやすく説明された小説仕立てのビジネス書なので、ストーリーを通して制約条件の理論(Theory of Constraints:工場経営では、生産ライン自体にボトルネックがあると他の生産プロセスをいくら改善しても全体の生産量は増加しないという考え方)を簡単に学ぶことができます。
ストーリーは、不況のため閉鎖まで残り3ヶ月の工場に工場長として赴任してきたで主人公・アレックス・ロゴの工場再建をテーマに描かれています。
恩師との再会と彼からのアドバイスを通して、業務改善や家庭不和の解決にまで奮闘する主人公の姿からはリアルな苦悩や興奮がひしひしと伝わってきます。30年以上前に書かれた書籍でありながら、工場経営やビジネスの知識がなくても、小説としても十分に倒しむことができる一冊です。
また、部分最適化に長けている国として日本を脅威に感じていた著者が17年以上も日本での翻訳を拒否していたというエピソードもこの書籍をより魅力的に見せているポイントです。500ページを超える大著ですが、興味を持たれた方はぜひご一読をおススメします。
ボトルネックを改善するサービスを提供する会社(起業tvインタビューより)
自社の業務にボトルネックがあることは分かっているが、その改善は難しい・・・そんな時に助けてくれるのが、そんなボトルネックの改善に特化したサービスを展開する企業です。
過剰在庫を解決:ラクーン
株式会社ラクーンは、輸入事業を営んでいた際に過剰在庫品がボトルネックになっていることに気づき、1998年に効率的に過剰在庫を流通させるためにメーカーの過剰在庫品を小売店のバイヤーに販売する「オンライン激安問屋」を開設しました。
さらに、2011年には企業間の掛売を代行するサービス「Paid」を開始。こちらも、売り手の企業から請求データを送ってもらい、仮に買い手の企業から入金がなかった場合でも100%支払われるという画期的なサービスです。
こうして見ると、ボトルネックはイノベーションにも通じるものがあるように感じます。ボトルネックを見極め、それを鮮やかに解決すること、そんな過程は多くのイノベーターたちが起こしてきた画期的なサービスや技術にも垣間見ることができるのではないでしょうか?
インタビューはこちら