世間を騒がせる”ビットコイン”
現在多くの分野・業界でスタートアップ事業が立ち上げられていますが、金融業界もその一つ。その中でも特に、“ビットコイン”に関する事業が今注目を集めています。
ビットコインとは?
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ビットコインとは、簡単に言うと“架空の通貨”のことで、オンライン・ゲームやECサイトの支払いや実際の店舗でもこの仮想通貨を使用して決済することが可能です。ビットコインは2009年、サトシ・ナカモトという人物によって投稿された論文から運用が開始されました。
一見日本人のような名前ですが、この名前は偽名であり、実際は外国人ではないか?・・・など、様々な憶測を呼んでいる謎に包まれた人物でもあります。
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日本では2014年に経営破綻したビットコインの取引所を運営していたマウントゴックス社のニュースが話題になりました。電子マネーに近いビットコインですが、国家や銀行等から発行されるお金とは異なり、その信用はネットワーク参加者全体で構成されています。
金融機関を介さないため、時間がかからない、手数料も安いというメリットがある一方。日本を始め、まだまだ使用されている国や機関も少なく、価値をコントロールすることが難しいというデメリットに加え、その可能性は強く否定されてはいるもののハッキングの可能性やセキュリティ上の問題を不安視する声もまだまだ多いのが現状です。
しかし、そんな発展途上の成長価値を見込める市場だからこそ、世界中の投資家の注目を集めるマーケットとして少しずつ確実に拡大している分野なのです。
日本からビットコイン市場を開拓するコイン社
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そんなビットコイン市場に日本から参画し、“アジア市場1位”を目指すスタートアップ企業があります。コイン社(QUOINE)は、2014年11月にシンガポールでマリオ・ゴメス・ロサダ氏によって設立されました。東京のメリルリンチ社やクレディスイス社で金融系のエンジアニアとしての経験を15年以上持つロサダ氏は、新たな挑戦の場にビットコインの取引所を選びました。
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ロサダ氏によると、コイン社は「トレーダーに求められる機能やサービスを網羅していることが強み」。顧客の9割近くが日本人であったことから、日本のビットコイン市場が開拓途上と考えており、2016年3月末に日本へと移り、自身はCTOとなり、新たなCEOに栢森加里矢(かやもり かりや)氏を迎えました。
QUOINE社CEOの栢森加里矢氏がすごい!
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2016年1月末には5000以上のアカウントが作られ、1日の流通額は400~500BTC(1BTC =約70,000JPY.)にまで至ったコイン社の新CEO栢森氏は東大卒・Harvard Business School卒という、絵にかいたようなまさにエリート。2013年にロサダ氏と出会い、ブロックチェーンと仮想通貨へのイノベーションの考え方で意気投合したことをきっかけに投資家として事業に参画しました。
栢森氏のキャリアは、三菱商事株式会社でナチュラルローソンを創業、イギリス・ブーツ社とのジョイント・ベンチャーを立上げたところからその頭角を現します。
次に、活躍の場をアメリカ系独立ベンチャーキャピタルへと移し、シニア・ディレクターとして日本を中心としたアジアへ投資や事業開発を統括しました。さらに、コイン社の前にはソフトバンクグループのシニアバイスプレジデントとして、アジア事業の統括も歴任されています。
コイン社の可能性
コイン社は昨年、インドネシア最大の決済代行サービス会社・INDOMOG社と提携を結び、インドネシア市場へと進出していきました。今後、フィリピン、インド、オーストラリア、香港などへの進出も視野に入れ、アジア市場でのビットコイン取引所1位を目指します。
また、日本で仮想通貨法(改正資金決済法)が成立したことを受け、複数の金融サービス事業者向けに本格的な仮想通貨取引エンジンの提供も計画されています。
マウントゴックス社のニュースで、日本にはビットコインにはネガティブな印象がついてしまいましたが、ビットコインの理論自体には全く関係がないものです。そんな未知なる分野から金融業界にイノベーションを起こそうとしているコイン社は今後も要注目の企業です。