営業のフレームワーク「BANT」

出典:gahag.net

営業は、対人という側面から、属人的で数値化できない仕事と見られがちです。

営業成績が悪いことを「才能がない」などと諦めてしまっていないでしょうか?

営業には、効率や成果を上げるためのフレームワークがあります。

営業先が何を必要としていてどれほどの予算があるか、誰に営業するかなど、どのようにして営業するかのフレームワークを持つだけで、営業の属人的な要素が見える化され、効率が一気に上がるのです。

 

今回は営業のフレームワークとして非常に便利な「BANT」を解説します

BANTとは?

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そもそもBANTとは一体何を意味するのでしょうか?

BANTとは一定の基準でそれぞれの営業案件をチェックすることで、見込み度を測定し、セグメント化していくためのフレームワークです。

 Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の頭文字をとってBANTと略されています。

 

BANTでは営業案件をセグメント化する条件として、4つの条件が挙げられます。

Budget(予算)

商品を購入・導入するだけの予算はあるか。

Authority(決裁権)

決裁権を持つ方と商談をしているか。

Needs(必要性)

取引先が必要としているか。

Timeframe(導入時期)

購入・導入する時期は決まっているか。

 

「自社の商品を購入するだけの予算が取引先にあるかどうか」を確認し、商品の購入を決定する決裁権を持つ人物に売り込むことが可能であるかを把握します。

そして、取引先が何を必要としているか、また、導入時期はいつなのかを確認しながら、成約に結びつけていくことがBANTを用いた営業です。

 

BANT活用のメリット

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BANT活用のメリットは大きく3つあります。

 

BANTのメリット①成約の基準の明確化

BANTを用いることで、営業の成約基準が明確化できます。

営業先ごとに成約までの課題は異なっていきます。成約までの課題が明確に把握できれば、解決までのアクションも明確になります。

 

BANTのメリット②情報の共有

BANTを用いて、営業先の情報を具体的に把握することで、社内での情報共有がしやすくなります。

1つの営業先に毎回同じ営業マンが行けるわけではありません。

営業先の情報を、BANTを用いてまとめることで、より効率良く営業が可能になります。

 

BANTのメリット③効率的な営業立案

それぞれの案件に対して、どこがボトルネックになっているかが明確になっているので最適な立案ができます。

また、営業先の情報が明確にまとめているので、上司や周りの意見を聞くことも可能になり、独りよがりの営業戦略を立てなくなります。

 

BANT活用のポイント

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BANTを用いた営業では、全ての条件が揃わなければ、基本的に成約までたどり着きません。

しかし、BANT情報を把握できていれば、効率的な案件管理が可能となり、成約までいかない理由が明確になります。

さらには、その対応もスムーズになり、具体的なアクションに移すことが可能になります。

 

それでは具体的なBANT活用のポイントを見ていきましょう。

 

 Budget(予算)は最初に確認

予算が変われば、聞くべき人(決裁権)やニーズや導入時期が変わってきます。

 

 定量的にBudget(予算)をチェック

予算 を聞く際に定量的な予算を聞き出しましょう。

なかなか予算を数値でストレートに答えない顧客は多いです。しかし、予算金額の桁感(2桁万円か3桁万円など)は必ず抑えましょう。

 

 稟議承認フローの把握

決済権限金額に対応した稟議承認フローは各企業によって決まっているものでしょう。予算に合った決裁権のある人に営業しましょう。

 

 顧客の目的(Needs)を明確化

顧客が目指すべき姿や状態を意識しましょう。

顧客が求めているプロダクトやソリューション、つまり手段だけに目を向けるだけでは営業はうまくいきません。顧客の本当のNeedsを明確にすることが大切です。

 

 Timeframe(導入時期)の提案

導入時期が具体的に決まってない顧客は多くいます。顧客自身が具体的な導入時期のイメージを持っていない場合、営業側からスケジュール設定の提案をすると良いでしょう。

予算やニーズに合った導入時期の提案をすることで、顧客との信頼も得られます。

 

 

BANTの具体的な条件設定

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BANT情報を意識するだけで効果は発揮されますが、BANTの項目毎に細かく整理することで、より効果を発揮します。

 

具体例としては、

 

Budget(予算)の場合は、

「予算=見積」「予算<見積」「予算>見積」「予算未定」「未確認」

 

Authority(決裁権)の場合は、

「弊社>競合」「弊社<競合」「未確認」

 

Needs(必要性)の場合は、

「ニーズと商品がマッチ」「関心レベル」「無関心」

 

Timeframe(導入時期)の場合は、

「一ヶ月以内」「半年以内」「一年以内」「未定」

 

より具体的にすることによって、案件を進めるための次の一手が、自然と明確になってくるでしょう。

 

 

総評

BANTを意識すると、営業先で誰に営業を行い(=Authority)、そもそも営業先は自社の商品を求めているのか(=Needs)、また商品を購入するだけの予算があるか(=Budget)、そして購入できるとしたらいつなのか(=Timeframe)、それらが自然と明確になっていきます。

まずはBANTの4つの条件(Budget・Authority・Needs・Timeframe)を意識して営業を行い、具体的な条件設定をすることで、それぞれの営業先に適した営業立案を立てることが可能です。

経験や行き当たりばったりな営業から、BANTを用いた営業に変えることで大きく効率化できるでしょう。

 

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