今回は株式会社クラウドワークス代表取締役社長の吉田浩一郎氏に「起業のきっかけ」や「クラウドソーシング事業への想い」、「起業志望者向けのアドバイス」について、菅野が伺いました。
(0:29~)
Q. 起業のきっかけは何か。1回目の起業のエピソードについて。
A. 起業のきっかけはドリコムに役員として入ったこと。会社設立前を遡って話すと、学生時代、役者として食べていきたいと思っていた。劇団での旗揚げ公演の際、契約ミスや準備不足で劇の公演中止、さらに借金を背負うという経験をし、そこから社会の仕組みやルールを学ぼうと決意した。1社目はパイオニアで営業を担当し、2社目のリードエグジビジョンジャパンで新規事業の立ち上げに携わった。そこからドリコムに役員として入り、マザーズ上場も経験した。まず起業ではなく、誰かが起業したところに幹部で入ることがいい経験だったと思う。
(3:23~)
ZOOEE(ゾーイ)を立ち上げた最初のころは「ドリコムの役員」という社会的信用もあり、いろんな契約が取れて、金銭的にはうまくいった。しかし、経営についてわかっているつもりで、全くわかっていないことに気付いた。何より事業が作れなかった。コンサルや受託でお金を稼ぎ、そのお金をいろんな事業に投資した。そこで形を結んだのがベトナムでのアパレル事業だった。
(4:53~)
国内のインターネットに大きなトピックがなく、これからは海外で勝負しようと考えていた。新興国の中でも、大企業が進出していない、ベンチャーでも戦えそうな市場を回った。中でも、仏教国で商慣習もわかりやすいベトナムに決定し、まず東京のベトナム料理屋を回った。ベトナムで事業をやりたいと伝え、いろんな人を紹介してもらった。文化交流のボランティアを買って出て、いろんな経営者との人脈を広げることができた。いろんな物を売り、ベトナム人に響いたのがジャパニーズファッションだった。しかしアパレルビジネスの知識もなく多大な損失を出した。そんな中、日本の取締役がクライアントを持って離反した。
(9:04~)
Q. 次の事業に踏み出せた一番の決め手は何か。そのとき考えたことは何か。
A. 35歳で起業して失敗はまずいと思った。何のためにやってきたのか真剣に考え、1回目の起業では金銭的に成功していたが、社会の何も変えていないことに気付いた。ドリコムと1回目の起業の経験から、自分にとって名誉や金は重要ではなく、人の役に立たないと孤独や寂しさは変わらないことを学んだ。人の役に立ち、人から感謝され、人とつながっていくビジネスをしたいと感じた。
(12:03~)
他にも思ったことは、スタートアップは事業を1つに絞るべきだということ。事業を分散すると、社長が社員の前を走れなくなり、社員は社長についていく意味がわからなくなる。2つ目は、自分の強みの先に夢を描くこと。自分の強みや経験を活かし、夢を描くことができれば人は付いてくる。
(13:40~)
Q. なぜ既に競合のいるクラウドソーシング分野に進出したのか。他サービスと比較したときのクラウドワークスの強みは何だったか。
A. 当時はお小遣い稼ぎのようなサイトが多かった。つまり、エンジニアやデザイナーなどのプロフェッショナルに特化したサイトは当時なかった。さらにソーシャルゲームが立ち上がったばかりであり、エンジニアやデザイナーに対する需要が見込まれたタイミングでもあったので、うまく事業に乗り出すことができた。
(15:00~)
Q. 大型の資金調達ができた理由は何か。
A. 初期の株主構成をきちんと設計したから。その会社を自分事のように考えてくれる人がどれだけいるかが大切。出資は自分にないスキルを持っている人、または過去に成功している会社たちを巻き込み、社会のエコシステムの中に入っていくことだと思う。金銭的なメリット以上に、人とのつながりがその後の事業成長には大切。いろんな人の力を借りて3億円の調達に成功し、大きくチャレンジするために11億円の大型調達が可能となった。
(18:25~)
Q. 起業の決断を振り返って。起業志望者へのアドバイス。
A. この年になると後悔することはない。すべてが今のチャレンジにつながっていると思う。起業したいならすぐにやればいい。ただし仲間がいることが大事なので、まだ一人ならどこかのベンチャーに仲間入りすればいいと思う。すでに仲間がいるなら、期限を決めて何が何でもやり通せばいい。
経営者にも事業を作ることが得意なタイプと事業を育てることが得意なタイプがいる。私は後者。ベンチャーキャピタルやシードアクセラレーターなどはビジネスのトレンドを知っているから、彼らに知恵を借りればいい。自分にできることは限られているので、他人の助けを借りてビジネスを作っていくという意識が重要。

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