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ライブドアの創業者
みなさんはライブドアの創業者をご存知でしょうか。
ライブドアといえば「堀江貴文氏が創業した」と多くの方が考えているかもしれませんが、創業したのは実は別の人物でした。
その人はApple Japanにおいて代表取締役を務めた経験も持つ前刀禎明(さきとうよしあき)氏です。
彼が創業したライブドアの事業を譲渡した先が、堀江貴文氏が率いるオン・ザ・エッジ(のちにライブドア、ライブドアホールディングス、LDHと社名を変更)だったというわけです。
堀江氏ほどは露出の少ない前刀氏ですが、「iPodの仕掛け人」とも呼ばれ、日本におけるiPodの爆発的ヒットに貢献しています。この記事では、そんな前刀禎明氏について追っていきたいと思います。
Apple Japan元代表取締役の前刀禎明氏
出典: logmi.jp
1958年生まれの前刀氏は、慶応大学大学院出身です。
過去にはソニーやディズニーで勤めた経験を持ち、1999年にライブドアを創業しています。
ライブドアは2002年に民事再生法を申請して倒産しますが、その後堀江貴文氏に譲渡しました。
2004年には日本でのiPodの爆発的ヒットに貢献し、同年後半にはApple Japanの代表取締役を務めることとなります。
2006にApple Japanを退社してからは、アプリ・プラットフォーム開発や味覚教育ビジネス開発、クリエイティブ・プレゼンテーション講座などを行う株式会社リアルディアを2007年に立ち上げます。創造的知性を磨くセルフ・イノベーション実践プログラムや五感ワークショップなどを提供しており、感性を大切にしています。例えば、雲を見て何かの動物に例えるなど、子どもの頃にした遊びを大事にしています。そう言った感性こそが大切だと、前刀氏は言っています。
前刀禎明氏が語るスティーブジョブズ
出典: logmi.jp
前刀氏がAppleに入った頃、Appleはそれほど業績はよくありませんでした。
そんな前刀氏はAppleの入社面接で、「今のままでは日本でAppleのPCは売れない」ということを証明すべく、SONYのVAIOを持って行ったそうです。
そこで、VAIOのようにCD-ROMドライブなどが外れた薄いPCを日本で作ってくれないかと頼んだそうですが、ジョブズは「ノートパソコンは全ての機能が付いていないとダメだ」と真っ向から否定しました。
しかしながら、その4年後にはMacbook Airをさも自分が発明したかのように発表し、前刀氏も驚いたというエピソードがあります。
前刀氏は「iPod mini」をどのように日本で仕掛けたか
出典: careerhack.en-japan.com
前刀氏は2004年のiPod mini発売時、日本において独自のマーケティングを行います。それは、iPodのイメージを喚起させ、スペックでは売らない方法でした。
一般的には、「1GBで1000曲入ります」など、スペックで販売するのが主流です。実際に、家電量販店でもそういった販売方法が行われています。
しかし前刀氏はそういったマーケティングを一切行わず、「どのように楽しむか?」を重視してマーケティングを行いました。
具体的には、ポスターにiPod mini実物大のカードを貼り、持ち帰ることができるようにしたのです。
実は、そのカードの裏側には「ipod.com/pink」というように、ピンク、グレー、シルバー、ブルー、ゴールド、それぞれ5つのURLが書いてあり、アクセスすると「iPod miniをどのようにコーディネートするのか?」がサイト上で見られるようになっていました。
これにより、多くの人がiPod miniを実際に使用している自身の姿をイメージでき、それが購買意欲に繋がりました。
人々の需要に応えたのではなく、人々の中に買いたいという欲求を生み出したのです。
Apple退社後にはリアルディアを創業
出典: www.hitachi-solutions.co.jp
こうしてAppleで大きな貢献を果たした前刀氏ですが、2年半ほどで辞職しました。
結局Appleは自分の会社ではなく、ジョブズの会社であるからです。
多くの人はリスクを極端に避け、大企業に安定することを求めますが、変化が激しい競争社会においては現状維持は退化を意味します。常に時代は進歩しているのです。
様々なキャリアを積んできた前刀氏ですが、常に挑戦をし続け、そして株式会社リアルディアを創業しました。そのチャレンジの行方に、多くの人が注目しています。
前刀氏の挑戦のゆくえ
新しいことを自由に発想し、結果を出した前刀氏。
私たちが普段何気なく使っているApple製品ですが、前刀氏がいなければAppleの日本での成功はなかったと言っても過言ではありません。
時には自身のキャリアを捨て去ってまで行動に移す。そのような勇気が、仕事を通して社会にインパクトをもたらす大きな1つのカギになるのでしょう。
前刀氏のこれからの挑戦と、そんな彼から生み出される全く新しい取り組みによって、再び日本でブームが引き起こされる日もそう遠くはないかもしれません。