勝てる営業マンの特徴とは?

営業の鉄則は「挨拶」

会社に入りたての頃は、営業マンとしてのコミュニケーションスキルが非常に低かったのです。当時、そこを伸ばさないと、いずれ起業家になるときに難しいだろうと思い「まずは営業を極めよう」と決心しました。自分の中で「なぜ受注を取れるのか、取れないのか」を明確にできないと成績は上がらないと感じていました。「なぜ取れる人、取れない人の差があるのか」を、いつも考えていました。
 
そのときはまだ二十歳位の若者ですから、社会の人たちがその当時の若者を見る目線は非常に厳しいのです。「若者は、挨拶、礼儀礼節がしっかりしていないからやっぱりダメだね」と言われていました。ということは、それを裏返すと、状況が変わるのではないかと気付きました。「君、若者なのにしっかりしているね」といわれることで、マイナスのイメージをプラスにできます。
 
私がトップセールスになっていく時間軸が、人よりものすごく早かったのは、話がうまかったとか、知識が多かったということではなく、お客様に受け入れていただける体制を作れたことが非常に大きかったのではないかと思っています。

部下マネジメントへの考え方

次はマネジメントという層に上がっていきます。マネジメントに関しては、私はチームワークがものすごく大事だと思っています。サッカーでも野球でもそうですが、やはりポジショニングがあるのです。みんなが同じタイプだと絶対に成り立りません。我々のメンバーもそうですが、全員カラーが違います。もちろん志や理念、共感のベースはあるにしても、一人一人が違うこと、その特性をどう活かしていくのか、どう伸ばしてあげるのかが、非常に大事だと思っています。結局その人が伸びてくれると、チームの目標は達成できます。
 
成績が悪い人ともいろいろ話して、ご飯に行ったり、ロールプレイなどをやりながら引き伸ばしていくことを積極的にやっていった結果、それがしっかりと結果として出ました。

勝てる営業マンは限界を突破する

人には必ず頭打ちになることが、何回かあるわけです。そのときに、人のせいにしてこれを突破できない人がおそらく8割以上います。最後にあきらめる人が95%位います。残りの5%に入れば勝てるということは、普通に計算すれば分かる話です。それにはメンタリティーが非常に強いことが必要ですが、その状況をいかに作り出していくかが大切です。
 
自分の今までの殻を破らないと、それ以上には成長できません。自分のスタイルはものすごく大事ですが、意味のないスタイルを持っている人がいっぱいいます。自分の成長を自分で阻害しているのです。私はそこを取り払ってあげることを、当初からやっていました。自分でも突破はできますが、人の力でも突破できます。自分がキャップかけた瞬間に、人の悪口を言い出した瞬間に、それが限界になります。それを無くしていくことです。成績の悪い人と話していても、結局はどこかで言い訳をしています。その時は「もっとやってみようぜ!」「もっとロープレやろうよ!」と話しかけ、限界を突破してもらいます。
 
限界を作らないことが大事です。この考えは、社会に出てからも役に立ったと思っています。

富士山を見た瞬間の衝動

光通信では統括責任者になっていたので、もちろん、次は役員になる選択肢はありました。自分が光通信に入って、もしくは入る前から4年から5年で起業したい。何か商売をやりたいという思いから、会社を作りたいという思いに変わっていきました。そして大阪勤務など、色々な経験をし、マネジメントや人事もそれなりに分かるようになっていました。いよいよ起業が近づいていることは、自分の中で気付いていました。
 
僕の直轄の部隊の人たちには、起業することは話し始めていました。大きな組織のリーダーをしていたので、一番に考えることは、今のいるメンバーに迷惑かけないことです。絶対に影響を出さないようにして辞めることが大事だと思っていました。
 
あるとき新幹線の中から富士山を見ました。それを見た瞬間に「ここでやろう」と思いました。その場で新幹線を降りて、その場で不動産の仮契約をして、その場で会社を辞めました。
 
静岡という場所、縁もゆかりも住んだこともない場所を選んで「情報通信の何かをやろう」とを思い立ち、その地に降り立ちました。もう右も左も上も下も、何も分からない状態でそこに立っていました。

(インタビュアー:嶋内秀之、撮影者:池田貴之)

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