なぜ事業の危機を乗り越えることができたのか?〜諦めずに考えて行動していると、結果的にソリューションが見つかる

➖事業の危機に対して、なぜ乗り越えることができたと思いますか?

間下:自分が楽天家だったんじゃないでしょうか。自分では堪えているように思っていても、周りから見るとあまり堪えているようには見えていなかったのだと思います。おそらく乗り越えられない方よりは、単純に楽観的だったのかもしれません。なんとかする方法を考えていれば、結果的になんとかする方法が見つかりますし、それをサポートしてくれる人が結果的に出てきます。

 

これは偶然なのかもしれないし、運なのかもしれませんが、結局は諦めずに考えて行動していると、結果的にソリューションが見つかるんだと思っています。だから、ずっと続いてきてやっているのかなとは思います。

 

多分トップが諦めたら、皆離れてしまいます。危機に気づいていない人もいっぱいいると思いますけどね。限られた人しかそれは気づいていなかったと思いますが、その危機を乗り越える方法を探し続ければ、必ず見つかるとは思います。

 

マザーズ上場時の体制を維持したまま、一部に市場変更した方がいい

➖東証一部に市場変更することについて、感じていることがあれば教えてください

間下:東証マザーズから東証一部に上がることは、そもそもかなり下駄を履かせてもらっている状態にあると思います。条件として、マザーズは東証一部へのステップという位置づけであり、一部に市場変更することは、そんなにハードルは高くないと思います。

 

マザーズに上場したときの体制を維持した状態で、M&Aとか、いろんなことをやる前に一部に市場替えをしたほうが、業績の規模がある程度あれば、比較的サッといけるものです。なかなかいけないという会社は、要はそのときに利益があまりにも小さい状態でマザーズに上場したケース、もしくは上場した後に体制を変えたり、買収をしたりして、中の体制がややこしくなって、簡単に審査には耐えられないということも出てくる場合です。

 

東証一部にいきたいという思いがもしあった場合、東証一部にいく審査がもう一度あるので、その審査のために、M&Aをやめておこうと決める会社もあると思います。なぜかというと、買ってきた会社にガバナンスの問題があれば、これを直さない限りは東証一部に上がることはできないからです。もちろん10〜20年後にいければいいと思っているのであれば全く問題ありません。ただ、短期的に東証一部に市場変更したいと考えているのであれば、なるべく早くやってしまったほうがいいと思いますね。

 

人が増え、会社の考え方や思いの統一の必要性を感じた

➖ミッションの再定義の背景について教えてください

間下:20周年というちょうどいいタイミングだったのもありますし、市場環境も変わり、我々がやっていることもだんだん変わってきているということもあります。今までは明確にミッションとバリューを出していませんでした。

 

当社の理念自体は昔から出しています。いわゆる、起業当初からずっとやってきている考え方は一貫してあり、これは変わっていません。ただ、最近やっている、特にビジュアルコミュニケーションの事業をやっている中で、我々がミッションとして掲げているものを今回言葉で再定義したり、会社のバリューとして、今まで我々がやっているけれども言葉になっていないものを言葉にした、というのが今回の再定義です。

 

あとはやはり、買収等で人が増えています。上場時に200人未満だったのですが、2018年の段階で見れば500名程度までになってきています。人数が増えてくる中で、阿吽じゃ通らないことが増えます。より明文化して、考え方とか思いの統一は必要だと感じています。

 

世の中を変えるため、ミッションや考え方を信じてやり続けられる人が必要

➖採用したい人物像について教えてください

間下:今回定めたミッションでは、Evenな社会の実現ということを定義しています。何かというと、何でもかんでも平等であればいいとは思いませんが、地域とか、どのような環境であっても機会の均等があるべきだと思っています。

 

チャレンジしたことの結果は、やはり差が出てくることは致し方ないことです。チャレンジする機会は均等にしていきたいというのが、Evenな社会というところに含まれています。

 

例えば東京一極集中の問題や人口減少の問題、労働生産人口減少の問題、男女の雇用機会の均等問題がありますが、距離の壁と時間の壁というものが、必ず今世の中に存在しています。この壁があるが故に機会が均等でないことは、たくさんあるんですよね。

 

「地方に住んでいるから仕事がない」というのも1つの例です。他にも「子供が生まれたから働けない」もしくは「介護しなきゃいけないから働けない」。こういった問題を我々が提供する仕組みで解決できるのではないか、と考えずっとやってきているわけです。

 

先ほどお話した医療や教育の世界では、今まで距離の壁によって格差が生まれていました。例えば、地方に行けば専門医が足りない問題がありました。この問題は途上国に行けば、当然優秀な先生もいなければ、ドクター自体もいません。こういう課題を皆抱えているわけです。これを法改正とともに我々のインフラが解決していくことができる、こういったものがEvenな社会の実現というところに含められているメッセージです。

 

これに対して、我々に興味を持ってくれる人に共感してもらって、そこに対して価値を感じて一緒にやっていってもらえるか、ということが一番大きなポイントになってきます。我々は全ての業界に対応している会社でもあります。つまり、いろんな業界に対する興味や関心を持たないとできない仕事です。

 

逆に、いろんな業界のことを勉強して、いろんな業界と取り組みができるプラットフォーム的な位置づけにいるので、そこにやりがいを感じる人を、我々としては探しています。各業界とか、いろんなところにおける問題を見つけるのが仕事です。問題を見つけて、それのソリューションをどう提供するか。技術的なことを含め、ビジネス的なものも含めやっていくのが、我々の仕事です。

 

そういったことに対して興味を持ってやっていけることが重要です。比較的新しいことが好きな人に向いていますが、実は結構時間のかかる仕事なんです。社会を変えていかなければいけなかったり、会社のカルチャーを変えていかなければいけなかったり。

 

例えば働き方改革だって、10年以上我々はやっていますが、最近やっと世の中が変わり始めています。不動産の件だって、実際は4年くらいかかっているんですね。医療の世界はもっとかかっています。

 

世の中を変えたり、変わっていくのには時間がかかるので、根気よく、将来はこうあるべきだという、ミッションや考え方を信じてやり続けられる人が必要です。すぐに結果が出ないからやめてしまう人は、こういった世の中を変えることには向かないと思います。そういった方々を我々は求めています。

 

「アジアでナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォームになる」

➖今後の成長戦略を教えてください

間下:今までは日本国内を中心とした話をしてきました。他にも、我々がターゲットにしているのが、東南アジアを含めたアジア全般です。「アジアでナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォームになる」という思いを持ってやっています。

 

日本でいろんな課題が出て、その課題に対して提供してきたソリューションというのは、他の国でも使えるケースが多々あります。課題先進国と日本が言われている状態で、これに近い状況が、時代やタイミングは違えど、次々と他の国に出てきます。

 

こういった取組を、東南アジア各国を中心としたアジアの国々に広げて、アジアでもデファクトの仕組みにしていきたいと考えています。現段階で見れば、ASEANのGDPって全体でいえばまだまだ、日本よりも小さいです。

 

ただ、ASEANはこれからどんどんマーケットが大きくなってきます。こういった国々に長期的な視野を持ちながら根を張り、各国それぞれの特徴や規制に合わせて形を変えながら、アジアでのデファクトのビジュアルコミュニケーションプラットフォームにしていきます。

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