今回のインタビューは、株式会社アップパフォーマのCEOである山田修平さんに「幼少期の過ごし方」「ファーストリテイリングでのキャリア」「起業の経緯」についてお話を伺いました。
 
アップパフォーマ・山田修平CEO:日本発、サッカー選手の動作分析を可能にするEAGLE EYE(イーグルアイ)を世界へ【前編】 はこちら
 
【経歴】
1980年生。株式会社アップパフォーマ、創設者・代表取締役。9歳でアマチュア無線電話級を取得、Apple PowerBook 100 と HyperTalk でのプログラミングにはじめて触れる。中高で BASIC、perl など。しかし、大学卒業後は大手アパレルに入社し、関東、沖縄、パリにて店長として勤務。帰阪後、Founder Institute に参加。Ruby、回路・基板設計、3Dモデリングなどを行いながら、2014年に同社を設立しスタートアップ。

プログラミングに興味を持ったのは小学生時代

僕は、小中高ではほぼ野球をやっていました。
あとは、家にMacしかなかったので、今までWindowsを買ったことがなくて。
基本、「漢字Talk」から始まり、Macオフィスになり、今に至ります。その中で、漢字Talkの時代に「Hyper Card」というのがあって。
今で言う「Visual Basic」みたいなもので、ボタンを置いて、そのボタンを押したら、例えばボールが跳ねたり音が鳴ったりということをプログラムします。
それを保存して実際にボタンを押すと、画面の中でものが動いたり、ページがめくれたりしていくんですが、そこでプログラムというものに凄く興味を持ちました。それが小学校高学年ぐらいでした。
 
中学校へ入ってからは『週間アスキー』を片手に「BASIC」というプログラムを始め、高校生で「Perl」と呼ばれる言語をやって。
だけど大学生になって全くやらなくなって、そのまま就職してしまったので、プログラミングをしない間がずっと空いてたんです。
 
もともとそういうプログラムや物が動くことにはすごく興味があって。あとは電子部品とか。
不思議ですよね、電気を流したら色々な動作をしてくれるので。
「組み合わせたら、こんなのができるんじゃない?あんなのができるんじゃない?」と考えを膨らますことができるので好きでした。
 
あとは『イミダス(imidas)』という、技術系の用語がいっぱい書いてある4,000ページぐらいの冊子を1週間ほどでひたすら読んでいました。
「技術の情報の概論」みたいなものが凄く好きで、幅広く浅く色々知っていて。
そういうことを、妄想したり空想したりしているのが結構好きな子供でしたね。

就職活動での偶然の出会い

就職活動は、結構偶然が重なっていて。
その偶然が重なる前は、凄く沢山の企業に落とされていて「もう就活なんていやだ」と思っていたんです。
車関係やマスコミ関係は、ほぼ全滅で、最終まで行って落とされたりしたこともあったんですが、「もう就活やめた」と思って。
その時にファーストリテイリングから「大阪で最終セミナーがあります」という情報が来て、受けに行くことにしました。
そこで一番響いたのが「実力主義」と「グローバル」
この2点が、そこを最終的に選ぶ決め手になったポイントですね。

ファーストリテイリングでのキャリア

大学では人間文化学部という、社会学系から考古学までを集めたようなところで学んでいました。
もともとは理系だったんですけれども、文転しました。
 
卒業後はユニクロやGUを手がけるファーストリテイリングで8年弱ぐらいいました。関東と沖縄とパリで働いて。
主な仕事は店舗運営なので、例えばお客さんの接客から商品出し、掃除、商品をたたむ、レジを打つ、ミシンを縫う、お客さんの試着を手伝うという一連の仕事をすべてやっていました。
 
一番は面白かったのは、マネージャーとしてスタッフを育成することです。
難しいんですよね、千差万別なので。
こう言ったら響いてくれる人もいるし、こう言ったら全然響かなくて、違う角度から言ったら響いたり。
そういう育成のところ、苦労もしましたけれども、一番面白かったところですね。
 
人の強みを活かして、それぞれのうまくいく時といかない時を理解しながら、それを受け入れつつも大事なところは譲らないというような、折り合いのつけ方はうまくなったかなと思います。

販売職を通して得たもの

ハードに働きつつも、周りのことを見て、来てくれたお客様が何を考えていて、どういうものが欲しいのかをある程度観察してから、当たりをつけて話しに行く。そうすると、確率は上がっていくわけですよね。
要は、仮説を立てて、実際に実行してみて、検証する
 
結構僕は人間観察が趣味なのですが、その人の立ち居振る舞い・身なり・行動・会話といった少ない情報からある程度の予測を立てて、その人の欲していることや要望、性格、傾向を見て対応していくことがうまくなったかな、というのが1つあります。
 
あとは、「お客さんと唯一接触できる部分というのがお店だよ」というのが、ファーストリテイリングでよく言われていたことなんですけれども、製品をお客さんの手に渡してしまった瞬間に、僕たちの想っていることは製品を通してしか伝えられなくなります。
なので、製品の中に自分達の思ったことや、お客さんに価値を感じてもらえるものをつめ込まないといけません
言葉やこちらが想っているだけでは伝わらないので、例えばプロダクトの細かいディテールや使い方、カラーを全てつめ込まないといけませんし、そういう「お客さんが何を欲しているか」という本質的なところを見て、それがベースにないと、結局買ってもらえません。
そういうことはあらゆることのベースになっているかなと思います。

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