今後の成長戦略について教えてください
今後の成長戦略について教えてください
弊社は、もうアジア展開をしていてオフィス拠点もあるので、アジア展開ということは概念としてはあまりありません。
やはり、企業を助けるオフィス機能があり、企業を助けるPR機能があることを考えると、企業を助ける人材サービスや投資サービスといったサービスを沢山つくっていきたいと思っています。
沢山つくっていきたいといっても、やはり東京の新宿だけで通用するサービスを作ってもアジアに展開できないので、比較的アジアのいろいろな国で、我々がアジア展開をするときに苦労したところを手助けできるようなサービス・機能を追加していきたいと思っています。
特徴的なのは、追加するといっても、社内的には新規事業開発や新しい機能を増やす、これに尽きるわけですが、実は我々は、沿革を見るとわかることですが、新規事業は全部M&Aをしています。
M&Aして、少しリメイクし、ストック性のあるビジネスで持続的成長曲線を描くように成長させる。
好みがあると思いますが、我々は新しい機能を何らかの形でM&Aしてきて、それをアジア展開できるようにリメイク・チューニングして経営資源を投下しています。
すでにアジア各拠点にこのサービスを営業する拠点があり、スタッフがいるので、それぞれの国で営業をする形をとることができます。
そういう機能を増やすという「戦略投資」と、それぞれの機能を大きくするための「事業投資」という2つの投資のいずれも、中期的に行っていきます。
IPOを目指す経営者に向けて
今振り返ると、創業社長は、大体良いことより嫌なことが多いんですよ(笑)。ストレスもたまるし、リスクも背負わなくてはいけない。
何でそんな損なことをしているのかと考えると、結局のところ、好きなことを選べるのは自分だけだということです。「この事業をやる」ということは自分にしか選べないことなんですね。
もちろん役員会で決議して決めるのですが、大きな意味で行くとやっぱり社長の特権というのは、好きなことができることだと思います。
あとは時間を支配できること。社内でいつまでにこれをやるんだということを支配できます。これはある種、凄く楽なことですよね。
何をやるかを人に制御され、時間軸まで人に支配されるというような、そんなストレスが溜まることはないと思います。
それ以外の他の人にわからないようなストレスはガッツリ抱えるものの、「好きなことを好きな風にやれる」ということが社長の特権だと思っています。
だからこそ、色々な嫌なことがあったとしても、好きなことをぜひやってほしい。好きでないことはやってはダメです。
目の前の利益とか、つまらない小銭のために好きでもないことをやると、実は社長をやっていることが100%損になるんですよ。
リスクを背負って、何かやるといったら文句を言われ、赤字になってうまくいかないときに、そもそも好きじゃないと「何でやっているの?」と言われてしまいます。せめて好きなことに打ち込むのがいいかなと。
だから、金儲けが好きな人は金儲けをすればいいですし、何かに貢献するために創りあげたいんだとか、世の中でこういうものを発明したい、ということが好きな人は、そこに向かえばいいと思います。
とにかく好きなことをしてほしいと思います。それだけ社長の特権です。
ソーシャルワイヤー・矢田峰之代表の組織論「拡大期に必要なのは、自分の野心で動くプレイヤーより仕組みを作る人」【後編】はこちら
(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)