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組織運営は数学や物理と一緒
ー識学では、どういう組織運営を行っているのでしょうか。
安藤:識学は「学」と言っているくらいなので、かなり論理的なんですよ。元々僕も組織運営とか人を動かすっていうのは、国語的な要素が大きいと思っていました。つまり、感情や人間関係、人間性などが重要だと思っていたんですけど、実は組織運営って数学や物理と一緒で、「こうすれば、こうなる」という答えがあります。
全員が同じことを言える状態を作るってことは、計算式を覚えることと一緒です。だから、品質を整えることは通常のコンサルティングより簡単なんです。つまり、経験に頼らないということです。
あとはそれをいかに徹底して習得させるか。やはり僕らは組織運営を教えている会社なんで、自分たち自身が識学を徹底し、このように成長していることこそが識学の有用性の一番の証明だと思います。今でも「識学の一番の成功事例は?」と言われると、自分たちだと思いますので、やはりいつまでもそういう存在でいなければならないと思っています。
組織の成長を妨げている原因の1つは「リーダーの言動」
ー識学について改めて教えてください
安藤:人間の意識構造に着目したロジックです。意識構造が何かというと、「人が物事を認識して行動に移るまでの間のことを意識構造」と言っています。
人って物事を正しく認識できれば、行動を正しく出来るんですが、認識を誤ると、行動を誤ってしまいます。その認識の誤りを"誤解"や"錯覚"と言っていて、「人はどういうふうに誤解や錯覚を起こし、どうすれば誤解や錯覚を起こさなくできるのかをロジック化したもの」が識学です。
さらに、この誤解や錯覚は、複雑に絡み合って組織のパフォーマンスを下げます。組織のパフォーマンスを下げるというのは、組織の成長速度を下げることの原因になっています。
実はこの誤解や錯覚の発生の要因のほとんどは、良かれと思って行ってるリーダーの言動にあるんです。このリーダーの言動を修正し、組織から誤解や錯覚を取り除き、結果的に組織の成長速度が上がります。組織の速度が上がることによって、組織のパフォーマンスが上がっていく、結果業績が上がるというロジックでやらせていただいています。
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「上司が部下のモチベーションを上げる」のは間違い
ー「良かれと思って行ってるリーダーの言動」の具体例を教えてください
安藤:たくさんの事例があるんですけど、2つ事例を出します。例えば僕は前職の時に、自分の営業している姿を見させて、「それで感じろ」って部下に言っていたんですよ。
つまり「良い営業とは何か」を定義せずに、指導していたんです。「普通なら、こういう発言するだろう」と。でも、人それぞれ普通の感覚も違えば、常識も違うので、そこで"普通"の認識に誤解が生まれるわけですよ。よって、そこでトラブルが起きたり、部下にしてみれば全然理解できないということが起きます。
もう1つは、「上司が部下のモチベーションを上げる」という行為です。僕らはこれを全面的に否定しています。なぜかというと、勘違いを生み出すからです。本来、働く人たちというのは、成果を上げて初めて給料を獲得できる存在です。つまり、ここで働くことを決めた瞬間にモチベーションは関係なく、成果あげないと給料が獲得できない存在で、これが事実です。
でも上司が部下のモチベーションを上げていると、「上司が部下のモチベーション上げてくれなかったら、頑張らなくてもいい存在だ」という勘違いがどんどん促進されていきます。なので、「そういう発言はやめてくれ」と言っています。
識学はティールやホラクラシーと共通する部分は1つもない
ーティール組織やホラクラシーとの関係性について教えてください。
安藤:例えば、出来る限りフラットで、全員が同じ情報を知ることで、全員が同じような意思決定ができるようになること、また相互の牽制によって緊張感が出る関係性のことを、仮にホラクラシ―やティール組織と定義するならば、僕らと共通の部分は1つもないです。