「自分がやるべきこと」という使命感

「自分がやるべきこと」という使命感


-起業の決め手などは何かあったのでしょうか?
世界旅行をしている間も、日本に帰ったら何をしようかというアイディアはずっと溜めていました。フィリピン留学を経験して「できることなら一生使わないで置こう」と思っていた英語と向き合い、克服することができたという経験が大きかったです。
それをもっと沢山の人に広めたいと思い、本を書きました。その本を読んでフィリピン留学に行った方から連絡をもらうようになり、中には学校選びに苦労した方がいることを知りました。
自分が広めるだけ広めておいて、困っている人たちがいるという状況に対して申し訳なさを感じていました。そこに対して、何かアプローチをしていきたいと思いました。
他に考えていたアイディアは「僕じゃなくてもいいな」というアイディアでした。フィリピン留学に関する口コミサイトは僕がやるのが一番早いし、一番いいものをつくれる自信があったので、「自分がやるべきこと」という使命感でサービスを立ち上げようと思いました。
現在は日本人がフィリピンへ留学するサービスを行っていますが、将来的にはこれをもっと広げていく予定です。School Withを通して自分がグローバルサービスを作っていけるという確信があったので、それが最後の決め手になったのかもしれません。

海外帰りで資金がなかった創業時

-School With立ち上げのメンバー集めはどうされたのですか?
自分はエンジニアではないので、当時住んでいたソーシャルアパートメント(大規模なシェアハウス)にいたエンジニアの人に自分のやりたいことを話したところ、手伝うと言ってくれたり、他にもボランティアで手伝ってくれる人がいました。
気づくとエンジニアの彼も会社を辞め、フルタイムで一緒にやるようになりました。世界旅行をしていた時にtwitterやFacebookなどのメディアで記事を書いていたので、現在のメンバーの中ではその時の自分を少しでも知ってくれている人が結構多いかもしれません。
海外が好きな人や留学の業界を変えたいと思っている人たちが一緒に活動してくれています。


-組織を成長させる上で苦労されたことはありますか?
最初の半年は帰国したばかりでお金がありませんでした。2人のエンジニアを餓死させるわけにはいかないと思いつつ、最初は給料を支払うことができませんでした。
偶然その時、創業補助金制度の採択が取れたので、それを後ろ盾にして資金調達し、そのお金で給料を支払えるようになりました。

ログイン方式の多様性が、事業成長の鍵

-事業が急激に成長したきっかけはありましたか?
SEO対策の結果が伸びて成約に繋がるお客様が増えました。当初、口コミは実名制ベースにしてFacebookアカウントを必須にしていました。
これにより質の高い口コミが集まると考えていたのですが、足かせになる部分もあり、メールアドレスで登録できるようにしたことで会員登録や見積を取るユーザーが1.5倍程度伸びたので、ログイン方式は多様性を持たせる方が良いと学びました。

資金調達のきっかけはTwitterでの発信


-2014年12月に資金調達されましたが、目的や背景について教えていただけますか?
今回は株式での資金調達を実施したのですが、実は資金調達する予定はなかったんです。一年前はベンチャーキャピタルを回っていましたが、市場規模やタイミングを考慮して「(資金調達は)今じゃない」と思っていました。
また、自分たちのマネタイズが上手く軌道に乗り始めていたので、資金調達でベンチャーキャピタルを回るよりも、自分たちで回そうと考えていました。
ですが、2014年10月頃から「今のままでは大きく攻めることができない」と感じるようになりました。単月黒字ではあるものの、広告で失敗すると会社の存続が危ういという状態になってしまいます。
また、優秀な人を採用しようと思っても難しいということがありました。会社として資金体力があるというのはすごく重要なことだと思ったので、日本政策金融公庫の挑戦支援制度を受けようと思い準備を進めていました。
なぜベンチャーキャピタルではなかったかというと、IPOやM&Aなどの目標も明確ではなく、投資側からしても出資するタイミングではないと考えていました。
現在のベンチャーキャピタルから資金調達するに至ったのは、ある夜の出来事でした。twitterで六本木で晩御飯を食べていることをつぶやいたところ、以前から知っているベンチャーキャピタルの方の反応があり、会って近況などを話しました。
その際、資金力があるほうが良いとアドバイスを受け、出資していただくことになりました。ベンチャーキャピタルから資金調達することで自由に自分たちの仕事ができなくなることに対する不安がありましたが、この点も考慮していただき、「自分たちの好きなようにやって構わない」と言ってくれました。
非常にいい関係でやっています。資金調達は「時間をお金で買う」ことだと思います。お金を貯めるまでに掛かる時間をお金で買うことにより、前のめりになって仕事しようと思いました。

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