
苦難を乗り越えた理由
ーそうした色んな苦難を乗り越えられてきた理由は、今から振り返って何だと思われますか。
飛鳥:大きな苦難というと、今まで2回ありまして。
1回目は、代理店請けがほとんどだった3期目に、代理店が変更させられた時です。大きい総合代理店の変更にあい、下で請けていた人が全部とんだということがあって、そこで学んだ教訓で、全部直営業に変更しました。
96%まで直営業にして、KPI保証モデルになってからまた代理店と組むようになっていきました。その理由としては、やっぱり代理店さんと競合になるからですね。皆さん本当にお強いので笑。
2回目は債務超過です。最悪売却という可能性もなくはないところまでいって、完全に心が折れそうな部分もありました。ただ、そうなってくるともう後がないので、当時主力の人達は全員面談しましたが、誰も抜けませんでした。
最低限の状況も説明したうえで、これはもう会社の経営の問題だし、自分の実力のなさ、それを理解してもらって、皆がそこを乗り越えてくれたので、1年ですぐにV字回復しました。
もちろん切るものは切ったというのがあるのと、一番最初に僕が順に上から給料をカット。一番下は特に影響がないようにしました。
そうして、当たり前のことを当たり前にやって、抜けることができたという感覚です。
本当に社員があってできていることだし、1年もないくらいで業績が戻っていって、キャッシュフローだけ怖かったので調達しましたが、自力で抜けたので、もう大丈夫だろうと思いました。
KPI保証というビジネスモデルが出来上がる背景
ーピアラの特徴でもある、KPI保証というビジネスモデルが出来上がる背景をお聞かせいただけますか。
飛鳥:星野リゾートで、カレーがまずければ返金というサービス保証をやったというのを本で読みました。従業員はやりたくなかったけれど、上の決定なのでやらざるを得なくて、その結果サービスが向上した。なるほどなと思いました。
マーケティングは、売れたか売れないかわからないみたいな話が多い一番保証がない領域なんです。
通販と同じようにマーケティングも保証されるのが理想ですよね。サービス保証って何だろう?ってなると、やっぱりマーケティングの効果を保証するということをしなきゃいけない。この保証するという答えはもう見えていました。
ただ、KPI保証モデルの最初は正直かなり人力でした。
ルールも決まっていなかったから、新卒が1日で最大30万とかの赤字を出して。
めちゃくちゃ焦りますよね。すぐに何とかしなきゃって。
そしたら、クリエイティブを変えてみるとか、動きが多分、普通にやってると、1か月後に「今月は悪かったです、来月はこうします」ってやっていたのが、速度が毎日変わる。午前中と午後でバナーが違う、くらいの速度感になっていくんですね。
だから、やっぱり急速に彼女たちがレベルアップしていったのがわかっていきました。
結局最初のうちは少しシステム制御とかをしているものの、基本は人力でもできちゃった、というのがまずあります。
それはやっぱり、先ほどの星野さんのところの例じゃないけど、そういう立場になったらやっぱり当事者になるんです。
当事者意識をすごく大事にしている会社なんですけれど。人の給与を削ってマーケティングコストを出してもらって預けているのに、適当に使ってといったら、本当だったら自分達が給料をもらったほうがいいじゃないですか。
当事者意識があると、やっぱり成長がすごいなというのは感じてまして、その点でKPI保証モデルはやってよかったと本当に思います。
もう1つありまして、ビューヘル領域がマーケティングとして分析しやすいという点です。
僕らは今データを悩みで貯めていて、どのくらいの価格帯で、シミ・皴で、美容液で、どんなプロモーションをやって、どんなクリエイティブを使って、キャンペーンは500円オフだったのか、クーポンがついているのか、全額返金だったのか。
全クリエイティブを機械学習させたら、コンサルの実感値と近い数字がとれたので、独自システムでと。
今はコンサル会社さんのノウハウみたいなものを分類化していて、そのデータが、僕らの一番の強みになってくれています。
ビューヘル領域は30%くらい売り上げの対比でマーケティングコストを使うので、この1個のためにマーケティング力が30%寄与しなきゃいけないので、やりがいもあってデータも分析しやすい。
データ分析をして、独自のタグ付けをして分類している、そこが優位性かなと思っています。