通信業界に特化したコンサルティング会社になるまでの経緯とは?

ー事業の内容についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

 

桑野氏:我々コンサルティング業なんですけれども、特に業界の方が通信業界に特化しているところが特徴的でして、よく現場と言われるお店とか、量販店とか携帯コーナーとかもありますけども、お客様接点になるような所に対しての色々課題解決を、通信キャリアさん向けに提供している会社なんです。

大学生の時に、携帯電話の販売に携わる

ー通信業界で起業しようと思った経緯について教えてください

 

桑野氏:私としてはごく自然な流れだったんですけど、自分が高校卒業するぐらいに携帯電話が世の中に出てきて、非常に便利になり始めると。普及の速度すごい速かったんです。その理由というのが、携帯電話が0円でもらえると。知人とかで持ってない人に結構紹介紹介で「携帯電話欲しい人がいたら0円で良いよ」みたいなこういうネットワークみたいな時代があったんですよね。

 

僕もそれで携帯を持って、すごく感銘を受けたし、それを友人に紹介すると、お小遣いがもらえるぐらいな所から携帯電話に関わって、それから結構学生時代も携帯電話の販売になるようなお仕事をずっとしてきたんです。大学期間中もアルバイトしたり海外放浪したりしながら、携帯の販売を自分でも現場でやってきてて。

 

やってると色んな問題がやっぱり見えてくる。特に人の問題だったりしますけど、お客さんに対する売り方であったりだとか、そこで働く人達の働き方だったりとか。今で言うとそれが当然と言ったら当然なんですけど。昔は結構やんちゃな時代があったので、そういう所に疑問を感じて、自分なりに改善をしてくるという事をやってたんです。そこから就職氷河期って言われる、今話題になってますけど。

 

まさにそういう時代だったので、就職せずに企業するという。その前にちょっと1年間海外放浪とか、よくありがちなやつだと思いますけど、就職するのも嫌で。ただ、ちゃんとどっかで稼げる男になりたいなって思った時に、自分自身携帯業界でやってきたノウハウがあったんで、それで何かできないかな?というので起業に至るというところですね。

 

僕らの時代って、携帯モバイルの時代だと思うんです。今の40歳そこそこぐらいは。そういうビジネス多分いっぱいあったと思うんですけど。販売するという現場の一販売スタッフなんですけど、そこから店のマネージメントとかそういう事にも関心を持つようにもなりましたし、売り方の、特に色んな商品が、今で言うスマートフォンで昔はそんな物無かったんですけど、こういうマルチメディア端末みたいな物を、どう新しい技術を市場に伝えていくのか?という事は当時からあったと思うんで。そういう所に興味はあったというか、自分自身の強みを感じれたっていうのがあったと思います。

しんどいことを諦めずにやり続けること

ー携帯は伸びると言われながらそこに踏み込めなかった方と、そこに踏み込んだけれどもスケールがうまくいかなかったのと、スケールなさってると。その違いや、どういう所が本人として良い選択ができたと思いますか?

 

桑野氏:そんな賢い物でもなくて。僕らの時代で携帯電話を買うのも、携帯に携わる仕事をするという人も多分いっぱい居たはずなんです。代理店として自分で店持ってっていう人もたくさんあって、今よりもたくさんの会社があったんで。ただ、そこってやっぱり大変なんです。仕事として、お金の面、人の面、色んな面で、当然ビジネスなんで色んな問題出てきますけど、何よりも変化のスピードが速いんで。辞めていく人も多いです。それが経営やられていてもやっぱり続かない人も多いですし、そういう中でいくと、続けてきたっていうだけじゃないですかね。

 

ある意味時代の生き残りで、そういうしんどい事とか、大変な時期とか、当然今までの中でもそっちの期間の方が、今もなおしんどいですけど。長い中でそれを諦めずにやり続けるという。これは多分何でもそうだと思うんですけど、たまたまそういうモバイルという業界が僕らの中で大きくなっていって、そこに踏み込んで、あとはもうそこにどれだけ費やせたかという、これだけじゃないですかね。

 

起業家って皆多分苦労してると思うんです。苦労するが故に、ある意味会社が成長するっていう所もあるんで、それをちゃんとやり続けたかやり続けてないかの違い。結構楽にとか、楽にというよりかは早く成功したい人の方が多分多いと思うんですけど、10年我慢20年我慢ぐらいのつもりでやり続けられるっていう事が多分無かったら、そんな急にチャンスって巡ってこないと思いますし、いきなりポロっと巡ってきたチャンスがあったとしても、それに上手くいったとしても、その後の困難とか苦難っていうのはやっぱり出てくると思うんで、そういう持久力みたいなのが大事ですよね。

 

だから人が嫌がるような、ある意味ですよ。離職率が高いので人が辞めてくような、僕なんかは現場の一スタッフからスタートしてるんで、そういう事をどんだけ愚直に一生懸命やり続けてきたか。僕一番、携帯業界の中で能力があるとか、賢いとか、そんな事全然無いと思います。僕より優秀な人達なんて周りにいっぱい居たんですけど、ただ、やり続けてたのが僕であったというだけじゃないですかね。

乗り越えるべき目標がないと組織は強くならない

ーIPOを目指した経緯を教えてください

桑野氏:そこに向かおうと思ったのは、いくつか理由はあるんですけど、やっぱり1つは乗り越えるべき目標がないと組織は強くならないと。それが組織作りのアワードとかこういった物にチャレンジしてきて、正直起業なんかしてもそんなすぐに社会に認められないじゃないですか。そんなのIPOして初めて、ちょっと認められた感もありますけども、社会に信用される為に、何かそういう目標に向かって皆で努力していくっていう。この過程が。

 

できなかったとしてもプラスだと思うんです。できたんでより良かったと思うんですけど。できなかったとしても、そういう何か共通の目標に向けて皆で一致団結頑張っていくっていう、これが多分必要。そういう意味でも今もまた別の目標に向けて、頑張っていくっていうのもそうなんですけども。通信業界はもう1つ理由があって、通信業界は結構プライベートカンパニーが多いんですよね。パブリックカンパニーが少ない。通信キャリアはもちろん全てパブリックなインフラ企業なんでそうなんですけど、販売に関わるような所とか、そういう所は多くて。

 

そういうのを実際現場の自分が、スタッフとかお客様と向き合いながら見てきた中で、プライベート感自体が、昔はそれがある意味決断も早くて、色んな意味で良かったと思うんですけど、時代が変わるごとにそれがデメリットの方が大きくなってきたと感じたんです。やっぱりそれを見ていて、自分も一経営者として、今の会社は創業オーナーなんですけど、プライベート感よりももっともっとパブリックにしていかなければならない。

 

今後の成長期待するのであれば、自分の。世の中からもっともっと求められる必要も出てくると思いますから、当然自分の会社じゃなくなるわけですよ。だけどそれがこれからの時代には必要だと、やっぱり強く感じたのが大きな理由じゃないですかね。

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