商売にはマイナスイメージのあった彼女が、会社を継ぐことを決めたきっかけは?
会社を継ぐことへの決断
偶然でして、祖父は私が新聞記者になると言い出した頃から、私に継いで欲しいという思いはあったようです。
姉2人が祖父の教えを忠実に守って医者と歯医者になりました。
そうなってくると残された人間は私しか会社を継げる条件の人はいませんでした。
祖父には手に職とは言われているけど「商売をしろ」「簿記を習え」「アメリカに留学しろ」などいろいろと言われてきました。
でも私なりのキャリアを身につけたいという思いや、商売ということに対して家庭環境的に当時はマイナスに思っていたので、違う仕事につこうと思っていたのでずっと反発をしていました。
いろんな条件が重なって、一生仕事をしていく上で何を選んだらいいのかと思った時に、私にしかできないこと、祖父が立ち上げて父が継いで、その次のポストが空いていると。
今20人位の会社なんですが、その会社に集まってきてくれている人がいると、それを引き継ぐということが実はすごく価値があることだということに自分が社会に出たからこそ気づくことができて、私がその仕事をやってみようと思って方針転換しました。
すごくびっくりしていました。
父自体も会社は自分がやってきたことなので、誰かに継いでほしいという気持ちは心の底にはあったようですが、会社を経営するのはリスクを追うことですし、大変な負担になるということで、父自体は会社を継いでくれと一度も言ったことはありませんでした。
あくまで父としては体調崩したということでこの先のことを考えるために、身内に入ってもらって、将来の方向性を決めるために私に手伝ってほしいとしか言っていませんでした。
その手伝うという言葉を受けて後を継ぐということに私が決めたということに対しては周囲は非常にびっくりしていましたし、父自体も嬉しさの反面驚いていました。
事業継承の苦労 今あるものを活かすための苦労
ゼロから作っていくわけではないので、骨格からデザインしていく事ができないのが苦労の一つです。
本当はこんな形で事業をしていきたいと思いがあったとしても、あるものを骨格まで潰してしまうと屋台骨が崩れてしまうということもあります。
なので、いかにあるものを活かすか、ある種制約された中で次の価値を見出していくのは苦労でもあるし、その建屋があるということが強みでもあると思います。
WEBメディアサービスのスタート
振り返っての5年間というのは事業を理解したりあるものを活かすということに関わることが中心だったと思っています。
例えば組織の人事制度を変えていって、より今の時代に合った社員のやりがいを感じられるような制度設計をしていくであったり、今までは製造目線でものづくりをしていたのを、消費者目線で作っていける体制を作ろうということで、パッケージのデザインや商品の開発のプロセスを社員の中から広く公募して、生活者としてこんなものがほしいという声を反映させたものづくりをしていこうという体制を構築してきました。
この先の将来のためにやっているのが、お片づけに特化したWEBメディアを昨年の6月に立ち上げました。
それは何かというと、私達の商品は突っ張り棒などの収納の用品を作っている会社なのですが、ものづくりだけではなく、ものを使ってどう暮らしていくのかという暮らし方にも関わっていく会社になってくための一つのステップとしてWEBを立ち上げました。
「cataso」(カタソ)というサイトはお片づけのプロとして活動されている方たちに登録いただいて記事を執筆いただいて、暮らしのノウハウを発信していくWEBサイトになっています。
ここに集まってきたお片づけのプロと困っている消費者の方を結びつけて、消費者の方が欲しているものづくりやサービスの展開につなげていきたいと思っています。
同じ状況の人へ向けて〜持っている強みをどう活かしていくか
どうしても家業というと古臭かったり楽をしていると思われる方がいると思うのですが、決してそんなかとはないと思っています。
もしそういったポジションにおられる方がいたらこの先に伸ばしていける可能性があったり、それを基礎として発展させていけるような可能性であったりメリットを感じられるのであれば、アントレプレナーと同じようにそこにチャレンジしてご自身の成果として飛び込むことも十分に価値があると思っています。
もちろんゼロから作っていくのは魅力的ですが、ぜひ持っている強みを活かして、世の中に貢献していくことも選択肢の一つとして感じてもらえたらなと思っています。
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