シリコンバレーで得られるものとは?

「仕事で使ってもらえるプロダクト」を作るために


-シリコンバレーの現地の企業に対してはどういった印象がありますか?
働き方が日本と全く違います。日本の働き方とグローバルな働き方は真逆です。例えば、日本では最初に名刺交換をしますが、アメリカでは会って興味があれば名刺交換をするといったようなことです。転職についての考え方も違います。
「仕事で使ってもらえるプロダクト」であるチャットワークでは、そのような働き方を落とし込んで機能に反映していかなければならないので、日本の中から想像して世界に攻めていくのは基本的に無理だと思っています。

シリコンバレーでは資金やエンジニアは求めていない


-現地には投資家の方が沢山いるというのはよく伺いますが、実際、「出資させてほしい」というようなお誘いはあったりするのでしょうか?
資金やエンジニア採用をメリットとしていると思われがちですが、それは求めていませんでした。そうではなく、シリコンバレーにいる他のメリット、例えばパートナーシップがあります。
シリコンバレーには世界中からスタートアップが集まっているので、自分たちが得意なことは自分たちの所で徹底的に戦って、そうじゃないところは上手くパートナーシップを組むことができます。他のメリットとしては、何か新しいことをしようとした時に失敗をしてしまうと、自分たちで事故を起こすことになります。
シリコンバレーでは第一線の方々が現地にいて、ミートアップのような会も数多く開催されるため、オンラインでは知ることができないようなことでも直接聞くことができます。なぜかというと、転職市場が非常に盛んなため、いつでも転職できるように彼らはネットワークを作っているからです。
さらに、マーケティング上のメリットもあります。シリコンバレーにはキャリアの情報収集拠点が集まっているため、イベントなどに参加することで一気にそのような方々にリーチすることができます。それは日本国内にいるだけではできないことです。このように、大きな3つのメリットがあると思っています。

右腕左腕をしっかりと日本に作った上で渡米


-トップが組織を離れることによる運営上の問題などはありましたか?
会社では常にチャットワークを使って仕事をしているので、日本にいる時からあまりオフィスには行かずにチャットで仕事をしていました。そのため(シリコンバレーに行っても)大きな問題は起きない状態でした。
右腕左腕をしっかりと日本に作った上で時差の問題にもビデオ会議で対応するなどの工夫をしないと、上手くいかないと思います。

日本とのミーティングは夜の10時から


-シリコンバレーに住んで、どのような過ごし方をしているか教えて頂けますか?
シリコンバレーに行って2年、3年経ちましたが、まだまだフルタイムで働いています。
平日の午前中はアメリカの大学にネイティブを装って入り授業を受けています。午後はチャットワークの現地の会社でマーケティングやプロダクトの改善などを行っています。夕方からは家で家族と過ごします。そして夜の10時頃からは日本とのミーティングを行い、それから大学の宿題をします。
休日は基本的に家族と過ごしていることが多いです。時差の関係上、日曜日の夜からもう仕事を始めます。

アメリカでは、仕事後に新しいスキルやネットワークを作りに行く


-日本とシリコンバレーでは働き方が違うという話がありましたが、日本を出てみて他に思うことはありますか?
アメリカはあまり長く働かないイメージを持っているかもしれませんが、オフィスを離れてからも転職に向けての勉強会に行ったり、夜に家で仕事をしたりしています。完全な成果主義なのですが、短い時間の中では成果を出すことができないので家で仕事をします。
日本では遅くまで働いていますが、仕事後に新しいスキルやネットワークを作りに行っていないと思います。
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