ストック・オプションが社外に与える影響とは?

ストック・オプションが社外に与える影響

StockDilution

http://beginnersinvest.about.com/od/incomestatementanalysis/a/basic-eps-diluted-eps.htmより引用

ストック・オプションの行使時の払込価格は一般的に市場価格より低い価格で設定されることがほとんどです。この場合行使時において、潜在的には他の株主が保有している株式の株価を引き下げる可能性が存在します(株式の希薄化効果と言います)。つまり、発行される株式が増えると、1株当たりの権利が小さくなってしまう、ということです。このようにストック・オプションの発行は既存株主の利益を害する可能性も存在します。

ただし、先程述べたようにストック・オプションは企業価値(株価)を向上させることを目標とする部分があることから、両者の効果は表裏一体です。企業価値(株価)向上の効果と株式の希薄化効果のトレードオフ関係を考慮に入れながら、新株予約権の行使時の払込価格を決める必要が生じることに注意が必要です。

その他、社外に与える影響で考えられるのは、社外取締役に対する影響が考えられます。コーポレートガバナンスを重要視するようになってきている昨今においては、ストック・オプションを社外取締役に付与することで、経営への参画意識を高めることも可能になります。

 

まとめ

資本主義経済においては、株式会社は株主のものとよく言われますが、そこで働いている従業員を軽視していいというものでは決してありません。

ストック・オプション制度は株主と従業員の目標を一致させ、双方に利益になるような仕組みなので、非常に有用な報酬制度の1つです。上場志向の経営者の方は一度ご検討されてみるのもいいかもしれません。

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