おそらく経営者の多くの方は、在庫回転率という言葉を耳にしたことがあると思います。ただ、その指標が意味している内容やその指標をどのように管理したら良いのか迷われている方も少なくないのではないでしょうか?
ここでは在庫回転率の算出方法・意味する内容について解説していきたいと思います。
ポイント
□ 在庫回転率とは、一定の期間内に在庫が何回転したのかを示す指標
□ 在庫回転率 = 売上原価(年間) ÷ 平均在庫金 で求められる
□ 把握すれば、自社の在庫に不良在庫があるかどうかなど管理できる
在庫回転率とは?
在庫回転率とは、
「一定の期間内において在庫となっている棚卸資産の平均金額と販売された在庫の金額を比較することによって、在庫が何回転したのかを示す指標」です。
一般的に、この数値が大きい方が良いとされています。
在庫回転率の計算方法
在庫回転率の指標は下記の計算式で求めることができます。
在庫回転率 = 売上原価(年間) ÷ 平均在庫金額
また、売上原価と平均在庫金額は下記の計算式で求めることができます。
売上原価 = 期首在庫金額 + 当期仕入高 - 期末在庫金額
平均在庫金額 = (期首在庫金額 + 期末在庫金額) ÷ 2
例えば、期首の在庫金額が100万円、期中の仕入額が1,000万円、期末の在庫金額が300万円だった場合を考えてみましょう。
それぞれ上記の計算式で求めると売上原価は、800万円、平均在庫金額は200万円となります。そして、これを元に在庫回転率を求めると4回転ということになります。
在庫回転率が意味するものとは?
上記の例で考えますと、この4という数値は1年間で在庫が4回転したということを意味しています。つまり、この回転数が大きくなればなるほど、1年間における回転が早くなることを意味し、仕入から売上までの期間が短いということになります。
しかし、この期間が短くなるということは、在庫切れが発生するなどのリスクが高くなるので、注意が必要です。
在庫回転率の活用方法
在庫回転率の逆数を取ると、その数値は期間を表します。先ほどの例をとりますと、1年間で在庫回転率が4回転という場合、在庫回転期間は0.25年となります。これを月ベースに換算しますと3ヶ月ということになります。つまりこの場合では、在庫を売り切るまでに3ヶ月かかる、または3ヶ月分の在庫を有していると考えることができます。
また、業種別の一般的な在庫回転率を用いて、自社の適切な在庫金額もしくは目標とする在庫金額を逆算することもできます。
目標在庫金額 = 売上原価(年間) ÷ 一般的な在庫回転率
在庫ごとの回転率を定期的に見直しましょう
在庫回転率を把握することは、業種別の在庫回転率や自社の過去の在庫回転率と比較することで、自社の在庫に不良在庫があるかどうかなど管理することができます。
可能であれば、毎月在庫回転率を把握するようにして、在庫状況がどうなっているのか指標の推移を把握すること、また在庫別に在庫回転率を把握するなどして、適切に在庫を管理することが望ましいと言えるでしょう。ぜひ実践してみてください。
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