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中小企業庁元長官・北川慎介が語る「中小企業政策の考え方」<後編>

リソースが足りない地域に対するサポート

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社会全体のムーブメント(動き)が大事だと思っています。小規模企業振興基本法を作ったのも、「そういうのが大事ですよ」という社会全体の共通認識を作りたかったからです。

個別の施策でいうと、よろず支援拠点とか地域創業の成功事例が日本にいくつかあります。富士市産業支援センター(静岡県富士市)や、板橋区立企業活性化センター(東京都板橋区)の事例がそうですね。

彼らの話を聞くと、地元の人との連携を大事にしていることがわかります。じっくり話を聞くことで、「どこで、何を、いつしたいのか」を丁寧に聞くことが大切だと言います。飲食店を開くにしても、周りに似たような飲食店があるところに出しても、お客さんを取り合うだけなので、経営戦略・経営計画を見直すことを指導しないといけません。

 

中小企業の経営者は起業してからも忙しく、悩み事が毎日ある中で「来年の事業計画どうしますか?」と言われても、今月どうするかの方が大事と考えるのが現実だと思います。

支援機関の本格的な連携もまだまだ動きはこれからだと思います。地域の金融機関に期待していますが、ただ彼らは預金が元なので無理はできませんし、1件ごとのロットが小さいなど、「本当はやりたいけどやれない」ところが多いです。

支援の充実差は地域ごとにばらつきがあるので、利用者がどういうふうに理解していくか、道筋を立ててあげるのが重要ではないかと思っています。

支援機関の問題点

売れるところまで手伝ってあげないといけません。例えば東京にある地方のアンテナショップの話ですが、地方の海産物を大きい袋のまま販売してたりするんですよ。東京や大阪の人はいきなりそのサイズは買わないですよね。まずは小さいものからですし、面白いと思ってはじめて次のアクションに繋がるのですから。

そういうことを繋ぎ役である支援機関の人が考えてあげないといけません。売りたいものだけでなく、お店のディスプレイとかね。商工会議所が企画するマッチングフェアもデパートで開催している物産展も、「誰に何を売るのか」が明確でないと意味がありません

マッチングフェアにしろ物産展にしろ、流通経路を持っている(考えてくれる)パートナーを探すことに注力すべきだと思います。

よろず支援拠点への期待

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よろず支援拠点は各県に1つなので、その地域でリーダーシップを発揮して取り組んでほしいと思っています。今までは各地でいろんな機関がいろんな取り組みを行っているだけで、連携が取れていなかったのが実情だと思います。ただ横で連携するだけでなく、リーダーがいないと機能しないのです。

よろず支援拠点が適切なアドバイスを与え、便宜をはかってあげることが重要です。うまくいなかったら何度でも相談に乗ってあげること。キーパーソンが責任を持ち「最後まで何とかしよう」と思って行動しないといけないと思います。

よろず支援拠点も一人ではできないので、自治体に協力してもらいながら、グリップをもって進めていくことが大切です。連携する人同士が日頃から会っていれば、誰に何を頼めばいいかわかると思うので、役割分担をはっきりさせながらやってほしいなと思います。

施策の根底にあるもの

日本では、中小企業が雇用の7割を支えていて、これをもっと多くの人に強く認識してほしいと思っています。Iターン・Uターンと言っても、働く場所が少ないので、地場の企業が大切になってきます。

地方の活性化には働く場がないとできませんし、大企業だけには頼れません。自立的にするのは、中小企業としてやっていくしかないと。

また、フリーランスや一人親方など、個人で働いている人も評価しないといけません。一人と組織で交渉したときに不利になるようではだめなのです。この是正が日本では足りない部分で、そういう認識を持たないといけないと思います。

 

法人でも一人の会社だと立場が弱いですし、一人や数人でやっている人たちの取引上の不利をどうなくしていくのかが今後の課題でしょうね。働いても報われないようではだめだと思います。

あとは、個別のトラブルをしっかりサポートしてあげることです。立場の弱い方が泣き寝入りするようではだめで、きちんと取り持ってあげないといけません。弁護士費用も高いので、そういったトラブルをある程度のコストで、公的な組織が動けるようにならないといけませんね。「下請けかけこみ寺」という制度がありますが、多くの人は知らないのが現状ですので。

 

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