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グローバリゼーションの世界的権威が語る「ブロックチェーンがもたらす金融の未来」

トランプ勝利はインターネットの歪が生み出した産物?

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出典:todaysinfo.net

メディアの大方の予想を覆し、アメリカ合衆国第45代大統領の就いたのは、不動産王ドナルド・トランプ氏でした。当初、共和党の大統領候補レースですら勝ち残れないと言われたトランプ氏は、なぜ大統領まで登り詰められたのでしょうか?

 

メディアの分析では、トランプ氏を大統領に押し上げた1つの理由として、「中流階級以下の白人層の支持を得たから」だと言われています。近年のアメリカの繁栄や好調な経済の恩恵を受けることが出来なかったこの層が、富の再配分を期待してトランプ氏に投票したという見方です。

 

バラ色のように見えたアメリカ経済ですが、なぜ富の配分が偏り、人々の不満が充満したのでしょうか?この問題について、ある経済学者は、インターネットの普及により富の偏りが生じたと説明します。

 

インターネットの普及は人々の生活を便利にした一方、社会的不平等を生みだし、富の一極集中化を招きました。インターネットを活用して富を築いた者がいる一方、インターネットを使いこなせず、その恩恵を受けられない層も存在し、その差は大きく広がります。これらの不満がもとで、不寛容主義、保護主義を生み出し、トランプ氏が大統領に指名される事態になりました。

 

「富を平等に再配分出来ないか?」「多くの人々が経済に平等に関わることで富の再配分を得ることが出来ないか?」と考える人々がいます。今回はブロックチェーンと呼ばれるIT技術が、それを実現可能としうる技術をご紹介します。

もう銀行は要らない?ブロックチェーンを有効活用する世界

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出典:inspira.co.in

ブロックチェーンとは、世界中に点在するコンピューターにデータを分散することで、中央集権を置かずに破壊・改ざんが困難なネットワークを作る技術です。相互に信頼関係の無い不特定多数の参加者間で、権利の移転を実現することを可能にするシステムです。

 

ビットコインの中核技術として有名になったブロックチェーンは、ナカモト・サトシという人物によって考案されたものです。ブロックチェーンはその名前の通り、複数の取引データを塊にして(=ブロック)、ハッキング出来ないように暗号化してチェーンのようにつなぎ合わせる(=チェーン)技術です。

 

現在行われている取引システムでは、取引当事者を繋ぐために仲介業者が必要です。その仲介業者によって、取引の安全性や実効性が担保されます。

 

身近な例では銀行がその代表例と言えます。AさんがBさんへお金を送金した場合、銀行を介すことにより取引は安全に履行されます。もしこれが直接取引の場合、Bさんが悪意をもっていた場合、お金を貰っていないと主張される可能性があります。それを回避するため、銀行のような仲介業者が必要となります。

 

しかしブロックチェーンは仲介業者を介さずとも、AさんとBさんの取引が台帳に記載され、それが世界中に点在するコンピューターにデータを分散することで、取引履歴が周知のものとなります。世界に分散された取引台帳の全てを書き変えないと、ハッキング出来ない仕組みになっているのです。

 

現在は仲介業者を介して多くの手数料を支払う必要がありますが、ブロックチェーンを使った取引の場合、手数料を最低限の押さえることが可能となります。

ダン・タプスコット教授が唱える未来

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出典:www.ted.com

カナダのトロント大学教授でイノベーションやグローバリゼーションの権威であるドン・タプスコット教授は、冒頭に述べたようにインターネットの普及が社会的不平等を生みだした一因だと主張します。

 

タプスコット教授は、既存の金融システムは人々から多くの富を奪っていると語り、ブロックチェーンを取り入れることで、一般大衆が富を搾取されない仕組みを構築出来ると唱えます。

 

タプスコット教授は、ブロックチェーンの1つであるイーサム・ブロックチェーンに注目します。カナダの19歳の若者が開発したイーサム・ブロックチェーンは、スマート・コントラクト(実行機能付きの契約)という機能があり、人々の意思に沿って、契約・執行・管理・支払を行う機能があります。現在の銀行機能のようなもので、株式市場をこれに置き換えられることも可能です。

 

タプスコット教授は、ブロックチェーンを使用することによる貨幣の未来について2つの例をあげています。

例1:国際間の送金の簡易化

先進国から途上国の資金の最大流通は、企業が投資する資金でも無ければ政府による海外援助金でもありません。個人の送金です。年間6千億米ドル(約60兆円)もの個人送金が行われており、ブロックチェーンを使用することで手数料を安く、且つ送金に時間がかかりません。

 

例えば、カナダ在住のフィリピン人メイドは、毎月ウエスタンユニオンを経由してマニラにある実家に送金をしています。手数料は10%も取られ、送金が完了するのに4~7日かかります。しかしそのメイドがABRAというブロックチェーン送金アプリを使用すると、スマホから送金して7分後には実家にいる母親が現金を手にする事が出来、手数料も2%足らずですみました。

例2 :国による国民間の資産管理

ホンジュラスでは個人が持つ土地を国がブロックチェーンで管理しています。発展途上国では、権力者が自由に政府の土地台帳を書き変えることが可能な場合があります。ブロックチェーンで世界中の人々が取引台帳を管理していれば、権力者と言えどもそれが出来なくなります。

 

このような事例をみるとタプスコット教授が唱えるように、無限の可能性を秘めているブロックチェーンを活用することで、富の配分を平等にすることが可能になるかも知れません。