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起業の決断

起業の決断

TESS・鈴木堅之代表:東北大発ベンチャーが生み出した”足こぎ”車いす、誕生の経緯【前編】

今回のインタビューは、株式会社TESSの代表取締役である鈴木堅之さんに「事業内容」「幼少期の過ごし方」「起業するまでのキャリアの変遷」についてお話を伺いました。

【経歴】

2008年東北大学発ベンチャー㈱TESSを創業。人間の反射能力を活用して身体機能を維持トレーニングする世界初の足でこぐ車いす“足こぎ車いすProfhand”を製品化。“障がい者も健常者も共に希望を見出せる社会の実現”を目指して途上国への展開にも力を入れている。第17回東北アントレプレナー大賞受賞、平成25年日本クリエイション賞受賞。Japan Venture Awards2014経済産業大臣賞受賞。

”足こぎ”車いすを手がけるTESS

私達は、東北大学のベンチャー企業として大学内に本社をおく、”足でこぐ”車いすを開発・製造・販売まで手がけるメーカーです。

足こぎ車いすというのは、20年前に東北大学の医学部と工学部で発明され、大学の中の研究成果としてずっと大学の中で患者さんに使ってもらっていたものです。

対象は全く歩けない患者さん、例えば脊髄損傷や頚椎損傷、それから脳梗塞のあとの半身麻痺、また、最近増えているのは膝や腰が痛くて歩けないといった方たち、それから小児麻痺のお子さんなどです。

お子さんから高齢者、障がい者の方まで幅広く、失った機能をもう1回取り戻す目的で、リハビリの機器として発明されたのです。

 

みなさん、「足が悪くなったらもう歩けない」ということで、手で移動する車いすか電動車いすを使うというのが常識になっています。

ですが、足の機能がもうほぼないという状態の方でも、電動に頼らず人の力に頼らず自分に残された機能を使ってリハビリして、もう1回機能を再建する「運動機能再建学」から出てきた発明品です。

このことを、ここ7年間ずっと言い続けています。やっとそれが広まりつつあるといったところです。

足こぎ車いすの原理

「足こぎ車いす」ですが、そもそも車いすなのに”足こぎ”という点が矛盾していますよね。

車いすといったら手でこぐか電動であって、「足を使えないのに何で足でこぐことができるんだ?」と思われるかもしれません。

 

健康な私達は脳で、無意識・意識関係なく手を動かしたり足を動かしたりしてコントロールします。

生まれて生後2ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんに見られる反射、例えば、お父さんやお母さんが指を出すと赤ちゃんがギュッと握ることは「把握反射」と言います。人間の本能ですよね。

足にも「歩行反射」「原始歩行」という反射があって、ぱたぱた赤ちゃんが足を動かすような動作を見たことがあると思うんですが、あれは歩く練習を無意識のうちにしてるんですね。

人間は原始歩行という無意識の反射を使って、立つ・歩くという訓練をしているんです。

足こぎ車いすは、原始歩行、脊髄反射が起きやすい姿勢をつくってあげている機器なんですね。

 

「足こぎ車いす」というネーミングなのでみなさん「何だ?」と思われるのですが、東北大学の理論からすると「原始歩行を出してあげるための装置」だということです。

足こぎ車いすの販売先

これはリハビリから発生しているので、病院や福祉施設、それから最近多いのは自宅で暮らされている障がいをお持ちの方や高齢者の方といったように、幅広いところで使われています。

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