インターネット広告の世界市場規模は、年間16兆円にものぼると言われていますが、その中でもレコメンデーション広告などのコンテンツマーケティングと呼ばれる分野の成長は著しい状況です。
インターネットを閲覧していると、画面の下や横に閲覧している記事と関係の無い広告が表示されているのを、見たことがある方も多いと思います。
これらの広告を配信するプラットフォームを提供しているイスラエル発の会社がTaboola(タブーラ)社です。Taboola社は、すでにコンテンツマーケティングの世界では大きな存在感を示すほどの会社に急成長しました。日本でもその知名度も広がりつつあり、もしかすると聞いたことのある方もいらっしゃるかと思います。
今回はTaboola社のCEO、Adam Singolda(アダム・シンゴルダ)氏を紹介します。

検索エンジンは、無意識のうちに欲している情報を教えてくれない

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出典:www.facebook.com
Taboola社の創業者であるアダム・シンゴルダ氏は、イスラエル軍に在籍していた時、数学の問題を解くことに情熱を燃やすオタクでした。
シンゴルダ氏は、人々は自分がどのような記事やビデオを読んだり見たりしたいか、本当はわからないはずだと考えます。例えば、検索エンジンは、自分でキーワードを入力して記事やビデオに辿り着きますが、無意識のうちに欲している情報を教えてはくれません。
2007年、シンゴルダ氏はTaboola社を立ち上げました。個人の消費パターンを分析し、その人が潜在的に欲している記事や商品をウェブ上に表示させるプラットフォームの作成に取り組みます。
しかし満足出来るプラットフォームはなかなか完成せず、現在Taboola社が展開している製品の原型が出来あがったのは、起業後、3年以上の月日が経ってからでした。
 
シンゴルダ氏が作り上げたプラットフォームは、ユーザーに情報を提供するという点では、検索エンジンと同じです。しかし、そのアプローチは真逆です。検索エンジンは、ユーザーが検索したいことを打ち込みますが、Taboolaは情報がユーザーを見つけるのです。特定のコンテンツに興味がありそうなユーザーを、アルゴリズム等を使って見つける仕組みになっています。
Taboola社のプラットフォームは瞬く間に世界中に広がり、現在では月間7.5億人のビジターがあり、月間3,000億のレコメンデーション広告を配信するまでに成長しました。

Yahoo JapanやComcastから巨額の資金調達

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出典:blog.taboola.com
Taboola社は社員数も約300名まで成長し、世界中にサービスを広げています。アメリカではすでに定着したTaboolaのサービスは、NY Times, USA Today, Fox Television等の大手メディアでも採用されています。
世界へ本格的に進出するにあたり、2015年には約130億円の資金調達をYahoo JapanやComcastから受けました。
Yahoo Japanとは技術提携を結び、日本のユーザーにもサービスの配信が広がりつつあります。さらに中国という大きな市場にも本格的に進出するため、中国検索大手Baiduと提携を結びます。Baiduからも資金調達を受け、その額は約22~33億円と言われています。

レコメンデーション広告の未来

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出典:www.taboola.com
順調に成長を続けるTaboola社の将来は非常に明るいと考えられます。資金も潤沢に供給され、世界を見渡せば拡張する余地が沢山あります。
その一方で、レコメンデーション広告を煩わしいと考えるユーザーも存在します。
Taboolaと検索すると、レコメンデーション広告が表示されない設定方法が並びます。ユーザーの役に立ち、かつポジティブに感じられるレコメンデーション広告が展開できるかが、更なる成長のカギになると思います。

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