アメリカ版マネーの虎「Shark Tank」の投資家のひとりである、Robert Herjavec氏。貧しい移民からスタートした人生は、彼に強さを与えました。
数々のIT企業を立ち上げ、AT&Tやノキアなどの大企業に売却して巨額の富を築いてきました。売却で得た資産で早期リタイヤをしたあと、現在もCEOを務めるThe Herjavec Groupを立ち上げ、同社は北アメリカで急成長企業トップ100入りする成功企業となっています。
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壮絶なゼロからのスタート
Herjavec氏はクロアチアに生まれましたが、旧ユーゴスラビアの共産主義から逃れるため、両親とカナダへ逃亡し移民となりました。スーツケースひとつで移り住み、貧しさから住居を転々としたのち、トロントの両親の友人宅の地下部屋で18ヶ月住むという、いわば壮絶な経験をしています。
苦学の上、大学まで進んだHerjavec氏は、ウェイターや新聞配達、セールスなど最低賃金の仕事を掛け持ちしながら家計を助けていました。卒業後は、テレビ業界に身を置き最年少プロデューサーとして日夜ハードワークに明け暮れつつも、他の仕事を探していたと言います。
そのとき共同生活をしていた友人からLogiquest社という会社で社員募集していることを知ります。入社資格を満たす経験もスキルもないと判断したHerjavec氏はなんと6ヶ月間ただ働きする代わりに経験を積む試用期間を得ることに成功しました。失うものが何もないゼロからのスタートを知っている本人ならではの行動と言えます。
6ヶ月の「無収入」の間は日中にLogiquest社、夜中にレストランでアルバイトをして生計を立てていたそうです。研修後、無事入社に成功したあとは、確実に実績を出し、最終的に1990年に起業のため退社するまでゼネラルマネージャーの地位まで上り詰めました。
自宅の地下室から起業、そしてカナダ最大手の企業へ
Logiquest社を退社後立ち上げたインターネットセキュリティ会社 BRAK Systemsは自宅の地下室から始まりました。10年後には大手通信会社AT&T社へ売却されます。 売却額は公表されていませんが、そこで巨額の富を築いたHerjavec氏は3年間、主夫として3人の子育てをしながら次のビジネスプランをゆっくり練っていたのです。
3年後の2003年には、セキュリティソリューションプロバイダー、The Herjavec Groupを立ち上げました。その後同社はカナダで急成長企業なだけでなく最大手ITセキュリティ会社にもなっています。たった従業員3人から10年後には150人となり、売上は10年で40万ドルから12500万ドルになっています。 現在もCEOと従事する一方、ビジネスを作り育てることに歓びを見いだすHerjavec氏は、投資家として、またテレビ出演でもおなじみの敏腕有名実業家として活躍しています。
カーレースのような毎日
カーレースに情熱を持ち、自分のチームも持つHerjavec氏。参戦している理由をこう述べます。
“300km/hrでレースをするにはものすごい集中力が必要だ。これは日々めまぐるしいスピードで変わるIT業界で会社を成長させていく事にとてもよく似ている”
ゼロからスタートし、失うものがない強さをもちながら常に集中力を使いビジネスを立ち上げ成功させていくことに一番の楽しさがあると言います。
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