渋沢栄一氏をご存知ですか?

長引く不況やテロ等、現代は今まで誰もが予想できなかったできごとが当たり前のように起こっています。
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出典:www.nationofchange.org
前例がないことだからこそ、様々な案を考慮し最善を尽くすことが求めれていますが、答えのない問題を考えることは時に大きな困難も伴います。
ビジネスシーンに限らず歴史上の人物の思想・行動が見直されるのも「あの人ならどう行動し、切り抜けたのか・・・」という問題解決のヒントを多くの人が求めているからではないでしょうか。
今回は、江戸~明治の時代にゼロからの現代にも伝わる社会の礎を築き、多くの企業の設立・経営に関わった“日本資本主義の父”渋沢栄一氏についてご紹介します。

渋沢栄一の生い立ち

渋沢栄一氏は、天保11年(1840年)2月13日、武蔵国榛沢郡血洗島村(現在は埼玉県深谷市血洗島)の渋沢家の長男として誕生します。
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出典:www.fukaya-ta.com
渋沢家は米・野菜の栽培はもちろん、藍玉の製造販売と養蚕も行う豪農で、農業的な技術だけではなく商才も求められるような家業を営んでいました。幼少期には“論語”をはじめとする様々な学問や剣術を学び、江戸や京都への遊学を経て、最後の将軍となる徳川慶喜に仕えるに至ります。
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パリ万博開催の際には、徳川慶喜の弟・徳川昭武に随行しパリの万国博覧会を見学し、ヨーロッパ諸国を巡り、先進国の技術や社会を目の当たりにして大きな感銘を受けました。ヨーロッパから帰国した渋沢氏は、静岡に「商法会所」を設立、その後できたばかりの明治政府から招聘され大蔵省に入り、まさに新しく生まれ変わろうとしている日本の政治・経済の土台作りに貢献します。
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出典:en.wikipedia.org
1873(明治6)年には大蔵省を卒業し、経済人として第一国立銀行の総監役に着任します。そして、この銀行を拠点に、約500もの企業、約600もの教育機関や社会公共事業の支援に奮闘したのです。

渋沢栄一と第一国立銀行

第一国立銀行とは、国立銀行条例によって誕生した初めての民間経営の国立銀行で、初めての株式会社とも言われています。
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出典:www.77bank.co.jp
第一国立銀行の前身となったのが、三井組と小野組という銀行の業務を行っていた2つの組織でした。このまったく異なる2つの財閥をまとめ、新しい銀行の形を切り開いく中心の役割を果たしたのが渋沢栄一氏だったのです。
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現在でも、宝くじの当選金はみずほ銀行から受け取るのは、第一国立銀行の後身でもある日本勧業銀行がみずほ銀行の前身だからです。名前が変わり、組織が変わっても、渋沢氏が作った“銀行”は現代にも伝えられていることが伺えます。
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経済のルールもまだ確立されておらず多くの財閥がまだ残っていたこの時代に、渋沢氏が私財を肥やすのではなく、社会のために奮闘したのは、なぜだったのでしょうか。

渋沢栄一の「士魂商才」

渋沢栄一氏の根底には、幼い頃に学んだ論語からの教えがありました。
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論語では、「利益は独占するのではなく社会に還元すべき」という考えが説かれています。また、剣術を学び、家業を手伝ってきた渋沢氏にとっては、人の世に立つという武士道精神の必要性と、上手く商売をするという感覚は自然に身についたものでした。
武士道という清らかな精神論だけではいけない・・・、幼少期からの環境とヨーロッパでの見分があった渋沢氏だからこそ、そんな思いがあったのではないでしょうか。
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実際、大蔵省に務めていた時にはその組織のトップにまで上り詰めますが、軍事にかかる費用を節約したほうが良いという意見が通らなかったために辞任しているのです。
不祥事等で辞任するトップが多い現代日本ですが、全体での利益を目指した渋沢氏らしい理由は「あっぱれ!」と感じずにはいられません。

渋沢栄一氏から学ぶこと

渋沢栄一氏は、東京証券取引所、東京ガス、東京海上日動火災保険、王子製紙など現在にも多くの残る大企業設立だけでなく、日本赤十字社や一橋大学の設立に関わるなど日本の医学界・教育界にも貢献しました。
ゼロから一つ一つ多くの仕事を成し遂げた渋沢氏の姿からは「日本社会をもっともっと良くしたい!」という思いが伝わってきます。
そうして作られた日本社会に生きる現代のわたし達、渋沢氏の目指した社会を牽引するためにも何をなすべきか、一人一人が思いを新たにしなければいけないのではないでしょうか。

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