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ビジネスアイデアを落とし込めないあなたへ
出典:https://pixabay.com
起業や新規事業創出の鍵ともいわれるプロトタイピング。
「具体的にどうしたらいいのかわからない」
「そもそも何故プロトタイプが必要なの?」
そんなアイデアで止まっているあなたに、今すぐやれるプロトタイピングとその意義を説明します。
プロトタイピングとは?
まずプロトタイピングとは、ビジネスアイデアを具体的にわかる形に落とし込むことです。
完璧なものを作る必要はなく、MVP(Minimum Viable Product)、つまり必要最低限の機能を持った製品で構いません。例えば、ダイソンの羽のない扇風機のプロトタイプは、段ボールでできていましたし、クックパッドはスケッチとペーパーモックでした。
ここで重要なのは、顧客がコンセプトとコア機能を理解できることであり、本当に顧客のニーズを捉えているかどうかを検証することです。研究開発の遅延と高コスト化を避けるためには、多少ピースが抜けていても次に進み、ユーザーの声をいち早く反映させる必要があります。
とはいっても、具体的にプロトタイプを作るにはどうしたらいいのでしょうか。
プロトタイプは4種類存在する
出典:Canadian Film Centre via Visualhunt.com / CC BY
よく使われるプロトタイプは次の4種類です。
一つ目は紙一枚で始めるペーパープロトタイプ。
二つ目は3Dプリンタなどを用いたラピッドプロトタイプ。
三つ目はアプリやWEBサイトの使用感を確かめるUI(User Interface)プロトタイプ。
四つ目は使用シーンをドラマティックに伝えるビデオプロトタイプです。
どんなビジネスアイデアであれ、まずは簡単なペーパープロトタイプから始め、そのフィードバックから次のプロトタイプを何にするか決めましょう。
ペーパープロトタイプで、はじめの一歩を
紙一枚にプロダクトを書いてみる
まずはもっとも簡単なペーパープロトタイプから紹介します。
紙一枚にサインペンを使えば、短時間で書けるでしょう。ざっくりと製品の外観を書き、その中に細かなデザインを書き込んでいきます。この時、大枠は太いペン、小さなパーツは細いペンと使い分けると見やすくなります。
ただし色を付けると時間がかかるので最低限にし、作りこみすぎないようにしましょう。はじめはディスカッションしながら10分程度で書き直せるクオリティで十分です。
作成するのがアプリの場合、ペーパープロトタイプを撮影して簡単に動かす無料ソフトが配信されています。
POP https://popapp.in/jp
Prott https://prott.stores.jp
Marvel https://marvelapp.com/
一方、次にUIプロトタイプを作らない場合、下の動画のようにWEBサイトを紙で再現することもできます。紙面を指でクリックし、手動で画面を開きます。
出典:https://youtu.be
以上のような製品そのものを紙で再現する方法とは別に、お客様に商品を伝える物語を作る方法もあります。
紙芝居で使いどころを伝える
この手法では、伝えたいプロダクト・サービスのコンセプトを、それを想起させるストーリーの中で紹介することによって、聞き手に強く印象付けることができます。
この時、ペーパープロトタイプの見栄えが大事なのではなく、意図や背景が伝わることが重要です。
具体的には以下の点を整理してみてください。
(1)人:誰のためのプロダクトか? 主人公はユーザーや未来の生活者にする。
(2)場所・場面:伝えたいことを伝えられる場面はどこか?
(3)プロット:何が課題なのか? どんな葛藤があるか?
(4)目的:どうしてこの事業をするのか? なぜそれを伝えたいのか?
この際、ペルソナ分析やエレベーターピッチの結果などを参考にするといいでしょう。
そして要点が明確になったら、誰が何に困っていてこの商品のどういう機能がなぜ嬉しいのか、を起承転結に沿って表していきます。
人の感情は顔の表情や汗マークなどの漫符を使って表し、文字はなるべく減らすのがコツです。
ペーパープロトタイプのその次は?
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ペーパープロトタイプが出来たら、後は一人でもいいからターゲットに直接ヒアリングしてみてください。その結果をチームで共有し、ペーパープロトタイプを改良するのはもちろんのことですが、もう一点確認してください。
ヒアリングの際、具体的な製品の絵と物語、どちらがピンときていましたか?
製品の絵の方がいい反応なら、次は実際に手に取って見れるプロトタイプを作りましょう。アプリやWEBサイトならUIプロトタイプ、電気機器や日用雑貨など形があるものならラピッドプロトタイプになります。
物語の方が良ければ、次はビデオプロトタイプです。紙に書いた絵を切り抜いて動かしてもいいですし、身近な協力者を募って実写にしてもいいでしょう。
いずれにせよ、あくまでも目指すのはMVPであり、検証に不要な部分でクオリティを追求しないのが鉄則です。
プロトタイプで 効率的な開発を
出典:https://picjumbo.com
いかがでしたか?
時流の変化が激しい昨今、いかに早く問題を洗い出し、事業化に結び付けるかが成否を分ける鍵となります。
プロトタイピングは、実際に手を動かすことによって、頭の中だけで考えたり口頭で話し合うより効率よくアイデアの改良ができます。
またアイデアを目に見える形にすることで、ターゲットに対するヒアリングの精度も上がります。このとき、プロトタイプのビジュアルが良いとそちらに気を取られて本質的な問題に目が向かなくなるので注意してください。
プロトタイプはMVP、検証に必要な最低限の機能に絞りましょう。
時間と費用を多くかけて、枝葉末節のフィードバックを得たのでは意味がありません。まずは紙一枚のペーパープロトタイプから試してみてください。