日本の自動販売機は世界一?
日本を訪れる外国人が驚くのは、自動販売機が街の至る所にあることです。自動販売機が取り扱う品目が多岐にわたる点もさることながら、その性能の高さも彼らの興味をそそります。
声に反応する自動販売機はもちろん、日本で暮らす私たちには当たり前の機能である電子マネーでの決済システムも、彼らにとっては目新しいもののようです。
出典:www.excite.co.jp
日本では普通に使っている自動販売機に付いている電子マネー決済システムですが、外国ではほとんど見掛けません。硬貨を入れることでしか購入できない自動販売機が主流なのです。
しかし良く考えてみると、欧米などではクレジットカードの決済が日本よりも広く浸透し、現金をあまり持ち歩かない習慣です。このような土壌では自動販売機の利便性がさらに落ちるのではないでしょうか?
その問題を解決する決済アプリを開発したのが、イスラエル発のスタートアップ、Monyx Wallet社です。
クレジットカード、デビットカードも使える「Monyx」
出典:itunes.apple.com
2014年に創業したMonyx Wallet社は、現在、Shy Rosenzweig氏が経営を行っています。同社は世界中の自動販売機を対象にした決済アプリ「Monyx」を開発しました。
使い方は簡単、
①スマートフォンにこのアプリをインストールし、自分が保有しているクレジットカードやデビットカードなどに連携させます。
②キャッシュレス決済システムの大手NAYAX社が開発した、アプリを読み込む装置が付いた自動販売機の前へ行き、アプリを起動させます。
③自動販売機の識別番号をアプリに打ち込み、商品を選んで決済ボタンを押せば、商品が自動販売機から出てきます。
日本の自動販売機より優れている点は、決済方法が多岐に渡っている点です。クレジットカードはビザやマスターカードなど主要なカードが使えます。その他にもデビッドカード、ペイパル、ポイントカードまで使えるのです。
日本や中国でも拡大する可能性
出典:ebs-as.no
この便利な「Monyx」が浸透するには、自動販売機側に設置する読み込み装置がどの程度普及するかにかかっています。
Monyx Walletにとって追い風ともいえるのは、読み込み装置は大手のNAYAX社が開発・販売しているということです。NAYAX社は大手自動販売機製造会社と提携関係にあり、世界各国の自動販売機協会の会員にもなっています。日本自動販売機工業会の会員でもあるのです。
さらに、決済会社との提携も幅広く行っており、世界の主要金融機関との提携も広がっています。
NAYAX社のワールドワイドのネットワークを上手く活用すれば、「Monyx」は今後飛躍的に伸びる可能性を十分に秘めています。
最後に
戦後、アメリカなど先進国の製品やサービスにヒントを得て、日本国内でビジネスを拡大していった企業も多くあります。自動販売機は日本の技術が最先端であり、リーディングカントリーです。
その日本では一般的な決済サービスを進化させた「Monyx」は、世界のユーザーのニーズをしっかりとらえていると思います。
防犯上の理由や利便性の問題から、海外での自動販売機の数は日本と比較にならないほど少ないのが現状ですが、「Monyx」が普及することにより、自動販売機の数が増えることも考えられます。
また、アプリ読み取り装置の製造会社NAYAX社は、昨年日本にも開設しました。日本の先端技術をさらに改良した「Monyx」が日本でも普通に使える日が来るのも、そう遠くはないのかもしれません。
さらに、世界の中で市場のポテンシャルが桁違いの中国でもこのサービスを上手く展開させることができれば、自動販売機決済サービス世界1の座も夢ではないでしょう。