9月8日、コンテンツ配信プラットフォームを提供するMist Technologies株式会社(以下、ミストテクノロジーズ)は、シリウスパートナーズ有限責任事業組合から資金調達を行った。調達額は7,500万円。調達した資金は開発体制の強化と、コンテンツ配信プラットフォーム「MistCDN」の事業展開に充てられる見込み。
ミストテクノロジーズは東大発のベンチャー企業であり、現役の東京大学大学院生が代表取締役を務める。今年7月に行われた「KDDI∞Labo(ムゲンラボ)」第6期のサービス発表会では最優秀チームに選ばれた。会社の設立は2013年、本社は東大本郷キャンパス内(東京都文京区)にあり、代表取締役は田中晋太郎氏である。
コンテンツ配信プラットフォーム「MistCDN」はP2P型コンテンツ配信サービスである。アクセスが増えるほどコンテンツ配信が早くなり、サーバーへの負荷も減るという。一見矛盾するように感じるが、同じコンテンツにアクセスするユーザーPC間でコンテンツを共有することでアクセス集中を大幅に改善することができる。つまり、物理的に最も近いPCとコンテンツを共有するのである(ブラウザのキャッシュを引っ張る)。配信側は大容量のサーバーを抱える必要がなくなり、視聴側はスムーズにコンテンツを見ることができる。KDDIがイベントのライブ配信実験を行ったところ、サーバーを経由したトラフィックを約7割削減できたそうだ。
ニコニコ動画など、オンラインで生放送を行う動画配信サービスも増えている。今後、4K、8Kと高画質で大容量の動画が主流になる日も近いだろう。配信側、視聴者、双方に嬉しいこのサービスの需要と期待は増すのではないか。これからの事業展開に注目したい。