「エルピクセル」研究不正と戦うために起業
以前、大きな問題になったSTAP細胞。論文や画像に不適切な箇所がいくつも見つかり、一時期、技術開発に向けられる視線が非常に厳しくなりました。
正当に頑張っている研究者に疑惑の目が向けられないよう、ある会社が立ち上がりました。
それが「エルピクセル株式会社」です。
出典:lpixel.net
エルピクセルが守る、科学技術への信頼
エルピクセルはソフトウェア「LP-exam」を開発し、非常に高度な画像解析処理の技術を用いて、主に
生命科学の分野における学術論文の画像処理に不適切な箇所がないか、矛盾しているところはないか
を発見できるようにしています。
しかも、そのアプリをオンライン上で無料公開し、活用してもらうことで、失われた日本の科学技術への信頼を再び取り戻そうとしています。
出典:lpixel.net/services/research/lp-exam/
生命科学の分野の研究は私たちの生活にも大きな影響をもたらすだけに、一刻も早い信頼回復は急務です。
エルピクセル株式会社はそのためにソフトを開発し、広く世の中に広めようとしています。
エルピクセル創業者・島原佑基氏
エルピクセルを立ち上げたのは、東京大学大学院を修了した、島原佑基氏です。
出典:lpixel.net
2014年3月にエルピクセルを創業し、「始動 Next Innovator 2015」(経済産業省主催)シリコンバレー派遣選抜メンバーに選ばれるなど、名実ともに知られる存在へとなってきました。
出典:sido2015.com/#toppage
エルピクセルが取り組んでいるソフト開発は、STAP細胞の研究論文不正がきっかけで始まったと島原さんは述べています。
研究者や科学者のモラルに対する疑問の目が注がれていますが、島原さんはLP-examの提供を通して研究者らのモラル改善にも一役買うことを期待しているのです。
不正をしてもすぐに判明してしまう仕組みを作ることで、盗用を未然に防ぐことに大いに役立つのです。
エルピクセルがもたらす可能性
論文作成中や研究過程でそのようなチェック機能が働くことで、研究者や科学者はより引き締まった環境で研究開発に没頭できるようになります。
そして、制約ができるぶん新たな発想が出てきたり、これまで思いつかなかったようなアイデアが生まれる可能性が高くなるのです。
制約ができることで縛られる側面はありますが、だからこそ分かる問題点にも気づきやすくなります。
つまり、「なぜ、今までそれがわからなかったのだろうか?」というような発見も可能になるのです。
この「LP-exam」により、研究者や科学者は新たな可能性を手に入れたと言っても過言ではありません。
今後のエルピクセルの展開を、目を見開いて注目する必要がありそうです。