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GAFAって何?
最近、ネットニュースやTV、書店でGAFAという言葉を見かけたことはありませんか?
GAFAの略称はよく知ってるけど、具体的に「なぜ話題になっているのかよく分からない」という人も多いと思います。
GAFA(ガーファ)とは米国の主要IT企業4社、Google・Amazon.com・Facebook・Apple Inc.の頭文字を取って総称する呼称です。
分からない事を検索する為にGoogleの検索エンジンを使い、露店に無い商品を買いたいときや出掛けるのが面倒なとき、Amazon.comでネットショッピングをする。
実際の友達だけでなく仕事上の関係の人とも繋がりを持つ為や、近くで開催されるイベントやセミナーなどの情報収集にFacebookを用いる。
私たちの大半が所有しているスマートフォンのiPhoneなどのデジタル機器はAppleの製品であったりと、
現代を生きる私たちにとってはGAFAの4社は切っても切れない関係にあることでしょう。
切っても切れないからこそ便利なサービスの反面、問題点も話題になっています。
この記事ではGAFAの定義だけにとどまらず、GAFAの背景知識・問題点やその対策、GAFAの現状や今後の予想を見ていきましょう。
その上で、GAFAの動向に目を張ることでデジタル社会を生き抜くヒントが得られるかもしれません。
GAFAの定義をしっかり押さえよう
GAFAはGoogle・Amazon.com・Facebook・Apple Incの頭文字の総称というところまで紹介しました。
では各企業がどういった企業なのか詳しく見ていきましょう。
Google(グーグル)
代表的な事業の一つに検索エンジンがあります。
インターネットで何かを調べる際にはGoogleかYahoo!で検索するという人が大半でしょう。
しかしYahoo!もGoogleの検索エンジンを採用しており、検索エンジン市場におけるGoogleのシェアは90%を超えており、時価総額は2018年10月末時点で7536億ドルです。(残りの3社も同時点での時価総額です。)
現在では検索エンジンだけにとどまらず、動画配信サービスの「YouTube」、地図検索の「Google マップ」、インターネット広告の「Google AdSense」と「Google AdWords」、モバイルOSの「Android」、ネットブック用ブラウザの「Google Chrome」といったサービスもGoogleの事業に含まれています。
Amazon.com(アマゾンドットコム)
ネットショッピングをする誰もが一度はAmazonを使っとことがあるでしょう。
Amazonを主軸としたEC(electrical commerce:電子商取引)サイト、Webサービス会社です。
通販サイトAmazonは書籍・CD・家電・食品など日本国内だけで1億点を超え、日本事業の2017年度の売上高では1兆3335億円にのぼります。時価総額は8199億ドルです。
他にも動画・音楽・漫画が読み放題になる会員制サービス(Amazonプライム)、電子書籍専用端末の「Kindle」があります。
また、ドローン配送サービス「Amazon Prime Air」では2017年に米国で公開実験に成功しており、ドローンが自宅に荷物を届けるようになる未来は近いでしょう。
Facebook(フェイスブック)
Facebook社の提供するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が主事業です。
2004年に米国の学生の交流を目的に、サークルやパーティの募集・就活や趣味などの様々な情報交換サービスとして利用されていたのが始まりです。
その後全世界に広まり、現在では世界人口75億人の中の12億人もが毎日フェイスブックと関わっていると言われています。
またメッセージサービスの「Facebook Messenger」、写真や動画を簡単にシェアすることが出来る「Instagram」は米国でも人気を占めています。(2010年時点で2位と8位、Facebookは1位)
時価総額は4362億ドルとなっています。
普及率と使用率でいえば、ソーシャルメディアの市場においてフェイスブックに並ぶ企業は存在しないでしょう。
Apple Inc.(アップル)
スティーブ・ジョブズが設立者というのも有名な話でしょう。
パーソナルコンピュータのMacや、スマートフォンのiPhone、タブレット端末のiPad、携帯音楽プレーヤーのIPodなどのデジタル機器でよく知られています。
多機能・高機能のデジタル機器を販売していただけではなく、「Apple製品を使っているとお洒落」「魅力的に見える」などのブランディングも達成しているところがAppleの特異な点でもあります。
またアップルは創業時からの総計でアマゾンの2倍近くの利益をあげ、手元資金はロシアのGDPにおよぶとも言われています。時価総額は1兆571ドルでGAFAトップです。
時価総額のトップ層をまとめた呼称だけではない?! ~プラットフォーマーとしての存在~
ここまではGAFAの各企業がどういったものなのか、簡単に説明してきました。
しかし、「時価総額のトップ層を並べただけなら、昔にもGAFAみたいな呼称はあったはず」と思う方もいるでしょう。
ではなぜ今話題となっているのでしょうか。
それは、「GAFAが全世界に対し莫大な影響を与えている」からです。
理由は下記の通りです。
まずデジタル社会にフィットした各企業は、インターネット広告の収益や通信販売などを通じ、短期間で巨額の利益を上げています。
それぞれの時価総額を合わせると、GAFAで計約3兆ドルの規模となっています。
それに共通点としても言えるのですが、4社は個人データを集約し活用するプラットフォーマーとも呼ばれており、私たちにとってなくてはならないインフラの一つとなっているのも理由です。
ユーザーを対象に販売や広告などのビジネスを展開したり、情報発信したりする際のサービスやシステムといった基盤(プラットフォーム)を提供するIT企業の事をプラットフォーマーと呼びます。
またプラットフォームは、集約され蓄積される情報とプラットフォーム利用者間の相互作用によってより高い価値を創造する仕組みです。
Amazon.comを一例にとると、個人情報を入力した上でショッピングをすることで、商品を購入するユーザーの特徴が企業へと提供され、「あなたへのお買い物傾向から」という更に購買を催すような情報が個人へと提供されるといった仕組みになります。
つまりGAFAはプラットフォーマーとして得た莫大なユーザーのデータを活用しているからユーザーにあった広告・サービスを提供できるのです。
そういった理由に加え問題点も多くあり、GAFAが取り沙汰されることが多いのです。
ちなみに昔はソフトウェアの開発・販売を行っている企業のMicrosoftを加えたGAFMA(ガフマ)とし、出版業界の脅威5社として呼ばれていましたが、個人データの収集と利用という側面においてMicrosoftは他四社に差をつけられているのでGAFAと呼ばれるようになりました。
GAFAのあまり知られていない側面
出典:gahag.net
私たちの生活とは切っても切れない関係にあるGAFA。
販売や広告を展開する基盤となる場所を提供するプラットフォーマーとして人々の生活を豊かにしてきたGAFA。
しかしそんなGAFAの企業にもあまり知られていない側面があります。
それらは「市場」「情報(個人)」「税金」といった3点から見えてきます。
GAFAの脅威‐市場・情報・税金
①市場の独占
GAFAはその圧倒的な規模でユーザーを囲い込み、それゆえ市場を独占しているという点が指摘されています。
例えば、大きいサメが1匹、その他は小魚しかいない水槽を想像してください。
サメは日々小魚を食らい成長する一方で、小魚は小魚で餌を必死に探し奪い合っている。
水槽が「ありとあらゆる市場」、サメは「GAFA」であり小魚は「その他の企業」とするなら、GAFAの各企業がどれほど圧倒的なのかイメージしやすいのではないでしょうか。
実際、米国の広告市場はGoogleとFacebookの2社に独占されている状況です。
②個人情報漏洩(ビッグデータ)
私たちはAmazon.comでショッピングをする際には自分の住所を登録したり、Facebookを利用する際にも自分の所属や趣味を登録するといったように「自身の情報」を企業側に提供しています。
そんな私たちの社会インフラともなっているプラットフォーマーは莫大な数のユーザのデータを持っています。
やはりそれゆえに情報漏洩のリスクも高いのでしょう。
一例では2018年の10月17日にFacebookが日本での個人情報流出、クレカやパスワード被害にもおよぶ事件がありました。(件数は不明ですが)
私たちは各企業のサービスを利用する際に無意識なほどに、自身の氏名・住所・電話番号や趣味趣向まで企業に情報を提供しています。
それに対して何の抵抗感も抱いていないという事実は一度認識するべきでしょう。
③税金逃れ
GAFAは法人税率の低い国(タックスヘイブン)に利益を移して節税し、収益に見合う税金を納めていないという批判もあります。
法人税の実効税率は、日米や欧州主要国では約20%前後から30%前後です。
アイルランドなどの法人税率は10%台といった様に、国によってはもっと低い税率の国もあります。
一例ですが、そういった国への本社の移転などを駆使しGoogleでは2007年から2009年にかけて約31億ドル、つまり年間10億ドルもの節税を行っていたりします。
下記でも説明しますが、その対策としてデジタル課税といった企業の売り上げの数%を税金に課すといったルールもあります。
GAFAへの対策と現状
先ほど挙げた3つの問題点に対して、現在各国がGAFA対策の強化に向かい始めています。
では各国の対策とそれによるGAFAの現状を見ていきましょう。
各国・個人のGAFA対策
①官民データ活用推進基本法
日本では平成28年度GAFAの個人情報流出への対策として、官民データ活用推進基本法といった法律が制定されています。
この法律は、企業のサービスを利用する際に送られる個人情報を入力の際に一度匿名化するといった内容の法律です。
その目的としては、個人のデータを保護するという旧来の意図ではなく活用することでデジタル社会をより良くしようといったほう法律です。
結果的にGAFA対策にも繋がってくるというわけです。
②デジタル課税
上記で軽く触れましたが、GAFAなどの米IT大手などが低税率や租税条約を結んでいない国・地域に利益を移す課税逃れを防ぐ法律を課している国もあります。
知的財産やデータなど形のないものから利益が生み出される時代に、法人税をどう課すかという問題に上手く対応した対策といえますね。
2020年からイギリスでは無形資産の利用対価として支払額の2%の税を課しています。
③GAFA離れ
個人の対策としてはこれまで使っていたサービスを一切使わなくなる、GAFA離れをする人々も出てきています。
表立って無料とされているサービスのコストはいったいどれくらいのものでしょうか。
GAFAから離れてみることで見えてくるものもあるかもしれません。
GAFAの現状と今後
上記で取り扱った対策はほんの一部ですが、他にも個人データの情報保護への管理費の積み増しに迫られていたりとGAFA包囲網は強化されている最中です。
そして結果として、2018年の10月には4社それぞれの企業の時価総額が大きく目減りしています。
またアップルやアマゾンは10月からの1か月半で株価が20%近く下落しています。
GAFAは今後も新事業を展開していったりと世界に莫大な影響力を持つでしょうが、各企業への対策・法整備は強化されていくでしょう。
そして4社の影響力がいつまでも続くとは限らないというのは過去の他の企業を見ても明確です。
GAFAの次の時代を見据えた人間になるには?
GAFAがなぜ注目されているのか、そしてGAFAが抱えている問題点や対策、現状について理解していただけたでしょうか。
4社の躍進はしばらく続いていくはずですが、その中でもGAFAの次の時代を見据えた企業が今後も生き残っていくのは明確です。
そして、その次の時代を見据えるような人間が必要とされていくのも確かです。
GAFAの動向に注目すると時代の最新の動向が分かります。
個人が今すぐにでも出来ることとしては、定期的にGAFAに関する情報を仕入れてみると良いでしょう。
ただし、新事業などを確認するだけでなく上記で触れてきた問題点への各国の対策や、莫大な影響力を持つようになった理由などを考慮した上でGAFAに対してのアンテナを張るようにしてみるのも一つです。
「具体的に何をしたらいいかよく分からない」
「GAFAが成功した背景やそれに共通する点をもっと詳しく知りたい」
「現代をより一層知り、次の時代を見据えた人間になりたい」
といった方は是非下記の『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』を読んでみてはいかがでしょうか。
本書はGAFAの歴史や成長してきた背景、デジタル時代にGAFAを紐解き、ビジネスの創造を理解するカギを見つけることにより「現代の経済状況の中で競争で優位に立つための強みと見識を身に着ける」ことを目的として書かれています。
後半では筆者は、現代は「超優秀な人間にとっては最高の時代だ。しかし平凡な人間にとっては最悪である」と述べています。
そして、そんな時代に「個人が成功するために必要な内面的要素」が分かりやすく挙げられています。