
後半の6つは、実践と発展編! “仕事の5S”って何?
Contents
5S実践のために必要な4つのこと(⑧~⑪)
⑧ まずは”場”を整える
5Sの実践はまず“場”を整えることから始まります。ここでいう“場”とは、5S活動のためのチームのことを指します。
5S活動をやる意味は何なのか、どういった利益につながっているのか。全員に参加意思があるのか、リーダーの役割は何なのか。
5Sは基本的な活動であるからこそしっかりと定義し、実施の意味をチームで共有しましょう。
⑨ 目標設定は大事
やはり5Sでも目標設定が大事になってきます。5Sは管理手法の1種なので、数字による目標設定が必要です。
目標設定には大きく2つがあります。それは「結果」に着目した目標設定と「行動」に着目した目標設定です。
前述のとおり、5Sの効果は見えにくいものなので、「行動」に着目した目標設定が推奨です。
実施回数などが当たります。達成したかどうかがわかりやすく、モチベーション向上にもなります。
「結果」に着目したものであれば、作業時間がおすすめです。もちろん売り上げなどもありです。
注意ですが、経営層の方は「結果」にも着目すべきです。「結果」に結びついた改善手法はどれなのかを選定することが5Sのノウハウ蓄積となります。
⑩ ”不要な物”の定義とは
「整理」では必要なものと不要なものを区別します。一般的な整理、「片づけ」と5Sにおける「整理」は違います。「それは不要か?」という問いかけではなく、「それは本当に必要なのか?」と問いかけましょう。
モノだけではなく、プロセスも対象です。伝統的に、習慣的にやっている行動は意外とムダがあるものだと意識してください。このようにしてできた「不要な物の定義」は全社員で共有しておきましょう。
⑪ 絶対必要、チェックシート
5Sには欠かせないものがあります。それは「チェックシート」です。
チェックシートはだれが見てもわかるものを作成しましょう。社長が見ても、パート社員が見ても同様の情報が得られることで、5S活動の状態について高いレベルで共有することができます。
また、実際のチャックの基準はしっかりと共有しておきましょう。回数などの数値項目であれば問題ありませんが、汚れの程度などの項目は人によってばらつきが出てしまうかもしれません。全員で一緒に確認する機会や、具体的な標識を設けるなどの措置を取りましょう。
広がる5Sの意味、2つ紹介(⑫・⑬)
⑫ 「仕事の5S」とは?
5Sは基本的な活動で構成されているため多様な形で応用されます。そのうちの1つに「仕事の5S」というものがあります。
「仕事の5S」はその名の通り、仕事自体を対象にした5S活動のことです。仕事の中にあるムリ・ムラ・ムダの「生産性の敵3兄弟」をなくすことを目的としています。
ムリのし過ぎやムラの存在は大きなバラつきを生み、そのバラつきは生産性の向上を妨げるものです。
「仕事の5S」におけるそれぞれのSの意味を見ておきましょう。
整理:価値のある(高い)仕事とない(低い)仕事を区別する
整頓:仕事の偏り、滞りをなくして、ムリ・ムラを減らす
清掃:仕事が滞りなく行われる環境を作る
清潔:上記3Sを継続し、仕事の負荷や状況を視覚化する
躾:ルールやプロセスを習慣づける
基本的な考え方は通常の5Sと同様と認識して大丈夫です。「仕事の5S」において覚えておいてほしいことは、「仕事をすてることが必要」というものです。ムダな仕事を削減することで、生産性は向上します。
⑬ 増え続けるSの意味
5Sはそれぞれの企業でカスタマイズして使われます。そのため、5つのSの意味は企業ごとに異なっています。さらには6つ目や7つ目のSを付け足す企業も出てきました。
日本電産グループでは「作法(Sahou)」、東芝は「しっかり(Sikkari)」「しつこく(Situkoku)」を足して7Sです。他にも、「安全(Safety)」「勤勉(Sincerity)」などもあります。
なんにせよ、5Sの基本的な考え方に合っていれば(あと、Sから始まっていれば)、どのようなSを足しても大丈夫ということです。次なるSを生み出すのはあなたかもしれません。
5Sを学んで生産性向上
出典:gahag.net
5Sは徹底して環境を整えることで高い生産性を誇る組織を作り上げるためのスローガンです。今回は、5Sの定義や効果、実践場面やその展開について13の事柄に分けて紹介しました。