自分のできることから起業
ーそもそも起業しようと思ったきっかけ、そしてマーケティング領域での事業選択理由を教えてください。
飛鳥:そもそも、今はビューティー&ヘルス食品企業向けのマーケティング支援をしていますが、当初は別の事業をしていました。
起業の経緯から先に話しますと、もともと学生時代から独立という願望はありました。
企画して売れるか売れないかがハッキリしているアパレルがやりたいなという想いも持っていました。
けれど、前職であるトリンプでマーケティングや通販を結果重視でバリバリやっていて、いざ起業しようとなると、「アパレルがやりたいな」という想いは、トリンプで学んだ”在庫を持ってお店を出す苦労”と、何より資金が足りなくてそもそも無理だなと。
そのときはまだVCとかエンジェルって本当に少なかったので、そうなると手持ちでできることはマーケティング。
しかも、代理する広告代理でしたと。
まずは自分のできることで起業。起業背景としては単純にそれだけでしたね。
ただ、そうやってマーケティングを学んでいくうちに、マーケティングも自分で企画して、やっぱりそれが上手くあたると商品がヒットしたりと、そういうところがアパレルに似ているということで、マーケティングという領域を選んだということになります。
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成長をもたらした3回の変革
ーIPOまでの苦労や成長のきっかけを教えてください
飛鳥:大きく3回変革をしました。
創業当初はもともと単純に広告業でしたが、徐々にトリンプ時代の経験で、通販に関する案件も受けていました。ただ通販を始めていくと、同業他社と差別化するために独自性を持たなければいけなかったんです。
そこで2008年から独自のシステム開発というものを始めたのが1回目の変革です。
そこから業績を着々を伸ばしていって、今後会社のことを考えた時にIPOを1つ目標に捉えました。
そうすると、まだ競合優位性が弱かったんですね。どちらかと言うと、よろず屋っぽいと言うか、幅広く一気通貫型でしていましたので、個別に見ると競合がいて、優位性があまりなかったんです。
と言うことで、2回目の変革。
その時が2012年くらいで、ちょうど「マーケティングオートメーション」というキーワードが出始めた頃でした。
これからはマーケティングの自動化だ、オートメーション化していくんだ、という流れを先にやろうと、マーケティングオートメーション化を進めるために、自社のソリューションをMAに一部近しいものがあったのでちょっと変えて、マーケティングオートメーションツールを大きく謳っていきました。
ただ、マーケティングオートメーションツールで成長していますと言えるほどの成長スピードではありませんでした。
そんな中で、2015年に債務超過になりまして。
広告マーケティング事業のクライアントさんのうち、上位10社中3社が、代金変更と言う形になったんですね。
マーケティングオートメーション領域に一気に投資もしていましたし、人もかなり採用していたので、売上を作っていた上位がこけると一気に売り上げが落ちて、債務超過に陥りました。
そこで3回目の変革。
債務超過に陥った時、会社の強みは何だろう?ともう一度考えました。
そうすると、一番売上を築いていたのは、我々独自のメソッド・ソリューションが入っていたんです。そしてそれは営業的に一部成果報酬としてコミットしていたものでした。
そしてそこにシステムが入っているとなかなか外れないので、継続率が高くて、成果報酬だとさらに継続率が高い……みたいなところが見えてきて。
やっぱり僕らって、クライアントの6割くらいがビューティー&ヘルスだったんですけれど、ビューティーアンドヘルスの事例がものすごく多いし、強いのはビューティー&ヘルス業界ということがわかり、そこに特化しようと。
初めてそこで選択と集中をしました。
今まではどっちかというと幕の内弁当を広げていって、一時期はアパレルのブランドを持っていたり、いろんなことをやっていたり、プロダクションを持っていたり、結構いろんなことをやっていたんですけれど、本当にビューティー&ヘルスで一番強いマーケティング。しかもシステムを使って、成果報酬で。というものにコミットしようと思って、本当にそぎ落として、そこに集中した結果、今のビジネスモデルである"KPI保証"という形が生まれました。
僕らとしては、強みを出していくときに1回目はただの独自ソリューション。2回目はマーケティングオートメーションという時流に乗ろうとしたんだけれど、旧元来の売り上げもあるし、全部が変革できなかった。
そして最後の変革が“KPI保証”。独自のメソッドが入って、システムも活用して、なおかつ成果報酬と、今までのこと全部が1つ綺麗にまとまったかたちになったんですね。3回目の変革を経て一気に伸びて、自力で債務超過を脱しました。