インタビュー書き起こし〜コンセンシス社との提携の背景とは?

➖コンセンシス社との提携の背景とは?
長谷川:コンセンシス社というのは、イーサリアムというブロックチェーンのプラットフォーム周りでブロックチェーンの技術開発を行ってきたIT企業の集合体です。傘下にはたくさんのIT開発業者がいて、個々の会社でブロックチェーン関連のプロジェクトを持って開発しています。

 

何より注目されているのは、国や地方の政府に対して技術開発のアドバイスをしているという点です。彼らも世界中で色々な展開をしています。例えばスイスにズークという小さな町がありますが、そこではブロックチェーン技術を使ったテクノロジーがどんどん開発されていて、実証実験も行われています。

 

一方、アジアでは、まだブロックチェーン技術を使って何か具体的なサービスというのはあまりありません。今回「香港で金融のフレームワークが変わるかもしれない」という動きを彼らが見ていて、「香港で何かやりたい」と思われたんだと思います。そのパートナーの1つとして我々を選んでいただきました。

 

我々もまだ創業3年の銀行ですが、新しいがゆえに先進的な取り組みを是非やりたいと考えています。我々は他の銀行と違い、制約があまりありません。そこで、彼らと一緒に今後ブロックチェーン技術を使ったサービス開発を行いたい、と思い提携に至りました。

FinTech時代の本人確認の方法「eKYC」

➖eKYCとは?
長谷川: eKYCというのは、銀行が「この人はどういう人ですか?」と確認する(つまり、Know Your Customer: KYC)プロセスがあります。今はいろんな証明書を現物で出してもらっていますが、それをデジタルなものに置き換えるのがeKYCです。

 

例えば銀行が現物ではなく、お客様からキーを預かり、どういう内容か確認して、それで確認終了になる、ということです。スイスのズークでは、住民票がデジタル化されていて、投票に行くときに、本人確認がデジタルキーで行われています。そういう流れの変化が今大きくなっていると思います。

暗号通貨で決済される金融商品、そんな商品を開発したい

➖NWBの今後の取組とは?
長谷川:例えば暗号通貨、これを今どうやって管理しているかというと、皆様それぞれのプライベートキーを持って管理されています。ところが、昨今の世間を騒がせているように、取引所に預けていても、それがハッキングされてなくなってしまう、ということが起こっている。

 

じゃあそのデジタルキーを、例えば銀行の貸し金庫に現物を預けているように、デジタルキーを預かるような金融機関があっても面白いのではないかと。そういうサービスがもしできれば、今より安全性も増します。ですので、暗号通貨を安心して持っていられるようになると思います。

 

先ほど説明したeKYC等の領域はまだ最初のステップです。今後は急速に金融のデジタル資産化が進んでいきます。そうすると、その先に、暗号通貨で決済される金融商品も出てくるかもしれません。

 

例えばAという暗号通貨で払い込まれ、裏側の資産は不動産や株。そういうものが、どんどん出てくると思いますし、そういう金融商品の開発をしたいと考えています。今の銀行というフレームの中では、残念ながらそういったことはまだ1つもできていませんが、今後そういうことができれば、非常に面白い世界になるのではないか、と思っています。

 

ニッポン・ウェルス・リミテッド(NWB)への問合せはこちら

【よく読まれている記事】
おすすめの記事