事業の変遷

事業の変遷

最初は、私が個人事業で始めて1人でやっていました。
1人ですと本当に限界があり、半年後には2人の採用が決まり、経理担当と実際の実務、解析をする方1人ずつに入っていただきました。
その翌年に1人、博士号を取得している新卒を採用しましたが、なかなかビジネスが軌道に乗らなかった時期がありました。
 
しかし、2011年の後半にビジネスが軌道に乗るきっかけがあり、それ以降人を採用し、人数も2倍に拡大。今の体制に近くなってきたという形です。
軌道に乗ったあと、6年目に一旦成長の伸びしろが減ってきたことに気付き、「何かしなきゃいけない」と思いました。そこでまずはシリコンバレーに見学に行き刺激を受け、それで外部資金の調達をして拡大させる方向に舵を切ったということです。それが昨年のはじめの頃でした。

事業が軌道に乗ったタイミングは「学会でプレゼンテーション」

2011年の夏ぐらいに業界の学会がありました。そこでプレゼンテーションさせていただき、その場でいろいろな先生とつながり、どうやって仕事を広げていったらいいかということがはっきりしてきました。そこから大きな案件、お仕事をいただけるようになってきたと思います。
業界の研究分野が「次世代シーケンサーによるデータ解析」というテーマで、「NGS」と略されるんですが、2010年前後はNGSの研究分野が始まったばかりでした。
その際に、日本の国内で最先端をいく先生方が「集まりの場がない」と嘆いていたんです。学会のような組織が全く無く、情報収集で非常に悩んでいたこともあり、2011年に最初の学会を立ち上げられました。
我々もそのテーマである「データ解析」に取り組んでいましたので、学会立ち上げの情報がすぐに入り、学会を「一緒に盛り上げていこう」「情報を共有していこう」ということで賛同し、学会でNGSについてのプレゼンテーションの機会をいただくことができました。

地に足の着いた成長曲線が外部から評価されたポイント

やはり、研究を実直に進めてきた点を評価してもらったのだと思っています。この5~6年間自己資金だけで事業展開していましたが、やはりコツコツと研究の分野で実績と経験を積んできたのが良かった点の一つだと思います。
あとは、資金調達をする際、地に足の着いた成長速度をイメージしていました。大量の資金を調達して一気に爆発させていくというより、徐々に広げていこうと考えていたんです。
一般的なIT系ベンチャーのようなスピード感ではなく、ものづくりをしている研究系ベンチャーとして、地に足の着いた成長を描けたという点も評価してもらっていると思っています。

研究に理解のある会社から資金調達

研究をこれからも進めていきたいと考えているので、研究に対して理解のある方々と組みたいと考えていました。
これまでにも大手のベンチャーキャピタルと話すことがあったのですが、生命科学や医療の研究について理解していただくことが難しく、途中で話が止まってしまったり、後半で決裁がおりないことが多くありました。
 
しかし、今回のリアルテックファンドの場合、ユーグレナという東証一部上場の東大発ベンチャーがついていることもあり、生命科学研究に精通していた点が大きいです。
また、研究支援を長年続けているリバネスも一緒に相談に乗ってくださいました。我々が経験の少ない経営についてもアドバイスしてもらい、話がトントン拍子に進みました。

【よく読まれている記事】
おすすめの記事