グロービスでの学びとは?

資金で失敗しないための基礎を学べた

グロービスでの学びの中で1番起業に活きていると感じるのは、アカウンティング(会計学)ですね。
理系で研究畑にいたので、お金について全く勉強したことがありませんでした。学校ではお金については勉強できませんので。
起業して資金で失敗するという例を聞いていたので、まずは会計の基礎がわかった上で仕事に取り組めたのは良かったと思っています。

人との出会いが事業選定のきっかけ

起業する前後で、色々な方とお会いして自分ができることを探っていました。
その中の1つとして、システム開発をまずはやってみて、知り合いの研究者の方に見ていただきました。その時に「とてもいいね」と好評をいただけたことも、起業を
後押ししてくれた出来事の1つだと思います。
 
それとは別に、理化学研究所時代にお世話になった先生とバイオの展示会で偶然会いまして。起業したことを報告したところ、私の専門分野である遺伝子解析の調査業務を仕事としていただくことができたということから徐々に仕事が広がっていっていきました。

最先端で活躍する同世代からの刺激

研究者として刺激を受けた方は、京都大学のiPS細胞研究所の渡辺亮先生と東京大学の鈴木穣(ゆたか)先生です。
そういった、同世代でしかも最先端で活躍されている先生方からは、色々な意味で刺激をいただくことができました。
 
一方で、「経営者としての器を大きくする」という意味で言うと、コーチングをされている本多さんですね。弊社のアドバイザーという形で経営メンバーに入っていただいています。
アドバイザーの本多さんとの出会いは2011年にあり、そこでガラッと自分自身が変わった感覚があります。

手探りで怒られながら覚えていった創業時

1人で起業しましたので、最初は何もかもすべて1人でやらなければいけなかったことがとても大変でした。
人に任せる方法もわからなかったですし、営業のやり方もわからなかったですし、書類の作り方もわからなかったので、手探りでお客様から怒られながらできるようになっていったというのが、1番最初に苦労したところですね。
 
徐々に組織が大きくなっていくと、自分ができないことをお願いして人に活躍していただくわけですけれども、そのお願いの仕方がわからず、「どうやって人を巻き込んでいったらいいか」は今でも苦労しています。

研究を実務に活かしたい方へ

研究が世の中の役に立つかどうかは、携わっている本人は全く想像もつかないと思いますので、まずは自分がどんな研究をしているかを発信していただきたいと思います。
私が起業してここまで来る中で、自分の研究分野とは違う分野の方とお話をすることによってヒントをいただいて、ビジネスが拡大したことが多々ありました。
ですので、研究をされている方は、自分の研究分野以外の方とお話をしてヒントを得ることができれば、事業も広がるんじゃないかと思います。
 
研究に向いている人と向いていない人がいると思うんですけど、私は典型的に研究に向いていない人で。
研究は御存知の通り、狭い研究の世界を深く掘り下げないといけないと思うのですが、ビジネスの世界はむしろどうやって広げるかを考えるものです。
深掘りする方が好きか広げる方が好きかで、研究者向きかビジネス向きかがはっきりするんじゃないかと思っています。
深掘りする研究者向きでも、企業の研究所という道はもちろんありますが、起業するとなると、深く掘り下げるよりは広げる方が大事です。色々な人を巻き込む方が大事なんだろうなと思います。
 

(インタビュアー:菅野雄太、撮影者:高田梨菜)

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