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グロースハック-成長をハックする
「グロースハック」
この言葉もだいぶ広まってきたと思います。
最近は「○○ハック」や「○○をハックする」といった表現も増えてきました。
「ハックする」というのは、高い技術力を駆使してシステムを操ることを意味しています。
ライフハックは、技術や仕組みを使って生活をより快適なものにするためのテクニックです。
そして、グロースハック。
これは成長(グロース)をハックするという意味になります。
近年、スタートアップを中心に起業家界隈で使われるグロースハックという言葉。
今回は「グロースハック」に迫っていきたいと思います。
グロースハックとは-3つの特徴
グロースハックとは、ユーザーから製品やサービスに関する情報を得て、その情報を使って製品・サービスを改善していき、ビジネス的成功を目指す手法のことを指します。
グロースハックの特徴を3つ挙げるとするなら、①絶え間ない改善、②データに基づく施策、③無駄な費用をかけない、です。
① 絶え間ない改善
グロースハックでは製品・サービスの絶え間ない改善を目指します。
そのために「成長の仕組み」を商品の中に組み込もうとするのがグロースハックと従来のマーケティングの大きな違いといえるでしょう。商品自体が成長機会を創出するようにデザインするのです。
この特徴はサブスクリプション時代にも適したものだと判断できます。
サブスクリプションモデルにおいては商品が改善され続けなければ、顧客が他の商品に乗り換えてしまう危険性があります。その対抗策としてグロースハックが効果的なのです。
② データに基づく施策
グロースハックの2つ目の特徴は「データ収集」と「データに基づいた施策」です。
1つ目の特徴の説明で「成長の仕組み」を商品の中に組み込むと述べました。
その仕掛けの1つがこのデータ収集になります。
さまざまなデータを継続的に計測し、そのデータに基づいた施策を柔軟に打っていくのがグロースハックのスタイルです。
③ 無駄な費用をかけない
グロースハック第3の特徴も「成長の仕組み」を商品に組み込むことによって生じます。
例えば「他ユーザーへの推奨」の仕組みを商品に組み込んでおくことで、広告宣伝費が圧縮できるでしょう。
このように、グロースハックでは外部の無駄な費用をかけず、商品自体の持つ仕組みによって成長を目指します。
優れたグロースハック施策は収益の拡大に加え、費用の圧縮の面でも効果的なのです。
まさに2倍の利益をもたらすと言っていいでしょう。
グロースハック(ハッカー)に求められる資質とスキル
グロースハックを担当する人、その技術を持った人のことを「グロースハッカー」といいます。
グロースハックが盛んになってくるにつれ、当然彼らグロースハッカーの需要も増えてきます。
実際、「グロースハッカー」という職種で採用を実施している企業もあるようです。
グロースハッカー、なりたいですよね?
ではどのような人がグロースハッカーになれるのでしょうか?
またどのような技術が必要なのでしょうか?
ここではグロースハッカーに求められる「資質」と「スキル」を見ていきます。
グロースハックに必要な5つの資質
グロースハッカーにはABCDEの5つの資質が必要だと言われています。
順番に見ていきましょう。
Analyticity(分析的である)
グロースハックはデータに基づき、効果的な施策を継続して打っていくものです。
分析的な思考を持っていることがグロースハッカーとしての第一条件になります。
Broad Interest(広く興味を持つ)
グロースハックのためには社会やトレンドに目を向け、多様な視点を持ち、ユーザーのインサイトを見つける必要があります。
したがって幅広い好奇心を持つことがグロースハッカーの資質になるのです。
Creative(創造的である)
グロースハックでは従来のマーケティング手法にとらわれない創造性が重要になります。
またデザインなどの要素も入ってくるので、グロースハッカーはクリエイティブでなければならないのです。
Discipline(自分を律することができる)
グロースハックは一見派手で魅力的な仕事のようにも思えますが、実際には少しだけ文章やデザインを変えるなど、地味な仕事の積み重ねです。
このような仕事にも情熱を傾けられる人間でなければグロースハッカーにはなれません。
Empathy(共感的である)
グロースハックではユーザーへの共感がカギになります。
ユーザーが何を感じ、何を考えているのか。
共感的な人はグロースハッカーに向いているかもしれません。
グロースハックに必要な3つのスキル
① 情報収集・分析スキル
グロースハックの始まりは情報の収集と分析になります。
したがってグロースハッカーには情報収集・分析能力が求められます。
情報収集と分析をデジタルな手段(ツール)を用いて、効果的に実行できるか。
まずはこのスキルを身に付けましょう。
② 仮説構築スキル
得られたデータから有効な仮説を導き出すこと。
この仮説構築ができなければグロースハッカーはまともな施策を打つことができません。
仮説構築のためには、先ほど資質で挙げた創造性や共感などに加え、先行事例や人間工学などの知識面も求められるでしょう。
③ デジタル施策実行スキル
さらに施策をデジタル上で実行していくスキルも必要です。
このスキルに関しては、デザインからプログラミングまで幅広いものが想定されます。
したがってディレクションを役割とする場合もあるでしょう。
以上、グロースハッカーに求められる資質とスキルについて紹介しました。
自分と照らし合わせてみてください。
グロースハックとAARRR
グロースハックにはさまざまなテクニックやツールが存在しますが、そのなかでも特に有名なフレームワークが存在します。
それが「AARRRモデル(指標)」です。
AARRRモデルは、
①Acquisition(ユーザー獲得)
② Activation(利用の開始)
③ Retention(利用の継続)
④ Referral(他者へ紹介)
⑤ Revenue(収益の発生)
の五段階に分けて、ユーザーの行動をより詳細に把握しようという分析フレームワークになります。
詳しくは下の記事を読んでください。
グロースハッカーを目指すのであれば、最低限AARRRモデルくらいは理解しておきたいです。
グロースハックを武器にしよう
グロースハックはこれからますます企業に必要とされるでしょう。
起業家にはもちろん、企業の中でもグロースハッカーのポジションが増えてくると思います。
グロースハックに必要な資質とスキルを鍛えておくことで、どこでも戦えるビジネスパーソンになれるはずです。
新しいビジネスの世界で自由に戦いたい人は、グロースハックを武器として身に付けるのも1つの選択かもしれません。