2015年8月4日、自動車IoTのベンチャー企業であるグローバルモビリティサービス(GMS)は、SBIホールディングス株式会社の子会社で、ベンチャーキャピタルファンドの運用・管理を行うSBIインベストメント株式会社が運営する投資事業有限責任組合から3億円の資金調達を行った。調達した資金は、国内外でIoTプラットフォームサービス構築に使われる見込み。
ライターの視点
遠隔起動制御技術を強みとするGMSは、モビリティ普及に不可欠なサービスを提供している。今回の調達を機に、自動車の起動を制御することで、先ず与信審査が通らないBOP層の利用者に対しても車両提供を可能にする画期的なサービスを開始する。
このサービスは、金融機関と連携し自動車リースの与信審査を省略することで可能になった。今後は日本国内だけでなく、アジアにもサービスを展開していく。
出典:http://www.global-mobility-service.com
資金調達の決め手は、与信を必要としないサービスモデルにあるだろう。
世界で11億台の車両が登録されている一方で、銀行口座を保有できない成人は20億人存在している。特に経済発展の目覚ましい新興国では、多くのBOP層に属する方々は、銀行口座を保有できないために与信が得られないのが現状である。
GMSは、車両利用者が予め設定した利用料金を前払いで支払うだけで、与信がなくとも当社が提供するモビリティサービス(車両提供・保険付帯・保証など)の全てを利用できる仕組みを作り上げた。
これが、世界の人口の7割を占めるBOP層のニーズを掴んだのではないだろうか。
出典:https://farm3.static.flickr.com/2833/8784416710_5cd4b2753b_z.jpg?zz=1
また、GMSはMCCSという技術を車両に搭載することで、車両が盗難された際に利用者や保険会社が遠隔で停止させることができるシステムを開発している。これを使えば世界中どこからでも約1秒で車両は即座に停止し、車両の位置情報も正確に把握できるため、盗難の多い地域においても確実に盗難防止が可能になる。
出典:http://www.global-mobility-service.com
GMSが現地法人を設立したフィリピンにおいては、同国最大の通信キャリアや入金センターや電力グループ等と既に提携している。
現地リース会社とも連携してBOP層の方々へ車両を提供するサービスを構築し、2015年秋よりサービスを提供するようだ。
今後の展開からも目が離せない。
会社概要
Global Mobility Service株式会社は、独自開発した世界最高レベルのMCCS技術を基に、様々なプラットホームサービスを実現していくことを目的にしている。社会が求める低炭素型社会の実現に不可欠な、今までの常識を覆す画期的な取り組みは、私たちを求める国や地域から順次サービスを提供していく。
設立は2013年、本社は東京都中央区にあり、代表取締役は中島徳至氏である。
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