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”ロングテール戦略” 売れないものが「売れる」逆転のマーケティングとは?

”ロングテール” 逆転のマーケティング


小売業やECサイト運営など、様々なマーケティング戦略の下で、多くの企業がヒット商品を生み出すべくしのぎを削っています。

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出典:www.mycity-web.com

その全く逆をついたのが、“ロングテール戦略”と呼ばれるマーケティング戦略です。ニッチな商品を多く取り揃えることでヒット商品にも劣らない利益を生み出す戦略です。自分の欲しいものを知る消費者にとっても嬉しい、消費者目線からのマーケティング手法なのではないでしょうか。

今回はそんなロングテール戦略についてご紹介します。

ロングテールとは?


ロングテールとは、ニッチであまり販売されていない商品を多様に揃えることによって、全体の売り上げを上げて行戦略です。
このような商品は1つあたりの売上利益が少ないため、主にインターネット経由で販売されています。

この用語は、2006年にアメリカの「Wired」誌の編集長だったクリス・アンダーソン氏によって提唱されました。

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出典:www.wired.com

Amazon はロングテール戦略成功の典型的なビジネスモデルだと考えられており、実際Amazonの売上の半数以上は販売部数ランキング40,000位~2,300,000位の商品で支えられています。
Amazonは人気商品だけでなくニッチだとされてきた一見採算が合わない商品ラインナップを揃えることで成功しているのです。

ロングテールと「パレートの法則」との違いは?


パレート法則とは、1897年イタリアの社会・経済学者ヴィルフレッド・パレート氏によって発見された法則です。
全体の売り上げの大部分は、たった一部のヒット商品が生み出しているという考え方で、ばらつきの法則とも呼ばれています。

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編集部作成

一方、ロングテールはグラフの右側、線がなだらかになっている部分です。

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編集部作成

これまでの実店舗型の小売業の場合、売り場面積やバックヤードに広さの制限がありました。そのため、滅多に売れない商品をストックしておくことは不良在庫の増加や「売れる」商品に割く面積の減少につながります。
実店舗を運営し続けるには、その店舗が立地する商圏で確実に売れる、在庫回転率の高い商品しか置くことができませんでした。

しかし、Amazonや楽天市場などのECマーケットが普及した現在では、市場は広いネット上にどこまでも広がっています。当然、市場が広いということはそのぶん競合も増えます。そうなると、生き残りをかけて他との差別化が必須となります。

その差別化の1つの手段として「他の店には売っていない商品を豊富に揃える」という戦略があります。幸い、実店舗では年に1回くらいしか売れないような商品でも、多種多様な人が集まるネットの世界には、その商品を求める人が少なからず存在するのです。

そんなニッチな製品を、ニッチな需要を持つ消費者に対して提供する。商品1種類あたりの売上数は少なくとも、すべての商品のトータルで勝負をする。これが、ロングテールな戦略なのです。

ロングテールの覇者・Amazon


ロングテールな戦略で成功した代表例が、Amazonです。

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出典:amazonpickingchallenge.org

みなさんご存知の通り、Amazonには実店舗はありません。その代わり、インターネット上で世界中に広がっている、よく作りこまれたwebサイトやAmazonアプリ、そして巨大な物流センターがあります。

この巨大物流センターの中に、1億を超えるとされる種類の商品をストックしています。この中には、よく知られた有名ブランドの日用品から、誰が使うのか予想もつかない謎の物体まで、あらゆる商品がストックされています。

 

では、書籍を例にAmazonのロングテール戦略を見てみましょう。
物流センターには、
A 有名作家の小説1種類と、
B 知る人ぞ知る作家の小説100種類
がストックされているとします。

小説の場合、一般的に1万冊売れたらヒットと言われています。今回は、Amazonからの売り上げだけで半分の5000冊を目指すとしましょう。

Aは、Amazonの巨大な顧客ネットワークを使えば、おそらく容易に5000冊を売り上げることでしょう。

問題はBです。
Bは、一般的な実店舗の書店ではきっと、あまりにも売れないために扱うことが難しいでしょう。しかし、Amazon上で全世界から年間50冊ずつ注文が来たとすれば、50冊×100種類=5000冊の売り上げとなります。

1種類あたりの販売数は限られていても、100種類のトータルで見れば、Aと遜色ない販売数となります。

このように、世界中に広がる商圏と、膨大な品揃えによるスケールメリットを生かして巨額の売り上げを生み出すのが、Amazonのロングテール戦略なのです。

ロングテール戦略で、気をつけないといけないこと


では、Amazonに倣ってロングテール戦略を導入すればよいのかというと、そうではありません。

ECサイトのようなwebを媒介とした場合でも、Amazon並みの多種多様な商品数を揃えることができなければ意味がありません。

ロングテール商品を取り扱ったところで、もしもわずかしか在庫数が確保できなければ、例えヒット商品が生まれても、せっかくのチャンスがゼロになってしまうでしょう。逆に不要な在庫を抱えすぎるか、在庫切れへの対応に余計な手間が増えてしまうだけになってしまいます。

また、ロングテール戦略に限らず、「必ず成功につながる魔法のような戦略は存在しない」ということも頭の片隅に置いておく必要があります。様々なマーケティング戦略をやってこそそれらが活きる時もあるでしょうし、たった一つの考え方をのみに囚われることは危険です。

市場の動きを絶えず観察し、自社の強みを分析し、顧客のニーズを研究する、そんな日々の地味な努力を続けることが何よりも大切なのではないでしょうか。