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助成金とは
助成金は、主に雇用関係・労働環境の支援をするために用意されている制度です。
厚生労働省が担当しています。
この記事では、助成金と混同されがちな「補助金」との違いを押さえながら、
ここでは、まず助成金のコンセプトを押さえておきましょう。
助成金というのは労働環境をよくするために用意された制度です。
人々の労働環境を良くすることは国にとっても大事なことであり、当然ながら企業も大事にすべきことでしょう。
しかし、現実にはコストもかかる大変なことです。
そんなコストがかかる大変なことに取り組んでもらうにはどうすればいいでしょうか?
「ニンジン」をぶら下げるのです。
テスト勉強を頑張った子供にケーキをプレゼントするのと同じです。
助成金は、労働環境の改善に努め、要件を満たした企業に交付されます。
助成金は、より良い労働環境をつくるために用意された報奨金なのです。
助成金と補助金の違い
では助成金は「補助金」とどう違うのでしょうか?
助成金は、厚生労働省が担当し、「雇用・労働環境の改善」のために支給されるものでした。報奨金的な性質を持っているため、要件を満たすことができれば高い確率で受給することができます。
一方の補助金。
担当は経済産業省です。
そのことからも分かる通り主な目的は「経済や地域の活性化」です。政策目的達成のための支援金といった性質を持ちます。
補助金は助成金とは違い、審査によって受給できるかが決まります。報奨金ではなく、受給できる枠数が決まった支援金なのです。
またこの両者は受給までにかかる期間も違ってきます。
一般に助成金の受給には1年~1年半かかるのに対し、補助金は数週間から1ヶ月程度で受給できます。
助成金の種類
一口に助成金と言っても多くの種類があります。
それぞれ受給できる条件も変わるので、各要件をしっかりと確認することが重要です。
現在、どのような助成金が用意されているかは、厚生労働省のホームページから確認するようにしましょう。
ここでは、いくつか代表的な助成金の種類について紹介します。
まず助成金は大きく2種類に分かれています。
「雇用関係助成金」と「労働条件等関係助成金」です。
「雇用関係助成金」は、その名の通り雇用に関する助成金になります。
いくつか見てみましょう。
障害者雇用安定助成金
障害者の方を雇用する上での柔軟な働き方の導入や、その人への支援を助けるための助成金です。
パターンごとにさまざまな助成金があります。
両立支援等助成金
仕事と家庭を両立するために用意されている助成金です。
男性の育休や介護休業、事業所内の保育施設などに対して支援金が給付されます。
人材開発支援助成金
人材開発に関する助成金です。
OJTやOff-JT、生産性を上げるための研修、教育訓練休暇などに対してそれぞれ支援金がつきます。
見落としがちな助成金かもしれません。
つづけて「労働条件等関係助成金」は、労働条件の改善に関する助成金になります。
こちらについても見てみましょう。
時間外労働等改善助成金
時間外労働を減らすための助成金です。
制度構築や意識改革のためのコンサルティング、テレワークの導入などに対して給付されます。
受動喫煙防止対策助成金
労働者の健康を守るための助成金の一つです。
受動喫煙防止に効果的な施策に対して支援金が給付されます。
産業保健関係助成金
産業保健に関する助成金です。
産業医との契約やストレスチェック、専門家による環境改善などに支援金が付きます。
他にもさまざまな助成金が存在します。
厚生労働省のページから見ることができるので、利用できる助成金がないか、一度確認してみてください。
助成金の申請方法
最後に助成金の申請の流れを見てみましょう。
- 利用できる助成金を探す
- 実施計画を申請する
- 実施計画を実施する
- 助成金を申請する
- 要件を満たしていれば支給される
以上が助成金受給までの流れになります。
それぞれの助成金の要件を満たすための計画を申請し、実施した上で要件を満たすことができれば晴れて助成金を受給することができます。
この流れに約1年~1年半かかるのです。
助成金と社会保険労務士
この面倒な助成金申請。
基本的には各担当部署に問い合わせながら進めていきますが、代行を依頼することができます。
唯一、助成金の申請代行を国に許された人々。
それが「社会保険労務士」です。
助成金が欲しいけど手続きが難しすぎて不安だという人は、社会保険労務士の方に相談してみましょう。
助成金を上手く利用しよう
助成金が受給できる要件を満たすことは、従業員のためになります。
助成金は要件を満たすことができれば、ほぼ確実に受給することができる支援制度です。
手堅くお金を受け取って、従業員も経営者も楽になるような経営を目指しましょう。