フィンテックが発展したのはリーマンショックのお陰?
ネットショッピングが日常生活に欠かせないものになりつつある現在、売る側星の数ほど増えています。
少し前まではネットショップを開設する事業主に取って、決済方法を確保するのが大きな課題でした。ネットショッピングでの決済は約7割がクレジットカード決済と言われていますが、以前はクレジットカード会社と個別に契約を結んで使用するのが一般的でした。
個人事業主にとってクレジットカード会社の審査は、なかなかハードルが高いものです。
しかし最近ではフィンテックの発達と共に、比較的簡単に利用者が要望する決済を使用することが可能になり、ネットショップの発展に大きく貢献しています。先駆者ペイパルを初め、現在では楽天スマートペイやApple Payなど多彩なオンライン決済サービスが存在しています。
全世界的にスマートフォンが普及したことや、リーマンショックで優秀な金融マンがIT産業へ流入したことが、最近のフィンテックの発展に大きく寄与したと言われています。そのフィンテックを存分に駆使し、注目を集めているオンライン決済サービスがあります。今回はSTRIPE社をご紹介いたします。
数あるオンライン決済の中で群を抜く使い勝手の良さ
出典:stripe.com
オンライン決済サービスの数は年々増え続け、企業間の競争も激しくなります。例えば海外から大手オンライン決済サービスが日本に上陸すると、既存企業は手数料などを下げて対抗します。
しかしSTRIPE社のオンライン決済サービスは、その機能に大きな特色があり、機能性で勝負が出来ると言われています。STRIPE社のサービスは、ウェブサイトやモバイルサイトに簡単なコードを書き込むことで、クレジットカードなどを決済する機能を埋め込むことが出来ます。
さらに決済アカウントを即時発行出来たり、130以上の通貨に対応している点が世界中のユーザーに受け入れられた理由です。勿論、世界中で使用されている主要クレジットカードやデビッドカードが使用可能で、ユーザーを選ばないことも利点の1つです。
例えばペイパルのオンライン決済システムは、決済する際にペイパルのサイトに移って決済をする必要があります。しかしSTRIPE社のツールを使えば、自社のウェブサイトで決済を行うことが可能です。
スマートフォンの普及でオンライン決済も増加しましたが、STRIPE社の簡単なツールは操作性を求められるスマートフォンにはマッチしています。この結果、STRIPE社のサービスは飛躍的広がりました。
アイルランド出身の兄弟が起業
出典:alchetron.com
サンフランシスコに本拠を構えるSTRIPE社は、アイルランド出身のPatrickとJohnのCollison兄弟が2011年に起業しました。
Collison兄弟は渡米前の2007年、地元アイルランドでShuppaという会社を起業します。その会社を他の企業と合併させた後、Collison兄弟はシリコンバレーに移り住みます。
STRIPE社の創業は正式には2011年となっていますが、実際の活動は2010年頃から開始していたとCollison兄弟は説明します。使い勝手の良いオンライン決済サービスを提供するSTRIPE社は、投資家の注目を集めます。
2011年には 有力ベンチャーキャピタルのSequoia CapitalやAndreessen Horowitzなどから資金を集めます。ペイパルの共同創業者でフェイスブックに最初に投資をしたと言われている Peter Thiel 氏、テスラ創業者のElon Musk氏もSTRIPE社へ投資をしています。
世界有数のユニコーン企業に登りつめる
出典:stripe.com
そのサービスの利便性から、STRIPE社のサービスは次々と有力企業に採用されます。アディダス、BUYMA、SAP、ライドシェアの大手LYFTなどが顧客として名を連ねています。
最近では、中国の大手オンライン決済会社Alipayと提携したり、Bitcoin決済に対応したりと、次の一手にも着手しています。
市場からも注目を集めるSTRIPE社は、その企業価値も急上昇しています。2016年には企業価値が90億ドル(約1兆円)までに達し、ユニコーン企業(企業としての評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業)では世界有数の資産価値を誇るまでに成長します。
ユーザーの利便性で勝負するSTRIPE社の今後に注目です。