シェールガス革命によって注目されるフラックサンド
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19世紀半ば以降、石油の大量採掘が可能になったことが、人類の発展に大きく寄与したことは間違いありません。
石油が今日までにエネルギーの中心となった理由は、比較的簡単に採掘できた点と、液体ゆえに採掘後の運搬やハンドリングが安易だった点が挙げられます。
エネルギー資源を開発する場合、必ず焦点となるのが採掘コストと輸送コストです。採掘条件が悪い場所に優良な資源が眠っていても、採算が取れない場合、その資源を採掘するものは皆無です。
資源の価格は相場によって決まり、乱高下を繰り返してきました。しかし21世紀に入り、新興国の台頭で資源価格は右肩上がりになります。
石油価格の高騰を受け、採掘コストが高く今まで見向きもされなかったシェールガスやオイルサンドが注目を集めます。資源価格の高騰以外にもシェールガスを採掘するための技術が向上したことが、ブームを巻き起こした一因でした。
その技術向上に一躍を担うものにフラックサンドというものがあります。そのフラックサンドを扱うSmart Sand社が、Nasdaqに上場を果たしました。今回はSmart Sand社について、ご紹介します。
Smart Sand社の強み
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フラックサンドを簡単に説明すると、砂をフェノール樹脂でコーティングしたものです。使用される砂は高純度の砂岩で、特定地域で産出されるものを使用します。
フラックサンドは、シェールガス掘削時に充填材(穴や隙間に詰め込んで埋める材料)として使用されます。フラックサンドの使用方法は、堀削したシェール層の割れ目にフラックサンドを充填し、地中の熱でフェノールが硬化され砂と砂の隙間が構造強化されます。
天然ガスや原油採掘現場でも使用されていますが、フラックサンドはその特性からシェールガスの採掘に大いに力を発揮します。
このため原油価格が高騰し、シェールガスの採掘が活発に行われていた時には、フラックサンドの需要も高まりました。しかし、昨今の原油価格の落ち込みに比例し、フロックサンドの取引も一時の勢いは見られない状況です。
そのような環境下、9月にNasdaqに上場したのがSmart Sand社でした。Smart Sand社は、同社はテキサス州に本拠を構えています。
しかし同社が保有するフラックサンドの採掘場は、良質の砂岩が眠っているウィスコンシン州にあります。現在、年間330万トンの出荷を誇る同採掘場は豊富な埋蔵量が確認されており、年間900万トンまで生産を拡張できるとSmart Sand社は豪語しています。
そして同採掘場のもう一つの特徴が、Class 1(運営組織の収入規模が一番大きいクラス)のカテゴリーに属する鉄道レールに隣接している点です。前述したとおり、資源ビジネスは輸送コストの高低が大きく収益に影響しますが、同採掘場は大きなアドバンテージを持っています。
逆風が吹く中でのNasdaq上場
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経営陣もベテラン揃いで、Smart Sand社の前身の会社を起業したCharles E. Young CEOは、20年以上も様々な会社の経営陣に名を連ねており、エネルギー産業やハイテク産業で経営の指揮を執っていました。
その他にも経験豊富な布陣で経営を固めたSmart Sand社は、今年Nasdaqに上場を果たします。
Smart Sand社は、
①良質な砂岩
②運送しやすいロケーション
③経験豊富な経営陣
が揃っていることが強みです。
一時の石油価格の低迷は脱したものの、石油価格はピーク時に比べると低迷しています。そのような状況下でも、Smart Sand社は1億ドル(約100億円)を超える規模のIPOを実施しています。
Smart Sand社の今後の飛躍に期待です。