5月25日、GLM株式会社は、既存株主である東京大学エッジキャピタルや三菱UFJキャピタルを中心に、サウジアラビア政府系ファンド・台湾政府系ファンド・国内ベンチャーキャピタル・国内大手事業会社から約8億円の資金調達を実施した。調達した資金は、事業内容の拡充と海外進出に使われる見込み。
ライターの視点
GLMは、持続可能な「カーボンゼロ社会」「循環型社会」の実現を目指した京都大学発の電気自動車の開発・販売プロジェクトを発端としている。
大手自動車メーカー出身者、自動車部品メーカー出身者、少量生産メーカー出身者、レーシングカーチーム出身者らが中心となり、最先端の自動車開発を進めている。
また京都を中心とする世界的に有名なエレクトロニクスメーカーや、国内大手自動車部品メーカーともアライアンスを結び、独自のエコシステムを築いているようだ。
今回の資金調達の決め手は、GMLの「革新的ビジネスモデル」と、それを実現できるだけの「技術力」を持っていることにあると考える。その2点が揃っているからこそ国外からも高く評価されたのだろう。
GLMが起こすイノベーションとは、車の多品種少量生産を実現するGLM「KYOTO生産方式」により、メーカーが決めていた自動車のデザインや仕様を消費者が決める時代にすることである。
「KYOTO生産方式」では、車体がモジュール構造化したプラットフォームで剛性・強度等すべての性能を完結させる合理的構造を可能にした。
そうすると、車の外装に必要な高価な「金型と溶接」を安価な「樹脂素材」で製作できるのだそうだ。
これにより、一つのプラットフォームに対して多くのデザインモデルを安価にラインナップする事が実現されるのである。
GLMが環境都市KYOTOから世界にわくわくさせる商品を発信するにあたり、2014年8月からは国内初量産EVスポーツカー「トミーカイラZZ」の納車を開始。欧州・アジアでも展開を進めている。
今回調達した資金は、①国内での完成車(トミーカイラZZ)の販売・アフターサポート体制の拡充②トミーカイラZZの左ハンドル化と海外販売の加速③シャーシプラットフォーム事業の推進 ④国内事業会社とのアライアンス強化に使われるようだ。
フォードの一車種大量生産による「フォード生産方式」、そしてゼネラルモータースの多品種大量生産による「スローン方式」というように、自動車は大量生産による価格下落により、多くの消費者の手の届くものになった。
そして、多品種化により、消費者は自動車メーカーが展開する商品から選択する自由を与えられている。
将来は、「作られた車」ではなく、「自分のデザインした車」に乗る時代が来るのかもしれない。
会社概要
GLM株式会社は、持続可能な「カーボンゼロ社会」「循環型社会」の実現を目指した、京都大学発の電気自動車の開発・販売プロジェクトを発端としている。環境対応自動車の早期普及を目的とし、複数の提携企業の協力のもと、ファブレスモデルによる市販車の開発製造を行う。
設立は2010年、本社は京都府京都市にあり、代表取締役は小間裕康氏である。
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