2年で赤字を脱却できた要因とは?

経営というものを知って、印象が変わった


父は家庭内に仕事の話を持ち込まなかったので、なかなか家業のイメージができず、仕事して生計を立てていくというイメージしかありませんでした。
30名それぞれの人の想いを毎日のように目まぐるしく考えなければいけなかったりして、頭の中は忙しくしている毎日なのに、それを一切口に出さずに過ごしていた父はすごいと思いました。経営というものを知って、すごく印象は変わりました。

業界では異例の女性経営者


やはり女性というのは業界からするととても異例でして、当初は取引先も従業員も戸惑ったことだろうと思います。
会社の財務状況があまり良くない中で将来への不安を持つ社員もいたので、所信表明の際には「よく決断してくれた」と賛同して拍手を送ってくださる方もいて、社員には認めていただけました。しかし、対外的にはお客さんの戸惑いや、その場面に私を連れていく社員の心情はきっと穏やかじゃなかっただろうと思います。

社内改革が最初の試練


財務状況が良くなかったので、社内改革をすぐにでも始めなければならない状況でした。これはまず最初の試練だったと思います。
具体的には、前代未聞の賞与カットをさせてもらったり、抱えていた不採算部門を人以外のものを全部削ぐ決断をしました。あとは70歳以上の方への退職勧告を出したり、トップとして決断しなくてはいけないことをしてきましたが、それらは勇気のいる決断でした
この決断は、初めて父ではなく自分の本心で決めることができていました。それから、経営の基盤に立ち、社員の心情も含めて継続していこうという覚悟が決まってきたと思います。

決断する理由を1人1人に説明


全部は残せないと思いましたが、あまり人間関係や信頼関係ができていない社員に、嫌なことは言いたくありませんでした。
どこまでなら信用してついてきてくれるかというところと、今この決断をしなければどうなるのかというところを、事細かく1人1人に説明していって、最後の落とし所を決めました。

「社員と共にこの会社を一緒に預かったんだ」


父の経営が悪化した原因は、良くも悪くも「社員は家族だ」と考えているところでした。
経営に関わらず賞与を出し続けて、当然業績が悪い時には資金がなくなって、それを借り入れで賄ってきたものが近年膨らんできていたということがあります。
それ良いか悪いかは別として、「社員と共にこの会社を一緒に預かったんだ」という想いは強かったです。
 
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