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ファシリテーション、できていますか?
1時間で済ませるはずだった打ち合わせが、ふたを開けてみたら2時間に長引き、何の結論も出ないままに終わってしまった…。そんな経験はありませんか?
会議の進め方って難しいですよね。
こうした心当たりのある方にこそ取り入れていただきたいのが「ファシリテーション」です。
今回の記事では「ファシリテーションの意味と役割」「良いファシリテーターの特徴」「ファシリテーションのやり方」を紹介していきます。
ファシリテーションとは?
出典:noticias.universia.com.br
そもそもファシリテーションとは一体何なのでしょうか?
ファシリテーションとは、複数の人が集まって行う活動がスムーズに、かつ効率よく進められるようにサポートすることです。
ビジネスの場におけるファシリテーションは、会議やプロジェクトを進行するにあたって、参加者全員の発言をうながしたり、出された意見を簡潔にまとめたりしながら、中立的な視点に立って目標達成を目指すスキルのことを指します。
こうしてファシリテーションを行う人は、ファシリテーターと呼ばれます。
ファシリテーションという言葉がビジネスシーンで用いられるようになったのは、1960~70年代頃のアメリカが始まりだとされています。
21世紀を迎え、新しいビジネスの形を必要とする風潮が勢いを増すにつれ、ファシリテーションが世界中で脚光を浴びるようになりました。
グローバル化が進んだ現代では、様々な価値観を持つ人同士が協働していかなければなりません。
こうした時代において、上手に場を盛り上げ、みんなの意見をまとめていく上で欠かせないのがファシリテーションだと言えるでしょう。
ファシリテーションの4つの役割
あらためてファシリテーションの役割を明確にしておきましょう。
一般にその役割は4つあると言われています。
「場のデザイン」「意見の引き出し」「意見の整理」「合意形成」の4つです。
ファシリテーションの役割① 場のデザイン
好き勝手に話し合っていても良い会議はできず、当然ながら良いアウトプットも出ません。
そこでファシリテーションにまず求められるのが場のデザインです。
目的やチームメンバーに合わせて、議論の進め方や場所・時間の設定などを行う必要があります。
ファシリテーションの役割② 意見の引き出し
会議の場で上手く話せない人がいます。よく話せるけど、他の人の意見を封じ込めてしまう人もいます。
それではチームで議論している魅力が半減です。
ファシリテーションには、チームメンバーそれぞれが良質な意見を出せるような雰囲気づくりの役割もあります。質問や傾聴などを上手く使って意見の出しやすい雰囲気をつくりましょう。
ファシリテーションの役割③ 意見の整理
議論ではさまざまな意見が出ます。
しかし散らかったままの意見では本来の価値が発揮できません。整理しなければならないのです。
このような意見の整理もファシリテーションの役割になります。
ファシリテーションの役割④ 合意形成
議論の最後には何らかのアウトプットが求められます。
そのときに重要なのが合意の形成。
その時点のチームとして、一つのまとまったアウトプットが必要です。
その合意形成を上手くすすめるのもファシリテーションの役割になります。
ファシリテーションが上手な人の3つの特徴
出典:vokka.jp
上手にファシリテーションを行う人には、いくつかの特徴があります。
その中から、初めてファシリテーションを行う人でもすぐに真似できそうなものを3つご紹介します。
ファシリテーターの特徴①どんな意見にも関心を向ける
上手にファシリテーションを行うためには、まず、その場にいるメンバー全員に当事者意識を持たせる必要があります。
全員が「自分はこの場に欠かせない人間だ」と思い、自然と発言したくなるような空気を生み出しておくことが重要です。
そのためには、ファシリテーターは”最高の聴き役”になることが求められます。
誰のどのような意見も肯定的に受け止め、「この人ならどんな話も聞いてくれる」と感じてもらうことで、たくさんの意見を引き出すことができるのです。
ファシリテーターの特徴②つねに目的や論点を意識する
出典:www.girlschase.com
ファシリテーターを設ける場には、必ず目指すべきゴールがあります。そのゴールへと着実に近づけていくのがファシリテーターの役目です。
そのため、場に出される意見がゴールに向かうためのものか否か、冷静に見極める必要があります。
一歩引いた視点から全体を俯瞰し、「今は何について話し合っているのか」「この議論の先で求められている目的は何か」を見失わずにいることで、話が横道にそれてしまいそうな時には軌道修正をするなどし、効率よく活動を進めることが重要です。
ファシリテーターの特徴③メンバー全員の様子に気を配る
出典:bookboon.com
スムーズに活動を進めるためには、その場にいるメンバー全員の認識にズレがなく、決定事項に納得感を持っていることが不可欠です。
メンバーのうち1人でも理解できていなかったり納得していなかったりすると、最後の最後で「待った」がかかってしまい、それまでの話し合いが白紙に戻ってしまいかねません。
こうした事態を防ぐのも、ファシリテーターの務めです。
ファシリテーションが上手い人は、出された意見は都度復唱するなどして意識的に共有しつつ、不服そうな顔をしている人や困ったように首をかしげている人がいないか、つねにメンバーの反応に目を光らせています。
こうすることで、発言が少ない人にもいち早く気づき、フォローを入れられるようになるのです。ファシリテーションを行う上で、みんなの意思を確認するために欠かすことのできないポイントです。
ファシリテーションの5ステップ
出典:blog.gettinghired.com
それでは、実際にファシリテーションを行う際、どのようなステップを踏めばよいのかを見ていきましょう。
ファシリテーションのステップ①雰囲気づくり
まずは、その場にいるメンバー全員が発言しやすくなるような雰囲気をつくっていきます。
議題は一旦横に置いておき、ファシリテーターが何気ない話題を提示することで、みんなの意識を話し合いの場に集中させます。
全員に一言ずつ話してもらったり、しりとりなどの簡単なゲームを行ったりするのもよいでしょう。
メンバーの気持ちがほぐれたら、この場が目指す目的と、発言におけるルール(発言者が話し終えるまで口を挟まない、少なくとも一度は意見を出すなど)を設けて共有しておきます。
ファシリテーションのステップ②意見出し
出典:www.debonoconsulting.com
発言しやすい雰囲気が整ったところで、いよいよ本題に関する意見を募っていきます。「拡散プロセス」とも呼ばれる段階です。
ファシリテーターは、出された意見をオウム返しすることで「あなたの話を聞いていますよ」という態度を示して発言者を安心させたり、それまでに出た意見とは反対の立場やより広い枠組みなどを提示することで違った観点からの意見をうながしたりしながら、より多くの発言を引き出していきます。
出された意見をホワイトボードなどに書きとめていくことも、ファシリテーターの役目です。
ファシリテーションのステップ③整理
出典:www.channeldynamics.com.au
ステップ②で出された意見を整理していきます。「収束プロセス」とも呼ばれる段階です。
ファシリテーターは、出された意見同士の共通項を探っていく方向にメンバーの意識を向けさせ、それぞれの発言を共通項ごとに分類していきます。
すべての発言を分類し終えたら、ファシリテーターは分類結果が適切かどうかメンバーに問いかけ、全員が納得していることを確認します。
もし、ここで納得できていないメンバーがいれば、見過ごすことなく納得できるまで話を詰めていきます。
ファシリテーションのステップ④判断
出典:cheersys.com
ステップ③で整理した内容をもとに、最終的な判断を行っていきます。
ここで重要なのは、ファシリテーターが明確な判断基準を提示することです。
「最もメリットが大きく、最もメリットが少ないもの」「費用対効果が最も大きいもの」など、全員が納得できるような判断基準をもとに、望ましい結論を導き出していきます。
ファシリテーションのステップ⑤確認
出典:laforceteamwork.com
最後に、ステップ④で出された結論に全員が納得しているかどうか、改めて確認をします。
その上で、出された結論を実行していくための具体的な行動を決めていきます。
「誰が」「何を」「いつ」行うか、という観点をもとに、きちんと成果が出るような行動計画を立てて初めてファシリテーションは完結します。
ファシリテーションのスキルを磨こう
いかがでしたか?
ファシリテーションは仕事の効率を段違いに向上させるスキルです。
ぜひ、ファシリテーションスキルを磨き、日頃の仕事に活かしてみてください。
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