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インキュベーターとは?
近年、ベンチャー界隈では「インキュベーター」という言葉をよく耳にします。
インキュベーターとは、もともと「生まれたばかりの乳児を育てる保育器」という意味の言葉で、起業家や起業家の卵たちを支援する人たちのことを言います。
今回は、その「インキュベーター」について、アクセラレーターとの違いや、具体的にどのようなことをやっているのかをまとめました。
アクセラレーターとインキュベーターの違いは?
出典:http://www.georgianaradulescu.com
アクセラレーターもインキュベーターも起業家に早い段階から良い機会を提供しますが、役割はそれぞれ異なっています。
アクセラレーターは既にある企業の成長を「加速する」という名の通り、期間限定(3~6ヶ月)でベンチャー企業の成長を一気に加速させる人たちのことです。
最もよく知られているアクセラレーターに、Y Combinatorがあげられます。
Y Combinatorのプログラムは大変難関で、応募者のうち2%しか合格出来ないそうです。
対してインキュベーターは、ビジネスモデルや会社を構築することを目的として革新的なアイデアを生み出す(インキュベート)ことに注力し、イノベーションに重点を当てています。
具体的には、インキュベーターは起業家に対し、オフィスの貸出や経営アドバイス、事務・経理・リクルーティングなど多岐にわたって支援します。
具体的なインキュベーション施設
出典:http://www.idgconnect.com
日本にも素晴らしいインキュベーション施設が用意されています。
例えば、東京都中野区にある東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)はアニメ、映画、ゲーム等コンテンツ分野のベンチャー企業を対象とした施設です。
場所の貸出だけでなく常駐支援スタッフがおり、フォローしてくれます。
また、大阪には大阪市のデジタルメディア産業の振興と育成を目的とした共同利用型インキュベータ施設であるソフト産業プラザ・イメディオがあります。
さらに、産学連携の一環として大学発のインキュベーション施設もあります。
村上太一氏率いる株式会社リブセンスは、早稲田大学インキュベーション施設出身です。
村上氏は大学1年の時、学内のビジネスコンテストで優勝しインキュベーション施設に入居したそうです。
インキュベーション施設のメリット・デメリット
出典:http://macrobistyle.com/melit/
インキュベーション施設は起業される方に、企業に必要なあらゆるサポートをする場です。
安価でオフィススペースを借りることが出来ます。
特に最大のメリットとも言えるのは、インキュベーションマネージャー(IM)の支援を受けることができる点です。
インキュベーションマネージャーは、起業間もない起業家に対して「経営計画のアドバイス」や「経営のノウハウ」、人やハード面の紹介その他あらゆる範囲での相談に乗ってくれます。
この支援が受けられるというのは、起業して不安な起業家たちにとっては非常に心強いものとなるのではないでしょうか。
一方で、インキュベーション施設のデメリットは、基本的にレンタルオフィスになるため自由にスペースを使えないということが有ります。
賃貸オフィスならコストをかければ間仕切りを自由にできますがレンタルオフィスは間仕切りを変更できません。そのほかにも、設備も自由に選ぶことができません。
もう少し高速な回線がほしいと思っても、回線は最初から設置されているものを使わざるを得ないのです。
注意すべき点
出典:http://blog.abacus.com
インキュベーション施設は各地の公的機関や大学によって数多くの施設が設置されてきましたが、ほとんどが所期の成果を上げられていないのが現状です。
その原因として、行政の運営するインキュベーションだと地域活性化が最終的な目標であるのに対し、施設の入居者である起業家は事業の発展を目標とするため、起業家を支援するインキュベーションマネージャーは両者の板挟みとなってしまうということが挙げられます。
また、実際に十分な企業支援を行うことが出来ず、単なる貸しオフィスとなっているインキュベーション施設も数多くあります。
インキュベーションについて正しい認識・活用を
いかがでしたか?起業家にとっては心強い存在であると同時に、課題もあるインキュベーション施設。
各施設ごとの特性も多岐にわたるので、自分の行いたい事業に最もマッチしているインキュベーション施設を選定してビジネスを進めていく必要がありそうです。