【世界初】スイスで自動走行バスの公共機関での使用が可能に。フランス企業が生んだ自動走行バス「ARMA」とは

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最近では、日本でも自動走行の自動車のCMが目立つようになり、「自動化」の時代の訪れもすぐそこまで迫っています。
そんな中、スイスのヴァレー州シオンにおいて、来春世界で初めて自動運転車が公共交通機関で使用されることが決定しました。
世界が注目する、その自動走行バスとは一体どのようなもので、これからどのようになっていくのでしょうか。

自動走行バス「ARMA」とは?

「ARMA」と呼ばれる2台の自動走行バスが、来春、約3万3,000人が住むシオンという街の限られたエリアで運行される予定となっています。
「ARMA」はフランス企業のNAVYAが開発した自動走行バスで、最大乗車人数は15人、手動操作も遠隔操作も不可能という、自動走行車の最高レベル「カテゴリー5」に分類されています。
レベル1〜4の分類概要に関しては、下図のようになっています。

出典:http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150403/279589/066hyo.jpg
「ARMA」では、何か問題が起こった際は、遠隔ステーションのモニターからARMAのナビゲーションに新しい指示が送られ、バスは自動でそのまま走行し続けることができるといいます。
ARMAは完全な電気自動車で、ワイヤレス充電が可能であり、使用状況にもよりますが最長で24時間走行できるといいます。
また、現在利用可能なあらゆる種類のセンサーが搭載されており、ステレオ・カメラやLIDAR(レーザーによって物体の位置、距離、形状を特定するシステム)、赤外線センサー、GPSなどによって、位置の誤差は2cm以内という正確さを持っています。

出典:http://navya.tech/?lang=en
さらに、実際にルートを走行することによって、より多くの情報が追加されていくようにプログラムされています。
今回公共交通機関での走行が可能となったのは2台であるが、その2台のバス同士で交信したり、スピーカーを通して乗客に話しかけることもできるようです。
乗客がバスに返答する際はキャビンのタッチスクリーンを介して行い、必要があれば、車外に向けて設置されたディスプレイを使って、バスの外にいる人々とコミュニケーションをとることも可能となっています。

今後、NAVYADでは郊外でバスの運行を営むスイスの大手バス会社「PostBus」と契約を結び、新しい取り組みを行っていきます。
ARMAはシオン市街の観光地エリアのみを、45km/h以下の速度で運行するものです。
PostBusは大規模な交通網を持っていますが、そのバス・システムとは異なり、今後は同社が小規模のNAVYAのバス・システムも管理していく予定となっています。
ソフトウェアを提供しているスタートアップとは?

ソフトウェアを提供するスイスのスタートアップ「BesttMile

出典:https://www.missporridge.de/wp-content/uploads/2014/04/mde_POSTBUS_LOGOBUS_frei_srgb_2200px.jpg
このバスの走行用ソフトウェアを提供しているのは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の卒業生2名によって設立されたスイスのスタートアップ企業「BesttMile」です。
同社は、今後も大学と運行管理を制御するシステムであるフリート管理や自動走行におけるアルゴリズムの研究開発における業務提携を続けていくといいます。

「ARMA」走行における問題点


出典:https://counsellorsam1.files.wordpress.com/2014/06/thoughts-of-a-gambler.jpg?w=640&h=425
NAVYAは、テスト段階が成功したら他の地域にもARMAを投入したいと考えているようです。
しかし、その実現のためには、前提として法規制を整える必要があります。
例えば、NAVYAの本国であるフランスにおいてさえも、完全な自動走行車を公共交通機関で使用することは法律で認められてはいないのです。
自動車の完全自動化を実現するための法整備には、多くの時間と手間がかかりそうです。

自動車の運転自動化に向けての取り組みは、まだ始まったばかりですので、まずは来春の2台のARMAの行方に注目していきたいと思います。

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